コネクテッドカーとパテントプール「アバンシ」

リュディアです。コネクテッドカー周辺の動きが活発になってきました。2022年9月22日に次のような報道がなされました。

トヨタ、ホンダ、日産などの日本自動車大手と欧州ステランティスがコネクテッドカーについて通信技術の特許料の支払いに応じるというものです。

コネクテッドカーとは何でしょうか?簡単にはインターネットへの常時接続機能を持つ自動車とされています。自動運転のときにもカメラとセンサーから周囲の情報を取得するだけでなく、インターネットから道路情報などを得る車がありますよね。テスラの自動車はまさにそうなのですが、将来的にはすべての自動車がコネクテッドカーになると言われています。

ただ問題はコネクテッドカーでは様々な無線通信技術を使う必要があり、またこれらの技術に関して通信メーカー、電気メーカー等が多数の特許を持っています。自動車メーカーが特許を持つ各企業と個別に交渉を行うのは大変なので、通信メーカー、電気メーカー等がコネクテッドカーで必要な自社特許を特定の団体に管理を依頼します。このような考え方を特許プール、あるいはパテントプールと呼びます。コネクテッドカーのパテントプールは米国にあるアバンシ(AVANCI)という組織です。

アバンシ(AVANCI)には例えばパナソニック、NTTドコモなどの日本企業以外に、クアルコム、ノキアといった企業も参画しています。51社が参加しているそうです。要は51社の持つコネクテッドカーに必要な特許をまとめて自動車メーカーにライセンスし、ライセンス料をまとめて受取、各社に分配する機能を持つ組織と考えてください。

テスラができた当時、テスラの自動車は人を運搬可能なスマートフォンと言われました。もはや運送道具としての自動車では付加価値が出ず、コネクテッドカーの時代に移行しつつあります。自動車メーカーが通信メーカーに技術ライセンス料を支払う時代に入ったというのも大きな時代の変わり目を感じますね。

では、ごきげんよう。

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