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なぜ山崎などのジャパニーズウイスキーは品薄が続いているのか

山崎をはじめとする国産ウイスキーは品薄状態が続いています。酒販店やデパートでも並べてあるのをほとんど見かけないと思います。オンラインショップでは販売はしていますが、定価とは程遠く、プレミア価格がついている状況です。
ではなぜこのような状況が続いているのでしょうか。そしてどうしても飲みたいという人はどうすればいいのでしょうか。

なぜ品薄がここまで続いているのか

大きく分けると3つの要因があります。

  1. 以前のジャパニーズウイスキーは人気が無く、生産も減産傾向にあった

  2. ハイボールの消費拡大と「連続テレビ小説 マッサン」による消費拡大

  3. ジャパニーズウイスキーが世界的に評価される

1.以前のジャパニーズウイスキーは人気が無く、生産も減    産傾向にあった

1980年代のジャパニーズウィスキーは人気もなく、バブルを境に年々消費量も減少傾向にありました。最終的には2008年まで減少は続き、その後はV字回復するのですが、消費量が減っていく中で生産量を増やせるわけもなく、原酒の量は徐々に減っていきました。
もちろんウイスキーの熟成には数年~数十年の年月がかかるわけですから、この頃の減産が今になって響いてきているということです。

2.ハイボールの消費拡大と「連続テレビ小説 マッサン」による消費拡大

2010年頃になるとサントリーは「ハイボール」という飲み方の提唱を行います。このハイボールは日本人の多くに受け入れられ、今ではウイスキーの代表的な飲み方として定着しました。さらにSNSの普及により、それが爆発的に拡散されていきました。
2014年には「連続テレビ小説 マッサン」のヒットにより、空前のウイスキーブームが到来します。

3.ジャパニーズウイスキーが世界的に評価される

以前のジャパニーズウイスキーの国際的な評価は決して高いものではありませんでした。しかし2010年代に入るとサントリー、ニッカなどをはじめ日本のウイスキーが海外でも賞を取るようになっていきます。それと同時に海外での需要も高まっていきます。2010年からの輸出額は10倍以上に跳ね上がり、輸出先としては中国、アメリカ、フランス、オランダが多い国となっています。

すべての要因が重なり現在の品薄につながる

ウイスキーの原酒を造るのには数年~数十年かかります。減産が続いた状態からの、爆発的な需要の増加に追い付かないのも無理はありません。

この品薄状態はいつまで続くのか

ヴィンテージのウイスキーはあらゆる年代の原酒を混ぜて一番若い原酒の熟成期間を表示してあります。例えば山崎12年ですと一番若い原酒が12年以上熟成されているということになります。中には15年、16年と熟成された原酒がブレンドされている可能性もあります。
各メーカーも増産をしているようですが、それでも需要の方が多い状況が続いています。18年、25年などはまだまだ先になりそうですが、ノンヴィンテージですと2030年頃には解消されるのではないかと予想されています。

今どうしても飲みたいなら・・・

現在でも稀に酒販店などでは陳列してあることがあるようです。しかしすぐに売り切れてしまうので、運の要素も強いでしょう。
オンラインショップでは普通に販売されています。しかしプレミア価格がついていて、定価の2倍~10倍の価格がつけられていることもあります。
もう一つは取り扱いのある飲食店で飲む方法です。バーなどでは置いてあることもあり、1杯から飲めるのでどうしてもいう方にはピッタリかもしれません。

まとめ

山崎に限らず、ジャパニーズウイスキーは品薄なものがたくさんあります。今後も品薄は続くと予想されていますし、ヴィンテージ物になれば一般的に出回るには更なる年月が必要となります。どうしても飲みたいという方は上記のような方法を試してみるといいかもしれません。