大学アンチだった私が大学院まで行った話-3.1:2つの別れ、新たな出会い

シリーズ最終回(前編)です。

〜ここまでのあらすじ〜
大学生活に絶望してヤケクソになっていた私だったが、尊敬できる教授との出会い、そしてコロナ禍の非対面授業により、3年生にしてぼっちでも楽しいキャンパスライフを手にする。しかし、そんな私をさらに2つの絶望が襲う…。それらを糧に変え、新たな人生をスタートさせることができたきっかけとは!?


大学生活に希望を見出せなくても、開き直ってそれなりの日々を過ごすことができた理由、

それは、バイトの仲間がいたからだ。


その中に、「やっと出会えた一生の友達」だと思える人がいた。


大好きな友達、だった。


大学3年生の秋頃、彼女と絶縁した。


それぞれ大切にしたいことが違って、お互いに相手のそれを大切に思うことができなかったのだと思う。

大学でぼっちの私は、彼女に依存しすぎていた。
離れるのは、とても辛かった。


彼女は、夢を追う人だった。

私には夢がなかった。

彼女には、一人潰れてしまいそうなほど苦しい思いをした経験があった。

私には、何かを自分で乗り越えた経験がなかった。


羨ましかった。


バイト先で名前を取り違えられるくらい雰囲気は似ているのに、
自分と比べて、彼女はあまりにも"強い"。
モテるし。

「尊敬」はやがて、「嫉妬」に変わっていた。

経験値も低く、夢も持てない自分が惨めでしかたがなかった。
見下されているようにすら感じられるようになった。


彼女と離れたことで、その卑屈な思いはだんだんと薄れていった。

たまたま参加した企業説明会で語られた理念、なんとなく見ていたYouTubeの動画(某メンタリストさん)…。いろいろなものに助けられた。

私は彼女のようにはなれない。
なら、私は私の生き方で、幸せを掴んでやる。

そう、決意した。



1月、もっと大事なものを失った。


家族だ。


といっても、愛猫のこと。

1人っ子の私にとっては、妹のような存在だ。


彼女(愛猫)がうちにきてから、毎晩一緒に寝て、毎朝一緒に起きた。

私が元気なときには、小さすぎる箱に無理やり入ったりして私の気を引こうとする。

私が泣きそうなときには、そっと膝に乗って寄り添ってくれる。


彼女が亡くなったのは、もう2年近くも前のことだが、今も涙を流しながらこの文章を打っている。

唯一にして最大の"理解者"を失った私は、自室にこもりがちになり、他者から心を閉ざした。


部屋で1人、ただ現実逃避に耽る毎日。

元々はリビングでテレビを見るのが好きで、滅多に見ることのなかったYouTubeを、昼夜を問わずひたすら見続けた。


私はあるチャンネルを気に入って、そればかり見るようになった。

彼らの名は、QuizKnock。

ご存知の方も多いだろう。
東大卒の伊沢拓司氏を中心に高学歴なメンバーが集まって、主にクイズを題材にしたエンタメ動画を発信しているチャンネルだ(勝手に取り上げていいのだろうか)。


QuizKnockさんの動画で笑わせてもらっているうちに、精神状態も落ち着いてきて、就職活動にも取り組めるようになった。


QuizKnockさんは、動画に出演されている方々がとても魅力的で、つい見入ってしまう。

私が最終的に一番好きになったのは、
須貝駿貴さんだ。

人柄や考え方が尊敬でき、憧れを抱いた。
また、目の奥に"炎"が灯されているような印象を受け、その正体が気になった。

そして、それを知ったとき、私は人生を変えられることになる。


「僕は、サイエンスコミュニケーターですから。」


そうか。
私はこの人のようになりたいんだ。

人生に散りばめられていた伏線が、回収された瞬間である。


(次回、やっと完結)

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