半導体産業について #10 設計会社 #2

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

半導体設計会社についてのまとめの続きです。前回のまとめでご覧いただいた 2021年第三四半期の半導体設計会社の売上上位10社について見てみましょう。

1 - 3位のクアルコムNVIDIAブロードコムは本まとめシリーズの過去の回に記載していますので飛ばします。

4位の MediaTek (メディアテック)からです。台湾の設計会社、いわゆるファブレス半導体企業です。シリコンファンドリの3 - 5位グループにある UMC が抱えていた設計部門を分社してできた会社です。携帯電話向けの SoCデジタルTV向けの SoC で巨大企業になりました。携帯電話、デジタルTV向けの SoC のマーケットはほぼ支配しているといってもよいのではないでしょうか。

5位の AMD も本まとめシリーズの過去の回に記載していますので、そちらを参考にしてください。

6位の Novatek(ノバテック)もメディアテックと同じく台湾の設計会社、ファブレス半導体企業です。ロシアに同じ名前の天然ガスの巨大企業がありますが関係はありません。Novatek はどちらかと言うとディスプレイ関連の半導体を設計している会社です。ディスプレイ関連の半導体分野では世界最大と言ってよいのではないでしょうか。マルチメディア向けの SoC、ディスプレイ向けのドライバICや TCON の巨大企業です。皆さんの使っておられるノートPCや家庭のTVにも Novatek の ICが入っていることが多いと思います。

7位は Marvell(マーベル) です。シリコンバレーにある設計会社です。個人的につかみどころの無い会社という印象です。いろいろな SoC を作っていますがネットワーク関連に強い企業という印象を持っています。

8位は Realtek です。台湾の設計会社です。イーサネット制御用のチップで大きなシェアを持っています。カニのロゴを使っていて一部の人からはカニチップともいわれています。以下の Realtek のページをみていただければカニのロゴも見えます。

9位は Xilinx(ザイリンクス)です。FPGA という内容を書き換えることが可能な半導体の専業設計会社です。FPGAという半導体の特性上、ちょっと他の設計会社とは雰囲気が違う気もしますが... 書き換え可能な半導体であるためもちろんコストが高いのでプロトタイプを作る際に利用します。過去にAltera という企業と FPGAの世界で首位を争っていたのですが Altera がインテルに買収されたため FPGA単独の設計会社としては最大規模です。

10位は HiMax(ハイマックス)です。こちらも台湾の設計会社です。Novatek とよく似た領域、ディスプレイ周辺の半導体に強い会社です。

2021年第三四半期の半導体設計会社の売上上位10社について簡単にまとめました。10位以下にも多数の企業があり、すべては紹介しきれません。ただ巨大な設計会社は米国、台湾の企業のみで日本企業はランクインできていないというのが現状です。TSMC を日本に誘致してもTSMCで製造するための回路を設計する巨大企業が日本には存在しないことに注意が必要です。

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。



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