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ラスベガス・最新カジノリゾートの日本酒イベント「Sake Fever」で貴重な体験をした日

「Atsukan(熱燗)はありますか?」……お天気のいい4月のプールサイドで、まさか熱燗をリクエストされるとは思いもしませんでした!

先週金曜日、友人の手伝いでスタッフとして参加した日本酒イベント「Sake Fever(酒フィーバー)」。普段はお客さんとしてイベントを楽しむ私ですが、今回は日本酒の輸入業者さんが出店する試飲ブースで、お酒を紹介する側の体験をしてきました。

リゾート・ワールド・ラスベガスのプールサイドで日本酒を堪能できるイベント「酒フィーバー」

リゾート・ワールド・ラスベガスのプール。午後は気温が30℃まで上がったので、イベント準備が始まるまでは、のんびりとプールを楽しむ人たちで賑わっていました

ラスベガスの伝統行事でもあり、毎年4月に開催されるのが、ワイン&グルメのフェスティバル「UNLVino」です。UNLV(ネバダ大学ラスベガス校)のホスピタリティ経営学部が、ネバダ州大手の酒類ディストリビューターの協力を得て開催している大学最大の資金調達イベントのひとつで、収益は学生の奨学金に充てられます。

今回参加した「Sake Fever」は、「UNLVino」のイベントとして、日本酒を中心としたアルコール飲料やカクテルの試飲と、フードペアリングを楽しめます。

「Sake Fever」については、以前こちらで書いていますので、読んでみてくださいね。

今年「Sake Fever」の会場となったのは、2021年にストリップ大通りにオープンした最新カジノリゾート「リゾート・ワールド・ラスベガス」内のプールサイドです。プールを取り囲むように並ぶカバナ(大型モニターや冷蔵庫などが備えられたプライベートスペース)が出店者のブースとして使われました。

さすが高級感のあるカジノホテルだけあって、プールエリアもゴージャス。カバナも赤とゴールドを基調にしたスタイリッシュな空間に仕立てられています。

チケットを購入した来場者は、プールエリアを自由に散策しながら、地元レストランが提供するフィンガーフードや、ドリンクの試飲を好きなだけ楽しめるスタイルです。

試飲しつつ緊張と共に始まったイベント

イベント開始前ですが、セッティングが終わるや否や飲みはじめる関係者たち(笑)

今回お手伝いを引き受けたのは、お酒が並ぶテーブルを隔てたこちら側とあちら側では、見えることも感じることも違うのだろうなぁと思ったから。
日本酒業界に身を置いているわけではないですが、日本酒の魅力を伝えたい1人の酒呑みとして、こんな素敵な機会を逃す手はないと思ったのです。

テーブルの飾り付けには、鮮やかな色合いの着物の帯を使っています

テーブルには、Junmai(純米)・Ginjo(吟醸)・Daiginjo(大吟醸)、そしてSpeciality(個性豊かなスペシャルなお酒)とカテゴリーを分けて、15種類ほどの日本酒を並べました。出店業者さんが取り扱っている日本酒のほんの一部です。

私は飲んだことのないお酒も多かったので、手の空いた瞬間に試飲をして味わいを確認していました。

午後7時からのスタートに向けてみんなでゆるゆるとビールを飲んでいたら(笑)、VIPが早めに入場したらしく、6時30分頃からドレスアップしたカップルやメディア関係者が続々とプールサイドに現れて、ちょっと緊張。

7時になり、プールエリアへの入り口付近から太鼓のパフォーマンスが聞こえてくると、いよいよドアオープンです。

同時に、会場にはみるみるうちに人が増えてきました。私たちのブースにもたくさんの日本酒ファンが足を運んでくれましたよ。

日本酒ファンもビギナーもブースに立ち寄ってくれた

ラスベガスのグルメインフルエンサー(右)も日本酒ファンです

当たり前のことですが、ブースに立ち寄ってくれる人は、日本酒を飲み慣れている人とそうでない人がいます。飲み慣れていて試してみたいお酒がわかっている人は「純米を飲みたい」「吟醸酒を試したい」と言ってくれますが、そうではなく、「あなたのお勧めのお酒を飲みたい」と攻めてくる人も多かったです!

そういう人は、日本酒ファン予備軍だからきっちり対応しなければ!「ワインを飲む時はどのタイプを飲むことが多い?」とか「ドライなのが好き?甘めが好き?」とか聞いて、好きになってくれそうなお酒を勧めたりしました。

私たちの隣のブースはスイーツが評判のお店で、いちご大福などが試食できました。そちらのスイーツを手にして来る人もいたので、そういうときには、「そのスイーツだったら、少し甘めのお酒を合わせるといいよ」と甘口のお酒を勧めて喜んでもらったり。

ところで、試飲を勧めていて気になるのは、カップに注いだお酒を一口すすった後のリアクションです。

多分、平静を装いつつも、相手の表情の変化を見逃すまいと凝視してたかもしれません。怖い。

相手が好む味ではなかった時の表情を見てしまった時は、「ま、そういうときもあるよね」と、自分に言い聞かせていました。

当日提供された日本酒たちの一部

実は、試飲してもらうお酒について「どこ(何県)のお酒?」「お米は何を使っているの?」系の質問をされたときのために一応資料を読んではいたのですが、そういうことよりは、まず日本酒の味に馴染んでもらうことが多かったように思います。

とはいえ、想定外の質問をされることも。……冒頭の質問もそのひとつです。

ブースに向かって突進してきて、いきなり「Atsukan(熱燗)はありますか?」と聞かれたので、「あいにく今日は熱燗はないけど、冷やで美味しく飲めるお酒があります!」と答えたら「ではそれをください」ということで純米酒をカップに注ぎました。

その人は、カップを持ったまま立ち去ってしまったので、きっと美味しそうなフードを見つけて、それに熱燗を合わせたい!と思って立ち寄ってくれたのかもしれません。熱燗なくて申し訳ない。

日本酒はほとんど飲んだことがないという人に、飲みやすさを考えて吟醸酒を勧めて、その後純米酒を試したもらったら、「こっち(純米酒)の方がお米の味がするので好きだな」と、教えてくれた人もいました。

試飲したお酒がどこで買えるのかを聞かれることも多々ありました。日本酒を扱っているお店を案内しましたが、今のところラスベガスにはカリフォルニアのように“日本酒専門の酒屋さん”がなく、私たちが地元で購入できる日本酒の種類は限られているのがつらいところです。(今回試飲してもらったお酒も、小売店よりはレストランやホテルに卸されているものが多いのです)

イベントが終盤に近づいても、来場者はまだまだしっかり楽しんでいる雰囲気

イベントは午後10時まで続きました。ブースを訪れてくれた日本酒ファンはもちろん、興味津々の人たち一人ひとりにお酒を勧めた3時間は、日本酒が日常に溶け込んだ文化を持つ日本人としての自分と、そうではない人の間で、日本酒に対する感覚や捉え方の違いを改めて実感できた、貴重な機会でした。とりあえず、超微力ながら、日本酒の魅力を伝える役割は果たせたかな。

これからもさらにたくさんの人に日本酒に触れてもらえる機会が増えて、日本酒の楽しさに目覚めてハッピーになる人が増えることを願っています。

ところで今回唯一残念だったのは、「Sake Fever」の目玉のひとつである「クロマグロの解体ショー」を見たかったのに、忙しくで見逃したこと!
こんなショーだったようです!


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