2025年度/令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報Ⅰ』第1問の問1(a)

リュディアです。2022年度/令和4年度から高校で新学習指導要領が始まりました。3年後の2025年度/令和7年度の大学入学共通テストから新学習指導要領に従います。そのため大学入試センターが大学入学共通テストの問題作成の方向性および試作問題を公表しました。

特に新たに高校の必履修科目となった情報のうち情報Ⅰが必修科目となるため問題作成の方向性や試作問題を理解することは重要です。今回から試作問題の内容を詳細に解説しながら見ていきたいと思います。試作問題は次のリンクを参考にしています。

第1問

問1
a. SNSやメール,Webサイトを利用する際の注意や判断として適当なものを,次の0~5のうちから二つ選べ。

0.相手からのメッセージにはどんなときでも早く返信しなければいけない。
1.信頼関係のある相手とSNSやメールでやり取りする際も,悪意を持った者がなりすましている可能性を頭に入れておくべきである。
2.Webページに匿名で投稿した場合は,本人が特定されることはない。
3.SNSの非公開グループでは,どんなグループであっても,個人情報を書き込んでも問題はない。
4.一般によく知られているアニメのキャラクターの画像をSNSのプロフィール画像に許可なく掲載することは,著作権の侵害にあたる。
5.芸能人は多くの人に知られていることから肖像権の対象外となるため,芸能人の写真をSNSに掲載してもよい。

<解説>

インターネットを利用する上での一般教養のような内容です。選択肢を順に見ていきましょう。

0.メールでもメッセンジャーアプリのメッセージでも当初は自分の都合のよい時間に返事をできることがメリットとされていました。電話がかかってくると仕事や思考に割り込まれるから嫌ですよね。そのため0は誤りです。もしすぐに返事をしないといけない、あるいはすぐに返事をもらえて当たり前と考えている人はこれを機会に考え方を変えてください。

1.なりすましメールは多いです。例えば皆さんが口座を持つ銀行から、その銀行を名乗るメールやメッセージが届いたらどうしますか?無視するのが正解なのですが、皆さんの不安を煽るような文章が書かれているとうっかり見てしまいませんか。とにかく注意してください、としか言いようがないです。そのため1は正解です。

2.ネットにおける匿名性というキーワードも要注意です。あなたのアクセスした履歴はすべてどこかに残っていますが、大事件では無いので放置されているだけで、大きな問題発生に関係する場合は容易に特定されます。例えば Twitter でもいいのですが、複数のアカウントを使い分けて自分であることがばれないと思っている方は「あなたのツイートはどうでもいいから放置されている」だけであっることに注意してください。インターネットに匿名性はありません。そのため2は誤りです。

3.SNS を含むコミュニケーションツールにはグループ、特に非公開グループというグループのメンバーしかアクセスできないエリアが存在します。しかし個人情報はどのような状況であっても他人が公開することは許されません。自分でうっかり公開してしまった場合は自業自得ですが、そのうっかり公開された情報を他の人が他の場所に公開するとこれもまた罪に問われます。インターネットに匿名性が無いのと同様、非公開グループであってもそこに公開された情報を他のグループにコピーされたら公開情報になってしまいます。他人の個人情報、自分の個人情報ともインターネット上に公開しないことが重要です。

4.これは著作権の侵害です。皆さんも何となく感覚的にわかると思いますが、他人の作ったものを自分のものとして他の人の目に触れる場所で使用することは著作権法違反と考えてよいです。例外的に著作権保持者が元データを保ったままであれば再利用可能 = 二次利用可能とされているものもありますが例外です。注意しましょう。そのため 4 は正解です。

5.芸能人を含む有名人であっても肖像権の対象です。自分が写っている写真や映像に対して誰もが持つ権利、それが肖像権です。例えば軽い気持ちで街中で撮影し、SNSに投稿し、背景に写った人はどうなるのか?立派な肖像権の侵害です。そのため最近は写真アプリで特定の領域以外をボヤかす機能が普及してますよね。5は誤りです。

したがって正解は1と4です。ここまでは内容を理解しつつ正誤を確認してきました。

次にいわゆるマークシート式の考え方の1つである「断言している文章は正解で無い可能性が高い」という方法論も確認してみましょう。

0.「早く返信しなければならない」と断言している
1.断言せず可能性を考慮しようという言い方なので正解の可能性が高い
2.「本人が特定されることはない」と断言している
3.「個人情報を書き込んでも問題はない」と断言している
4.「著作権の侵害にあたる」と断言している
5.「芸能人の写真をSNSに搭載してもよい」と断言している

1 は実際に正解なのですが、4はこの方法論では導けないですね。こちらはあくまで参考としてください。

今回はここまでとします。

では、ごきげんよう。

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