高校数学 三角比(三角関数) #4

リュディアです。引き続き三角比(三角関数)について見てみます。高校の数学で三角比を学ぶのと並行して高校物理の力学分野でも三角比が出てきます。三角形のある辺の長さと、ある角の大きさが分かっているときに三角比を使って未知の辺の長さを求めます。文書で書かれるとわかりにくいと思うので具体例を見てみましょう。まず三角定規の30°、60°の直角三角形について見てみます。60°のsin, cos, tan を求めると次のようになります。

前回までの練習も終えているのでこの計算は大丈夫ですね。これは有名な三角形なのであらかじめ辺の長さも角の大きさもすべてわかっており簡単に計算できます。では次のような直角三角形を考えてみます。

三角形の斜辺 の長さが2であることと、角Cが直角、角Bがθであることは既知ですが他は未知です。またθに対する sin, cos, tan の式も書いています。この式を見るとわかるように未知数であるa, b, をθで表現できます。

未知であったa, b を三角比とθで表現できました。これが重要なことです。具体例を見てみましょう。滑らかな斜面上に質量 m の物体があります、という高校物理でよくある問題です。この物体にかかる力は2つで重量 mg と垂直抗力 N のみです。図中の黒矢印で表現しています。

力は2つなのですが向きが違うので関係を導けない状態です。まだベクトルを習ってない方もおられると思いますが力はベクトル量なので向きが揃っていないと意味がありません。そこで斜面に垂直な方向と水平な方向にわけて考えます。

斜面に垂直な方向から見てみます。垂直抗力はそのまま利用できます。重量は地球の中心方向に引かれるので斜面に垂直な方向と水平な方向にわけます。中学で練習しましたね。このとき角度θと三角関数を利用すると重量のうち斜面に垂直な方向と水平な方向への分力を表現できるわけです。便利ですよね?何も考えずに機械的に扱えるわけです。これが物理の力学で三角比が登場する理由です。

ただ時期が悪いですね、同じような時期に数学と物理でやるので一方で詰まるとどちらの教科も嫌いになってしまう危険性があります。昔は数学のカリキュラムを無視して三角比を教える物理の先生もいましたが、今は公立だとそのようなことはできませんしね。

今回は既知の辺と角の大きさを使って未知の辺の長さを求める方法についてまとめてみました。このまとめを見て物理も数学も少しは好きになってくれる人が増えたらいいな、と祈ってます。

では、ごきげんよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?