オミクロン株の亜種について

リュディアです。オミクロン株という言葉が知られるようになって久しいですが、最近の報道でさらに詳細な亜種の系統を分類しているものが見られるようになってきました。自分の頭の中を整理するためにまとめてみたいと思います。

報道で目にするようになってきたのは、以下の3つの亜種の分類だと思います。カッコ内が正式名称です。

BA.1 (B.1.1.529.1)
BA.1.1(B.1.1.529.1.1)
BA.2 (B.1.1.529.2)

これらは亜種の系統と呼ばれるものなのですが、ここでは系統という言葉は省略します。

このうち BA.2 がステルスオミクロンという名前で報道されるものです。ステルスという言葉の元の意味は隠密です。なぜステルスオミクロンと呼ばれるかというと、一部の国でデルタ株とオミクロン株を見分ける目印にしていたスパイクたんぱく質の変異が無いためです。一部の国でデルタ株との区別ができない、という意味であって、隠密に活動するウイルスという意味ではありません。

一部の国と書きましたが、日本の検査方法ではデルタ株とオミクロン株のBA.2 を明確に区別できるので日本国内でステルスオミクロンと呼ぶのは不適切であることは理解しておいてください。

一方で日本の一般的なオミクロン株の簡易検出方法ではBA.1 と BA.2 の区別ができません。SGTFとよばれる他の簡易検査法で区別できるようにする体制を整えることがのぞましいとされています。

詳細は以下の忽那先生の解説記事がわかりやすいです。

では今国内で第六波の原因となっているのはどの系統なのでしょうか?まさに 2022年 2月 27日に以下のようなニュースが流れました。

東京医科歯科大学のグループがウイルスの遺伝子を解析したところ、国内で主流となっているのはオミクロン株の中でも「BA.1.1」と呼ばれる系統のウイルスだったとする調査結果を発表しました。サンプル数40人が妥当なのかどうか私にはわかりませんが、これら患者のうち 9割がオミクロン株で、さらにオミクロン株のうち 73% が BA.1.1 の系統だったとのことです。

この報道内容のうち私が注目したのは「デンマークなど『BA.1.1』の報告が少なかった国では『BA.2』への置き換わりが早かったが、海外の状況を見ると『BA.1.1』が主流の国では置き換わりが遅い可能性がある。オミクロン株の流行は長引くおそれがあり、医療機関のひっ迫を抑えていくことが重要だ」という部分です。つまり日本の今の状態は諸外国と比べて長引く可能性があるということです。東京医科歯科大学からのプレスリリースは以下のページをご覧ください。

また 2022年 3月2日には政府分科会の尾身会長が「第6波の感染者数が下がらないまま第7波に入る可能性も否定できない」との見方を示しました。

同じ 2022年 3月2日に大阪で BA.2 の市中感染が新たに5件見つかり、合計18件になった旨の報道がありました。

結局、結論として今のコロナ禍はもうしばらく続きそうなのですが、メディアや個人が都合のよい報道を引用し始めるようになっているので注意が必要です。現状を客観的にまとめると以下のようになると思います。

- 日本では3回目のワクチン接種率が低いという事実は認識すべき
- オミクロン株というまとめ方は危険で流行している亜種の系統にも注意すべき
- 海外事例との安易な比較は危険、諸条件や流行している亜種が異なる可能性も考慮すべき

正しく恐れながら、うまく付き合っていくようにしましょう。参考までに3回目のワクチン接種についてのまとめも行っていますので以下を参考にしてください。

では、ごきげんよう。


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