地獄からの脱出 #1
昔から一般企業に勤めても長続きせずやっと見つけた職場は犯罪臭プンプンの反社代表取締役みたいな人に毎日こき使われるだけの会社だった
それだけならまだしもコーヒーの温度が気に入らなければコーヒーシャワーを浴びる従業員達。
電話は3コール以内に出る。
1コールすぎる毎に1発殴られて3日間の合計で貯められてゲンコツ貯金にみんなが震える会社だった
そんな日々に嫌気が差しながらも昔から上手く被害をかわせるスキルとハマると真面目な性格とビビりな性根の相乗効果でなんだかんだ4年勤めた。
最終的に無実の裏切りと理不尽の押し売りで殺されるかと思って逃げ出した訳だがほぼ無一文である事が逆に好都合だった。
まず圧倒的身軽!!!
なんなら逃げ出す数日前から持ち物を売りまくって夜逃げ費だけを作ってスーツケースを車のトランクに布で隠して置きついに来た…
月末最終出勤日!!!!!
俺は笑顔で会社を後に…
社長から今日は飲みに行くかと一言
もちろん断るわけもなく波風を立てない完璧な対応で浴びるほど飲み深夜4時を周り解散
ベロベロで荷物がある車にたどり着き予定外の出費である代行に頼みとりあえず金を見せて県を出た最初のコンビニまで運転してくれと伝え気絶するように眠りについた。
起きると某県のハズレのコンビニ駐車場
支払いを済ませ酒が抜けるまでの仮眠をとった
寝て起きたら何処からともなく現れたカメムシ額に付けたまま中心街の中古車買取センターへ
クソ社長の送り迎え用に買った、いや買わされた自分名義、社長の一括支払いのレクサスを容赦無く売り、いざ新幹線へ
それからは当てもなく永住地を探し海の近い所を探した
逃亡生活最初の目的は存在消去の初級編…携帯の破壊
番号だけ変えようか悩んだが負の念が詰まってそうなジョブスの最高傑作を自慢の強肩で沖に向かって全力遠投した
はい、人生0レベルから再スタートですよっと。
転生したら夜逃げクソニートの状態で昔から流行り物を感じとることだけ得意だったので物販でも始めるかーてな勢いでとりあえず生計を立てた
かき集めた資金とレクサスを換金した少ない資金で住居を借りた。
ボロボロの濱野荘(仮)みたいなとこだった
今思えば歩いてたら手書きの居住者募集の看板を見つけ大家であろうボロい一軒家を尋ね、初めましての正体不明男にいきなり鍵渡してアパートまで案内して家賃は月末ね!!!!って扉しめたババアに感謝だな。
それからは田舎に出来るだけ溶け込んだ
近所付き合いは積極的
田舎スナックのママを手玉に取り漁師のジジイ供はよき麻雀相手
帝国を築こうとでもしていたのかという勢いだ
地域貢献も率先してした
田舎の潰れかけの店を行列のできる名店に改革し報酬をせしめる革命家へと進化した。
その店の大将は未だに俺をホリエモンだと思っている。
それから数年、充分な自信と資金を蓄えたのにも関わらず老後2000万問題を先読みしたかの様に欲が渦巻く都会に紛れ込み守銭奴に変貌する第2章が始まるのであった
それではまた…
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