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樽生ビールがおいしいと感じる理由

同じ銘柄のビールでも大きく分けると樽生、瓶、缶と3種類の飲み方(詰め方)があります。みなさんはどの飲み方がおいしいと感じますか?
ある調査によると、約8割の人が樽生ビールがおいしいと回答しています。
ではなぜ樽生ビールがおいしく感じるのでしょうか?

出荷時の中身はすべて同じ商品

樽生、瓶、缶とありますが、中身に違いはなく、すべて同じタンクで造られた同じ商品が詰められています。なので出荷時には樽生、瓶、缶で中身の成分や味が違うということはありません。

なぜ味の違いを感じるのか

要因として考えられるものはいくつか存在します。
極端な例ですが、マグロのお刺身を想像してみてください。釣り上げたときは新鮮な天然マグロです。それがせりにかけられ高級寿司店で売られるとします。きっとそれはおいしいに違いないです。一方、同じマグロが一般的なスーパーに並べられたとしたらどうでしょう?高級寿司店と同じ感動は味わえないと思います。
ビールに関しても同じことで、飲む環境が変われば味も変わるものです。

酸化はビールにとっては大敵

ビールは賞味期限が比較的長いとは言え、生ものですので日に日に劣化していきます。その原因は酸素。酸素に触れることにより酸化して、香味が変化したり、酸化臭が発生したりします。
樽ですと中身の液体量に対して酸素量が少ない為、劣化は比較的少なく抑えられます。瓶ビールも瓶詰め時に水を吹きかけて空気を追い出してから栓をするため、空気はほとんど入りません。しかし缶は空気を出し切れる構造にない為、樽、瓶に比べると酸化しやすいと言えます。
※樽に関しては飲食店で封を切ってから時間が経ちすぎると一気に酸化が進みます。

高温や日光もビールには大敵

酸素がビールにとって劣化の原因となることをお伝えしましたが、高温や日光もビールにとっては大敵となります。
温度が高いと品質が劣化するスピードは速まりますし、日光に晒されると化学変化がおき、日光臭と言われる硫黄臭が発生します。

なぜ樽生をおいしく感じるのか?

1番の理由はやはりサーバーから注がれるキメの細かな泡ではないでしょうか。泡には蓋の役割があり、ビールの鮮度をキープする効果があります。そして飲み口をまろやかにしてくれます。
さらに樽は一般消費者は取り扱えず、高温状態や日光に晒られるリスクが少ないこともあると思います。
そして雰囲気ももちろんあります。家で一人で飲むビールよりも、仲間や大勢で飲むビールはおいしいものです。

樽生ビールがおいしいと答える人が多いのは事実ですが、缶や瓶ビールがおいしいと答える人もいるのも事実。そして缶や瓶がおいしいと言える根拠もあります。
しかし1番は自分がおいしいと思える飲み方で美味しく飲むのが1番だと思います。