半導体産業について #7 前工程製造メーカー #2

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

引き続きシリコンファンドリーについてまとめてみます。今回は3-5位のグローバルファンドリー、UMC、SMICの3社です。

グローバルファンドリー、あるいは GF はもともとAMDの工場が独立してシリコンファンドリーになったものです。AMD も昔は垂直統合タイプでしたが、この売却により設計専業となったわけです。グローバルファンドリーは他にチャータードセミコンダクター(シンガポール)とIBMの半導体事業も取り込みました。しかし2018年に7nm のプロセス開発の無期限延期を発表し、実質、最先端分野への投資を停止しました。前工程製造ラインの先端分野では一度投資を停止すると再度、先端分野に戻るのは困難なのでグローバルファンドリーは最先端の技術を必要としない半導体を扱うことになるのでしょう。

UMC台湾のシリコンファンドリーです。今は TSMC と比較して業績に大きな差が出ていますが20年くらい前までは同じような規模でした。ただその後、TSMC は業績を急激に伸ばし、次の開発に投資し、回収するという良い循環に入りましたが UMC は大きな波に乗れませんでした。UMCは 1980年に台湾発の垂直統合メーカーとして設立された後、1995年にシリコンファンドリーへの業態を変更したという過去を持ちます。今も最先端分野への投資をしていますがTSMCと比べると周回遅れという感じです。最先端よりは少し古いプロセスで特殊な回路が必要な半導体の製造が得意です。今も高耐圧分野では最先端を走っていると思います。

SMICは中国のシリコンファンドリーです。中国が国策で立ち上げていると言ってよいと思います。SMICはTSMCの経営陣を多数引き抜きニュースにもなりました。以下のようなニュースもあります。2021年10月のニュースです。

その影響かSMICはなかなかのスピードで巨大化、最先端化しています。ただ最先端分野に力をいれていこうとしたタイミングで米中貿易戦争となりSMICは Entity リストの掲載されてしまいました。

ただその後も最先端のもの以外は米国から米国製の製造装置は出荷されているようです。ただ 2021年 12月のニュースで、再度、輸出規制という報道が出ているのでどのような状態なのか推測できません。

ただSMICは急激に力をつけてきており、何年か先にはTSMCの次はSMICという時代が来るのではと予測しています。

次回は上位5社以外のシリコンファンドリーを見ていきましょう。

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。


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