見出し画像

リージョ観察日記20190406 松本山雅戦

■反町監督の頭の中をのぞく sarri-ball or sori-ball?

ボールは死んだ!ここに宣言す。
そしてトランジションでシャドーとウィングバックに神戸のサイドバック裏を狙わせつつセットプレーに賭ける。中途半端にJ1仕様のビルドアップにチャレンジしようものなら浦和戦のように奪われてからピンチを招く(これは試合前の会見でも短期的には解決できないと反町監督自身が述べていた)。

このため飯田スタメンの時点でボールを前進させることは選択肢から消える。彼は守備時にはスィーパーのような深い位置取りになるが最初からGKの前を守ることに徹することとセットプレーでのターゲットとしては計算できる。
リーグ戦では勝ちに恵まれてないゆえこの選択には迷いはなかったはず。純度高いソリボールへの永劫回帰・・・

ポルディ欠場で右には三田、左は古橋。開始直後の守備では自陣深くまで戻る前田とのマッチアップが古橋で序盤はトランジションの瞬間を消すことができていた。

オープンな展開を避けながらボール循環に重きを置くために左利きの三田を右に置いたんだろう。

■クライフバルサ Inverted Winger /false estremo 

ヨハンクライフ時代のバルサは左利きのストイチコフを右、右利きのラウドルップを左ウィングにおいた。ロンドのパス回しの延長としてピッチ全体のボール循環をクローズドサークル(巨大ロンド)として設定する。しかしクライフにしか理解できない言語だったゆえことあるごとに起用法をめぐり彼らとクライフは幾度となく衝突した。

このデメリットはワイドと右サイドバックとのタンデムが作りづらいこと。ミラン時代のホンダと右SB、ジーコジャパン時代の中村俊輔選手と加地選手のように左利きはどうしても内側に入るタイミングが早くなるし右奥のスペースはデッドになる。クライフバルサでの右サイドバックのアルベルト・フェレールは右大外を駆け上がるもネガティブトランジションに弱かったのも事実である。

■1失点目の遠因

おなじような現象がこの試合でも起きた。三田が内側に入るタイミングが早く3バックの脇を狙う動きが少なかった(前半28:42秒に西がえぐってCKを得るまで待たなければならなかった)&前田が左に流れたりウィングバック高橋をトランジションで西にぶつけることでセットプレーからの失点の遠因となった。

この反町アルゴリズムは昨シーズンの山雅ーヴェルディ戦とほぼ同じ。

■1失点目のFK

巻いてくるハイボール。飯田が前川の視線を遮るように飛び込むことで出るに出られない状況をつくるのはセレッソ、仙台戦での失点と同じパターン。ダンクレーと大崎だけではやはりエアバトラーの枚数が足りないのか。

■失点後の修正の有無

先に失点した場合守備の配置を変更するのが通例だがこの試合ではやらなかった。地上戦で崩し切るつもりで守備には問題ないとみたのか。山雅の1トップの脇で引きつけると同時に包摂するように蛍とサンペールが配給してアタッキングサードで古橋・ビジャが3バック脇に裏抜けすることには成功していた。

■ビジャ負傷交代から2失点目まで

ウェリントン投入しても左右の配置は変更せず。ファウルを与えてからのFKから右サイドえぐられた。前半は0-1で終えたかったはずで時間帯を考えるなら非常に勿体無い失点。

■後半

TJを三田に代えて投入。0-2になりワイドの使い方を修正してきたが1点取るのが10分遅かった。前半1失点目直後に古橋と三田の左右入れ替えもあり得ただろうがオープンな展開になる副作用を嫌ったのか。

■試合のジャッジについて


この御仁に代弁していただきたいと思います。


活字にてもういちど確認しておきましょう。

「これでは日本のサッカーが終わってしまう」反町監督が激怒。審判とアセッサー、コミッショナーの質に言及

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?