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「男」が不在の映画『オール・アバウト・マイ・マザー』

祈さんとの共催で、映画を観て語る会を開催します。
映画『オール・アバウト・マイ・マザー』について語り合うスペイン・ランチ会

2021年のスペイン・リトリート・ツアーに向けて、2020年は大人の自由研究をしていくその第一弾!
20年前に公開された時、友人と観に行って、帰りにお茶をした。映画館ではただただ圧倒されただけだったのが、「今の映画さ、・・・」と話しだしたらもう、感情と涙があふれ出た。あれが思えば、映画の後には感想を語り合いたい(それがないと鑑賞が完成しない)私の原体験だ。人は聴いてもらえる相手と話すときに、ようやく解放できる感情があるから。フリーズしたまま受け取った体験を、自分のものにするための消化の時間が必要なのだ。聴いてもらうだけでなく、同じ作品による違った体験を持ち寄ることで、消化液を分け合うような、発酵を促すような作用もある。葡萄や麹をみんなの手で混ぜて、酒を醸すような申請で心躍る営みだ。

今回、語り合う会のためにDVDで鑑賞。20年ぶりに観ると、シーンのところどころは覚えているけれど、ストーリー自体はだいぶ忘れていた。そして、あらためて映像美・色彩にぎゅっとなる。赤い服がよく似合う女たち。セリフもいい。舞台上と、現実。女優と、生身の彼女。境目がなく、惹きつけられる。夢の中にいるみたいだ。

もうひとつ、20年前に気づかなかったこと。
この映画に「男」が不在なのだ。強い男性性、奪い、君臨する存在がいない。少年か、老人か、性転換した人。強い支配を感じさせる存在がいない。石で殴られて退散する男は助け起こされて見送られるし、楽屋で迫ってくる男はアグラードの即興スピーチに爆笑しながら拍手喝采してるし、なんだか情けなさや友好的なつながりで描かれる。

登場人物たちが、リスペクトしあい、できる範囲の臨機応変なサポートをしあう様が、希望をくれる。死や老いや病も描かれているのに、太い生命力に貫かれた映画だ。vida!

新宿のスペイン・レストランで、ランチを食べながらこの映画について大いに語りたい。あなたの好きなシーンは?セリフは?キャラクターは?私たちにも確かに脈打つ生命力を感じる時間になるはず。

お申込みはこちらから。↓↓↓

映画『オール・アバウト・マイ・マザー』について語り合うスペイン・ランチ会

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