書評 シリコンバレー最大の捏造スキャンダル全真相 -BAD BLOOD-

リュディアです。シリコンバレー最大の捏造スキャンダル全真相 -BAD BLOOD- を読みましたので感想です。

2022年1月にカリフォルニア州サンノゼの裁判所の陪審が、詐欺罪を含む4件について有罪評決を出しました。判決は2022年の9月なので間もなくですね。その前に背景含め、この書籍で整理できたのでよかったです。日本語訳もこなれておりストレスなく読めます。

まず女性版ジョブスともてはやされたエリザベス・ホームズの幼少期から起業するまでの、彼女の性格や考え方が形成された時期について非常に丁寧に書かれています。著者はもちろん「なぜ、こんなことをする人間に育ったのか」という描写のゴールがあり、そのゴールに向けて違和感の無いように書いているので鵜呑みにはできませんが、それを割り引いても興味深いものでした。

また驚いたのは、社内の人間から見ると単純な詐欺をしているとわかっているのに、社外の人間はなかなか気づかなかったということです。ジェンダーフリーの時代というのもありますが、シリコンバレーの投資家たちが女性版ジョブスとしてもてはやされていたエリザベス・ホームズを利用してやろうと考えていたこともあるのではないかと思いました。

ボリュームはそれなりにありますが、映画を見ているように進んでいきます。本事件に興味のある方にはお勧めの書籍です。

では、ごきげんよう。

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