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組織づくりについて

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側島製罐という老舗中小企業で、どうやって組織が変わっているかについての記録。
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#ティール組織

100年以上経営理念が存在しなかった中小企業で社員と一緒にイチからMVVを作った話

今回はMVV策定についての話です。 弊社では今回、約1年という長い時間をかけてMission Vision Value(以下「MVV」という)を策定しました。最近ではパーパスだったりフィロソフィーだったり志だったり、会社によって色んな言い方があると思いますが、つまりは経営理念や行動指針に該当するものです。 今回はMVVをなぜ策定しようと思ったか、そしてどうやって策定したか、について書いていきたいと思います。手前味噌ですが、弊社のメンバーが本気で頑張ってくれたおかげで、可能

「掃除は始業前に済ませる」という同調圧力を正して変わったこと

ヘッダーのような当番表、誰しも一度は見たことがあるのではないでしょうか。これは以前、側島製罐で使っていた事務所の掃除の当番表です。くるくる回して当番変えるやつですね。 側島製罐では以前まで、「掃除は始業前に終わらせるもの」という暗黙の了解がありました。少なくとも始業の10分前くらいには机を拭いたりごみを捨てたりし始めて、朝礼が始まるまでには掃除を終わらせていないといけない、という仕組みですね。昔からやっているということで何となくそのまま続けていましたが、「これはサビ残の無償

経営者が指示命令や評価という特権を手放した会社では一体何が生まれるのか

自分が代表取締役を務める側島製罐では2020年の事業承継開始以来、組織のあり方が大きく変わってきました。古色蒼然とした老舗中小企業をみんなで立て直しをした結果、2021年に経営理念(MVV=Mission,Vision,Values)を策定、2023年に自己申告型報酬制度を導入、「社長」という役職も会社から無くすことになり、現在では従前のようなトップダウン経営から転換して、自律分散型組織のような状態になっています。 この過程で、指示命令・マネジメント・評価・給与決定など、自

”中小企業型ティール組織”という新しい未来への挑戦

側島製罐では2021年に全員でMVVを策定したのち、2023年からは「みんなで経営 自己申告型報酬制度」と銘打った制度を導入しました。今年導入したばかりなので実際の成果などはこれからでほぼ社会実験みたいなものですが、内容としては過去の実績を評価して給与額を決めるというやり方をやめて、各自の自律性や発展性を信じて未来に先行投資する形で給与を先払いするというやり方で、正に社運を賭けた挑戦です。この制度を導入するまでに三年間も要してしまいましたが、考えに考え抜いた末にこの制度に辿り

代表取締役に就任した僕がみんなと交わした一つの約束

先日、側島製罐株式会社の代表取締役に就任しました。3月初旬に「もう代表という肩の荷を下ろしたい」と先代からの強い要望もあり、父親が70歳になることや自分が家業に入って3年経過したことなどを鑑みて、このタイミングで自分が代表に就任することになりました。先代は取締役会長となり、ボードメンバーとしては残りつつ代表ではなくなります。 せっかく代表就任なので決意表明でも書くかなと思ったのですが、そちらは上記の通りプレスリリースを出してるので割愛して、今回は代表就任に際して、会社のみん

経営者だって不完全な人間でいいじゃない。

自分事ですが、家業に入ってもうすぐ3年が経ちます。元々はただのサラリーマンでマネージャー職すらやったことない自分が実経者として3年間旗振りをしてきたわけなのですが、振り返ってみると日々ぶつかり稽古で経営者ごっこ的になってしまっていた場面がたくさんありました。フラットな組織にしたいとぼんやりとした理想を持ちながらも、実際にやってきたことは完璧を求めた権力行使による命令だったりしたこともあり、スタッフのみんなを混乱させてしまったことも多かったなと反省するわけなのですが、とはいえ3