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新規顧客アプローチを目的としたLINE公式アカウント活用ポイント

皆さんこんにちは!

株式会社オプト 運用コンサルタント兼MarryWall代表の野嶋友博です。

LINE Frontlinerとして、今までLINE広告に関する記事を数本執筆しています。
今回はLINE公式アカウントを活用した新規顧客へのアプローチ方法、というテーマで記事をまとめました。

1. 現状のLINE公式アカウントの活用スコープ

まずは、LINE公式アカウントが企業のみならず、個人事業主の飲食店などでどのように活用されることが多いのか?整理をいたします。

顧客が企業のことを認知してから初めてその企業が提供するサービスを利用するまで、また、初回に利用してからも継続的に利用し、ロイヤル顧客になっていただけるまでを想定したとき、その過程の中で、LINEの各プロダクトや周辺サービスがどのように活用される場合が多いのかを視覚的に可視化したものが以下です。

LINE公式アカウントは主に『初回利用』をした後の顧客とコミュニケーションを取るツールとして活用されることが多いことが分かります。顧客にLINE公式アカウントを友だち追加してもらうことで、その後も継続的に商品や店舗の情報を届けることができる、という機能・仕様上、これは皆さんイメージがしやすい部分かと思います。

一方で、『初回利用』されるまでの購買検討プロセスにおいては、LINE公式アカウントがなかなか活用されていないこともわかります。サービスを利用するか検討している顧客にとって、ライトに情報を受け取ることができるというツールの点では有効活用できそうな印象を持ちます。なぜ、なかなか利用されないのでしょうか?

2.購買検討フェーズの顧客に向けて、企業がLINE公式アカウントを活用する際のボトルネック

購買検討フェーズの顧客に向けて、企業がLINE公式アカウントを活用しきれていない理由の一つとして、顧客に友だち追加してもらってからLINE公式アカウントを活用するまでROI(投資利益率)が他のWebプロモーション施策と比べて高い、という理由があると考えています。

LINE公式アカウントの友だち追加施策を顧客の「初回利用」を目的に実施したとします。
LINE公式アカウントの友だち追加施策は、ニーズが顕在化している顧客だけにアプローチするものではありません。一方で、「初回利用」を目的に実施されやすい検索広告やリターゲティング広告は、ニーズが顕在化している顧客に向けて直接アプローチすることができます。その結果、同様の目的で実施したWebプロモーション施策と比較すると、ROI(投資利益率)が他の施策と比べて高いと感じてしまうことがあります。

そもそも一度も利用したことがない商品やサービスの情報を受け取るため“だけに”LINE公式アカウントの友だち追加をする顧客はなかなかいません。そのため、LINE公式アカウントに友だち追加してもらうためには、お金や時間を使ってその商品やサービスの利用をする手前で、それに近しい『体験ができる』というベネフィットをLINE公式アカウントの中で設計することが重要であると考えます。

この土台が設計できた上で、どのような手法で、LINE公式アカウントの運用を通して、顧客にどのようなベネフィットが提供できれば、顧客に初回利用をしていただけるようなアプローチができるのか?次項より私の考えを説明いたします。

3.商品認知をしていた顧客に、商品利用したいと思っていただくための友だち集客のポイント

今後、自社サービスを利用してくださる可能性のある顧客に、LINE公式アカウントの友だち追加の後、初回利用してもらうためには以下AとBの2つの方向性があると考えています。

A.友だち追加広告を上手に活用する

LINE公式アカウントの友だちを増やすため、今では当たり前に活用されているのが、「友だち追加広告」です。LINE広告の一種であり、広告をクリックするだけで、LINE公式アカウントに友だち追加できることから、多くの顧客にLINE公式アカウントの友だち追加をしてもらうきっかけになります。

また、LINEプロモーションスタンプなどをきっかけにLINE公式アカウントに友だち追加してもらうよりも、その後ブロックされる確率が低く、自社商品やサービスに対してアクティブな姿勢を取る友だちに登録してもらえることも多いことが特徴です。

しかし、そうはいっても『クリックひとつで』LINE公式アカウントに友だち追加できてしまうため、すぐに商品・サービスを利用していただける可能性は低く、初回利用までの道のりが長いことは否定できません。

そのため、いかに今後自社サービスを利用してくださる可能性のある顧客へ「友だち追加広告」を活用してアプローチし、LINE公式アカウントに友だち追加したいと思ってもらえるかが重要となります。

例えば、LINE公式アカウントですでに友だち追加をしてくださっている顧客の行動傾向から、似ているユーザーにターゲティング配信ができるクロスターゲティングの活用は有効な打ち手です。

既存の友だちの中でもよりアクティブな友だちだけに絞り、似ているユーザーに対してアプローチをする手法は、通常の友だち全ての類似配信と比べ、LINE公式アカウントに友だち追加をしてもらえる可能性、その後のブロック率それぞれ低いことが多いです。

トークリストの最上部の小さい枠に最適化された広告フォーマット「画像(小)」が、年内利用可能になりました。
画像(小)とは、通常のLINE広告のサイズより小さいサイズの画像で構成されているLINE広告のことです。

これまで小さい広告掲載枠においては、広告の内容を読み取りづらく、クリック(=友だち追加)直後に求めていた内容と違うことがわかり即時ブロック、ということが一定数ありました。画像(小) は、友だち登録を行う前に、どんなLINE公式アカウントなのかを事前にしっかりと知ることができるため、LINE公式アカウントに友だち追加をした後に、ミスマッチが起こってしまう可能性が低くなります。

また、友だち追加広告をきっかけにLINE公式アカウントに友だち追加してくださった顧客のみ、友だち追加直後のシナリオ設計を変更することも一つの打ち手です。

商品やサービス理解や興味関心が低い状態で友だち追加をしてくれた顧客に対して、商品理解のための動画や、体験型コンテンツを送ったり、チャットボットを活用し、顧客の興味関心にあったサービス診断のコンテンツを使ってもらったりすることで、顧客が自分が求めている商品か否か判断できないまま、とりあえずブロックしてしまうことを防止していくことが期待できます。

友だち追加広告1つとっても、潜在顧客に対してアプローチすることは可能なため、試行錯誤しながら対応していくことが有効になると考えています。

B. クッションページを用いたWeb広告プロモーション

2点目はクッションページを用いたWebプロモーションです。クッションページというのは友だち追加の前に、そのLINE公式アカウントの機能やできることを訴求するための遷移先ページのことを指します。

Aで説明したように、友だち追加広告は広告のクリックそのものがLINE公式アカウントへの友だち追加になるため、数多くの友だちが集まる反面すぐにブロックされてしまうという懸念があります。
友だち追加の前に商品やサービスに対して興味をもっていただくため、LINE以外のメディアも活用し、敢えて一度LPに来てもらい、LINE公式アカウントの機能や特徴についてのコンテンツを読んでいただくことが有効であると考えます。

以下の図のように、クッションページを用いた導線は、友だち追加広告からそのままLINE公式アカウントに友だち追加してくださった顧客と比べて、ブロック率が低く、初回利用に至る率が高いことが見て取れます。

その分CPF(友だち追加単価)は友だち追加広告の施策と比べ、高い傾向になるため、最終的な初回利用にかかる費用(CPA)も踏まえて評価し、適切なKPIを設計することが重要だと考えます。

LINE公式アカウントへの友だち追加、と考えると、LINEのみを活用したマーケティングプロモーションを考えがちですが、このようにチャネルを広げて『商品に対する興味関心が高い顧客とのコミュニケーションツール』という思考を持つと施策のバリエーションが広がると思います。

今回は以上です。

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