G検定 連合学習 (Federated Learning)

株式会社リュディアです。今回はAI分野の比較的最近のキーワードである連合学習 (Federated Learning) についてまとめてみます。

Google がデータ処理における効率性を高める可能性がある、と発表した連合学習 (Federated Learning) という手法があります。2017年 4月6日の Google AI Blog で発表されました。原文は以下です。

Federate という単語の意味は連合する連合させる、なので、日本語で連合学習と訳されます。神経心理学でも連合学習という言葉が用いられますが、こちらは Associative Learning の日本語訳で 2つの外部刺激の関連性を学習するプロセスのことを言います。どちらも同じ連合学習になってますので注意してください。

従来、AI が学習をする際には学習データを1台のサーバーに集め、サーバで機械学習を実施することが一般的でした。連合学習では各ユーザーの持つ PC、スマートフォン、タブレットなどの端末でデータ処理や学習を行いモデルを強化します。ここでデータは端末上でのみで保持されておりサーバには送られていないことに注意してください。個人情報保護の観点からも非常に重要な点です。端末内で強化されたモデルをサーバーに集め、より洗練されたモデルを作成し、再度ユーザーに配布するという方法をとります。

ベースになる考え方はユーザ端末の計算能力が向上しているので、ユーザにより近い端末でリアルタイムにデータ処理や学習を行うことができるようになったことによります。一種のエッジコンピューティングと考えてもよいと思います。

Google AI Blog の記事中では連合学習のサイクルとして以下が例示されています。

A. 端末でのユーザー利用状況を学習データとし各端末でモデルを生成
B. 多数の端末から生成されたモデルをサーバーに集約しより洗練されたモデルを生成
C. Bで生成されたモデルを端末でも利用可能
D. 以下、A, B, C を繰り返す

連合学習の利点はプライバシーを確保しながら、よりスマートなモデル、より低いレイテンシー、より少ない消費電力を実現することと Google AI Blog に記載されています。最初の2つは良いとして、端末レベルで見ると消費電力は増えそうな気がして違和感がありました。サーバーの電力を含めてトータルシステムとして考えると消費電力を抑えられると考えているのですかね?ここは不明です。

今回は連合学習(Federated Learning)についてまとめてみました。

では、ごきげんよう。

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