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LINE広告で大事なクリエイティブセグメントとは?

皆さんこんにちは!

株式会社オプト 運用コンサルタント兼MarryWall代表の野嶋友博です。

LINE Frontlinerとして、いままでLINE広告に関する記事を数本執筆しています。

今回は「クリエイティブセグメント」をテーマにご説明いたします。

ポストクッキー時代における運用型広告の変化

今回のテーマである「クリエイティブセグメント」の重要性を語るには、まず、ポストクッキー時代について理解してもらう必要があります。

これまでインターネット広告の配信(≒ターゲティング)や計測をする際に活用されてきたクッキー。クッキーとは、ブラウザが一時的にユーザーのデータを保存しておくためのファイルのことを指し、クッキーが活用できなくなる世界をポストクッキー時代と言います。

クッキーが活用できなくなることにより、自動化が進む運用型広告において、「誰に広告を配信すべきか」を広告メディアのAIが判断するためのデータが不足し、最適なユーザーへ情報を配信できない可能性も想定されています。

だからこそ、これからの時代は、商品を必要としている生活者を見つけ出し、適切に広告配信をするためのデータを広告メディアのAIに補完する、いわば教師のような役割が、広告運用者には求められています。

これについては以前noteに寄稿しておりますのでご興味のある方はご覧ください。

クリエイティブの役割が変わってきている

ポストクッキー時代において、広告クリエイティブの役割も変わってきています。

マス中心のマーケティングでは、CMやチラシ、交通広告を活用したコミュニケーションが中心でした。
大勢の人にCMやチラシ等を見てもらった上で、興味がある人だけ購入してください、というコミュニケーションです。

それがデジタルを中心としたマーケティングが発展し、ターゲティング機能が発達したことで、必要としている生活者に向けて広告を配信することが可能となりました。
これまで「誰に、何を、どのように」という広告の役割全てをクリエイティブが担っていたところから、「誰に」の部分を、ターゲティング機能で担うようになったことがテクノロジーの発展の成果です。

野嶋さん図1

ポストクッキー時代では、広告メディアのAIの情報不足によってターゲティング機能の精度が落ちることから、改めて「誰に」を意識したクリエイティブが求められるようになります。

誰の目にとまるかを決めるのはターゲティング機能の役割で、クリエイティブとCVRは関係ない、と言われていましたが、これからの時代は誰の目にとまるかはクリエイティブによって決まる時代ということです。

これがクリエイティブセグメントの考え方です。

野嶋さん図2

ディスプレイ型に進化するLINE広告

クリエイティブセグメントの具体例に移る前に、LINE広告の掲載面の変化についてご説明します。

2016年にリリースされたLINE広告は、当時タイムラインのみが掲載面でした。
それがLINE NEWSや他LINEのファミリーサービスへと掲載面が広がり、2021年5月以降、LINEアプリ内でも特にアクティブ率の高いトークリストの最上部では、常にLINE広告やその他のコンテンツが掲載されるようになりました。

配信在庫が増加した、という観点だけで考えれば、広告運用者目線ではポジティブな変化ですが、様々な掲載面が増えたことで広告クリエイティブの考え方も複雑化し、広告効果を高めるための工夫がより求められています。

特に、これまでは画面占有率(スマホ画面に占める広告クリエイティブの範囲)が高い掲載面が主体であったところから、上記トークリスト面のリリース以降は画面占有率の低い「小さい掲載枠」の割合が高くなっています。

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私はこれをLINE広告はインフィード型からディスプレイ型に変化した、と表現しています。

詳細は以前寄稿した下記記事に記載しています。

つまり、これまでは

「広告が見てもらえる前提で何を言うか?」

が求められていましたが、掲載枠が小さくなったことで

「そもそも広告を見てもらうためには?」

を考えることが重要視されるようになりました。

そのため、最近のLINE広告ではアイキャッチを強めるような広告クリエイティブ必須パターンとされています。

しかしながら、アテンションだけが強い広告は、生活者にとって心地よいものではありません。ただ目立つだけのクリエイティブで、いざクリックをしてみたら自分とは全く無縁のサービスであった…こんな経験をしたことはありませんか?

特にLINE広告のトークリストはアクティビティ率が高いため、これによる「広告の嫌悪感」は小さいものではないと考えています。

だからこそ、その商品・サービスを必要としている人だけに目にとめてもらい、サイトに来てもらえるような広告クリエイティブが広告効果を向上させるためにも、またユーザーに嫌われないサービス作りのためにも必要です。

クリエイティブセグメントの3つの考え方

ここまではクリエイティブセグメントの考え方とその重要性について説明してきました。
ここからはその具体論について3つにまとめて紹介します。

① ターゲットでセグメントする
まずはターゲットでセグメントするという考え方です。
サイトに来てほしい、サービスを知ってほしいユーザーに対し、クリエイティブで明確に伝える、というものです。

例えば小中学生の子どもを子育て中で、日々家事が忙しい女性に向けたサプリメントの広告配信を行う場合、従来であれば

「ママさん必見」

としていたところを

40代のママさん必見」

といったように敢えて絞り込むことで自分事化を促します。

野嶋さん図4

もちろん30代の方もターゲットになり得る可能性がありますが、同様にターゲットとは少し異なる20代の方のクリックを防ぐことができます。

② アクションでセグメントする
続いてアクションでセグメントするという考え方です。
これは広告配信上のゴール地点に達するまでのハードルを事前に明確化しておく手法です。

例えば、無料クーポンやサンプルを配布している広告をよく見ますよね。
企業としては、「今後有料利用者になり得るユーザーへのアプローチ」を目的としているケースが多いと思いますが、有料利用者になるためには、ユーザーに会員登録や資料請求をしてもらう必要があります。

そのため、

「無料サンプル配布中」

としていた広告クリエイティブを

資料請求で無料サンプル配布中」

のように必要なアクションを明確化することで、興味・関心が高いユーザーの方のみ、サイトへと誘導することが可能な工夫になります。

野嶋さん図5

③ 表現でセグメントする
最後に表現でセグメントするという考え方です。
これはターゲット以外には意味が読みとれないような表現やワーディングを広告クリエイティブに取り入れるものです。

その表現に親近感を覚える人にとってはアテンションになりますが、そうでない人にとってはスルーの対象になる、いわば暗号のような考え方です。

例えば高校生をターゲットとしたアルバイトアプリの広告プロモーションの場合

「金欠の高校生へ」

から

「お金なくてぴえん

といったように高校生の流行語を取り入れることでターゲットを表現で絞り込みます。

野嶋さん図6

まとめ

クリエイティブセグメントについては上記の「訴求テキスト」以外にも、画像や動画の工夫によって様々なセグメント方法がありますので、サービス・商品に合わせて試行錯誤してみることをオススメします。

何はともあれ「ターゲットを知ること」が最も重要なファーストステップです。

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