はじめてマンガを真剣に描いてみた感想

 つい先月、気が向いたのでマンガを描いて公募に出してみた。(この記事の投稿時点で結果はまだ)

 なんだって急にマンガを描いたのかというと、トーチwebのツイッターでトーチ漫画賞の募集を見かけたからです。その募集を見かけた時点で締め切りまで残り一ヶ月。
 トーチwebで連載してみたいストーリーがあったので、俺は勢いに任せて描いた。ちょうど絵がかける安物タブレットPCがうちにあったんでね。
 ちなみにそれまでマンガ描いたのは、遊びで2次創作のギャグめいたものをラクガキしたときくらいだ。

 この記事では、初めて真剣にマンガ描いて気づいたことと、個人的な反省点・改善策などが読める。ついカッとなってマンガ描こうとするやつのために役立つかもしれんと思い、ここに書き残しておく。簡潔な文ではない。
 マンガそのものは置いていないのでこの記事では読めない。あしからず。


1.俺は絵が下手


 俺は絵が下手だということがわかりました。そんなことはもとから知っていたが。
 俺が絵を描けるタブレットを持っている理由は、『とんがり帽子のアトリエ』の白浜先生みたいな絵がかけたらと思って買ったからだ。だが、模写すらうまく行かず、タブレットは封印されていた。
 今回、封印を解き、引っ張り出してみたが、だめだった。人間はなんとかそれらしく描けた気がするが、銃や背景とかがよくわからん印象となった。
 俺は子供の頃から絵を描いていたタイプではないので、仕方ないね、ぼちぼち練習するかな、と思った。

それっぽい人間&よくわからない銃の図


2.13日で25ページ作画は素人にはすこしきつい


 マンガを描こうと思い立ってから締め切りまで、30日が俺に残されていた時間だった。
 ところでお前はマンガの制作手順を知っているか? おれはよく知らない。ざっくりいうと、

・構想・企画(どういうやつを描くのか、主人公、あらすじとか)
・ネーム(設計書。コマ割りや構図、セリフなど書き出す)
・線画(絵を描く、線を引く)
・仕上げ(スクリーントーンとか貼る)

の4段階らしい。
 俺の場合、企画は決まっていた。トーチwebでこんなの連載できたらな、となんとなく思っていたやつがあった。

 問題はネームだった。ネームはコツがまったく分からず、他のマンガを読み、どうやってんのか分析し、気づいたことを書き出していたが、かなり時間を食ってしまった。
 そして残り15日。完成したネームは45ページもあった。15日で素人が45ページ描けるか? 画風・ストーリーによるのかもしれないが、俺には無理だ。俺が描こうとしていたのは、

 現れた主人公が冒頭で戦って二人殺す。さらにもう一人の脚を撃つ。なぜこんなことを、と問われ、村を焼かれた復讐だ、みたいなことを言う。回想が入る。いろいろあって脚を撃たれたやつは死ぬ。主人公は去る。

 みたいなやつで、結構手間暇かかりそうだった。
 俺はこれを無理に無理を重ね無理矢理に25ページまで短縮した。約40%減。元の45ページと比べると全然リズムとか違う感じになってしまい、回想シーンが消えた。俺はかなりがっかりしたが、25ページを13日が俺の限界だった。描きなれていないこと、マンガ制作ソフトの使い方をよく知らなかったのが主な要因と言える。
 もし素人が公募目指してマンガを描く場合は絵のスタイルや締切とよく相談した方がいい。


3.俺はマンガ制作ソフトの使い方をまるで知らないし、なんならマンガの描き方自体よく知らない


 今回つかったのはクリップスタジオペイントexというソフトだ。タブレットと一緒に買った。

 このクリスタはプロも使っているらしく、マンガ描くのに必要な機能はしっかり入っているらしい。だが、俺はその機能をほとんど知らなかったし、マンガ制作の知識も実のところ皆無に近かった。(いまもよくわからん)
 それが何を意味するのかというと、機能の名前を検索できない。機能の場所や使い方を調べることが容易ではないのだ。

 例えば、インクが細かく飛び散った血しぶきのような表現の名前を知っているか? これは比較的調べやすい部類だ。スパッタリングというらしい。
 ほかにも、スピード線とか放射曲線定規とか、グラデトーンとかほわカケとか……。こういう名称を、知っているやつは知っているのだろうが、知らないやつは知らない。少なくとも俺は知らなかった。図工の時間とかに教わったけれど、忘れてるだけ、かもしれない。

 とにかく絵なんか描いてる場合じゃない。素人は延々と検索キーワードを考えてググる羽目になる。覚悟しておけ。もしくはマニュアルを読め。


4.小さいタブレットで拡大縮小しながら描くと全体的によくわからんということ


 デジタル作画は拡大縮小できるのがメリット、みたいなことを聞いたことあるような気がするが、どうなんだろうな。

 俺の場合、原稿の元のサイズ感がイマイチ把握できていないまま、キャンバスを大きくしたり小さくしたりして描いた結果、全体のバランスがわからないまま細部を描く感じになった。
 ペンの太さが適切なのかどうかすらよく分からず、よくわからない感じになり、よく分からなかった。原稿の原寸大で全体を表示できるデカいタブレットが欲しいと思った。

 ほんとうによく分からなかったので、何がよく分からなかったのか説明しづらいというのが本音だ。

5.時間効率は高められるはずだ



 作業手順を確立し、マンガ制作ソフトの機能を活用すれば、15日で45ページも夢ではないかもしれない。
 作業手順については、漫画家の作業工程めいた動画がそのへんにアップされていたので、それを参考にしてみようと思う。
 クリスタの機能も、マニュアルめいたものがネットにあったので、目を通しておきたい。使えそうな時短機能があれば取り入れたい。
 少しは描き慣れたし、最低限、マンガを描いて投稿するだけの機能は把握できたので次回に活かしたい。

6.速達料金まで払って送るほどのクオリティは正直いって…


 俺が描いたマンガのクオリティーは知れている。それでも締め切り前日朝までねばって描いた。せっかく描いたのだから審査くらいしてもらおうと、速達で投函した。俺は田舎に住んでいるので速達じゃないと間に合わない。というか速達でも間に合ったのか怪しい。正直、その金でコンビニのアイス食ってたほうがよかったかも知れない。

7.いちゃもん


 なんだって締切が必着なのか。当日消印有効にできない理由があるのか。
 しかも、よりによって土曜日必着の締切である。土日は通常郵便配達は休み。ギリギリを狙うとアウトになりかねない。締切直前の応募を躊躇するやつもいただろう。
 俺は速達で出したので、土曜日でも配達されるはずだが、それでも間に合ったかあやしい。印刷して切手貼って、結局間に合わず審査すらされていないのに結果発表を待っている、というバカを見ている可能性すらある。いやはや。
 応募要項を作る人はよく考えてみてほしい。当日消印有効にするか、必着してほしいならデジタル応募もアリにするとかなんかいい感じのあれがあるはずだ。
 こんなことはどうでもいいかもしれんが、俺は真剣にマンガを描いたので、募集側も募集の仕方を真剣に考えてみてほしい、そういう気持ちがある。

おわりに


 マンガに真剣にチャレンジした話でした。参考になったら幸いである。
 今回送ったやつが落選したら、本来の45ページ版を描いて別のところにでも送ってみようと思う。次はもう少しうまくやって見せる。