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前世の記憶と神様との婚約


1つ前で書いた、神様との婚約を知った理由について書こうと思います。

きっかけはひとつの夢でした。

その夢は、過去生や前世といったものの類だと私は感じました。



※少し長くなります

過去生の記憶と夢



その時私はまだ17歳。

かなり荒れた家庭に育った私はこの夢を見た頃、初めて強く死にたいと願っていました。

毎日どうやったら死ねるんだろう、あそこから飛び降りれば楽になるかも

なんて暗い事を考えていました。

そんなある日、「よし、お金が貯まったら何処か遠くへ行きそのまま死のう」と決めた日がありました。

そんな日に見た夢が何とも不思議なものだったのです。


ーーーー



まだ少し昔の日本、着物が主流だった時代です。
その時私の住む村では疫病が流行り、人々が沢山苦しみ倒れていました。



そんなある日、山のてっぺんにある春に実をつける赤い木の実がその疫病や色々な病気や傷に効くと村で有名になっていました。

私の親も床に伏せており、疫病ではなかったものの「万能な木の実」だと知っていたので、冬から季節が変わり暖かくなった春に私はその山へ上りました。


赤い木の実のなるその木には既に沢山の人が集まっており、私もその中に加わり木の実を取ろうと木を見上げていました。
それに気づいた近所のおばさんが私に近づき木の実をくれたんです。


私がそれを早く持ち帰ろうと振り向いた時、山から村へと続くその道の先に沢山の侍が馬に乗って向かってきていました。

案の定、木の実は全て奪われました。
侍たちはすぐに木の下に行き、大きな声で村の人を遠ざけていました。



私は直ぐに諦めて山を下りようと歩いていると、後ろから小さな男の子の声が聞こえたんです。
その子は近所の男の子、私が夢の中で「弟のような子」だと感じていました。

男の子は川を指さし、「木の実が流れてる」と言いました。
私はそちらを向きましたが流れているものは木の実ではなく木の実のなる木の葉。


「木の実はね、全部取られちゃったんだよ」

そう言い、頭を撫でると「お姉ちゃんも木の実を取りに来たの?」と聞いてきてきました。
それに頷くと「全部取られちゃったね」と拗ねたように唇を尖らせていました。



「どうしても必要だったの?」

「うん、疫病とかでは無いんだけどね。お母さんが体調悪くて寝込んでるの。それを治してあげたかった」

「大変だね、僕はただ食べてみたくて!お姉ちゃんの木の実探そうか?」



そんな優しい男の子に首を振り、「ありがとう」そう伝えれば「分かった」と頷いた。
そんな私たちに近づいてくる人影に私は気づいてませんでした。

男の子はその人影に気づいたのか、慌てて私の側から離れたんです。
でも私はそれでも気づかず、男の子が私の名前を大きな声で呼んでいました。
そんな中、耳元で低い男の人の声が聞こえたんです。



「…木の実が必要なのか?」

「え?」


私はその声でやっと気づき、その声の方向を向くとその土地(国?)の王子が居ました。
王子という表現があってるのか分かりませんが、とにかく地位の高い人だと一目で感じました。



「い、いえ」



逃げようとすれば、彼は持っていた木の実を私の手のひらに無理やりに乗せてきました。



「逃げないで、これを持って行って」

「え?」

「そなたは美しく優しい。これを受け取ってくれ」



自分だけ貰うことに躊躇っていると、彼は寂しそうに笑い



「やはり、私のようなものからの木の実はいらないか?」

「違います。ただ自分だけ貰うのが…」

「それなら心配ない。木の実は奪ってしまったが、それは平等に皆に分けるためだ。ここ最近、ここの村人達の行動はあまりにも目に余る」


そして私はなんだかんだで貰うことになり、受けとった。

それからと言うもの村を歩いていると、度々侍達を連れて私の住む村に彼がやってくるようになったんです。


「そなた、待て」



逃げる私に、いつも慌てて声をかけてきていた。
最初の方は私は嫌で嫌で仕方なく、避けていましたが次第に仲良くなっていきました。

普通の友達くらいに仲良くなったある日、彼は緊張したように私に言いました。



「…俺の家へと嫁いで来てくれないか?」


すぐにお嫁さんになると言うのは怖いし、付き合ってもないのに何か違うと思ったため、躊躇っていると


「…すぐに嫁ぐ事はしなくて良い。ただ、俺の側にお前を置いておきたいんだ」


その言葉と共に、何か髪飾りや櫛のようなものを貰い
私は少しの間泊まり込みする事になりました。

1日目の夜、村人と言うことで御屋敷の中で酷い扱いを受け、とても嫌われていました。
そういったものはそこまで気にせず、数日経った頃彼が眠っている私に近づいてきて私の名前を呼び、何度も口付けをしてくれていました。

愛されていると、深く感じ、とても幸せを感じていたのを覚えてます。


そしてそんなある日、御屋敷がやけに慌ただしく彼も朝から居ませんでした。
何か違和感と言うか、呼ばれている感覚がして御屋敷の中を歩いていると異様な空気を放つ御屋敷の1番奥の部屋に辿り着きました。

部屋へと戻る道を聞いても誰も答えてくれず、
廊下に立つ男性の1人が、「あそこの閉められた扉を開いて中へ、行けるぞ」と伝えてきたんです。

また、その奥の部屋まで歩き扉の前に立つ。

扉は紐できつく結ばれていたため、紐を手解き、扉を開けると、そこには見たこともないおぞましい者がうごめいていました。

儀式中なのか、ロウソクが幾つか立てられており、三方が幾つもおかれていました。
部屋に窓はなく、真っ暗でロウソクの光だけで中が少し見えている感じでした。

黒いうにょうにょとした何かが奥で動いているのが見え、私はそれに気づくとすぐに扉を閉めましたが、閉める直前に黒い何かに触れられてしまいました。


紐で扉を結ぼうとしてましたが、上手くいかず、
助けを求めても誰も見向きもしてくれません。
助けてくれるはずもなかったです、ずっと嫌われていたので。


泣き叫びながら紐を抑えていると、ふわりと誰かが私を包む感覚がしました。

発光するシルクのような柔らかい布に包まれた感覚がしているのに、そこには何も無く、何も見えませんでした。
ただ温かい感覚に私は彼だと分かりました。


彼は私に向かって微笑むと


「そこの廊下を左へと歩いて、突き当たりにある一番奥にある扉を開いて、そこからまた廊下を歩いて一番最後にある部屋で待っておいて」


私は彼に言われたその通りに少し歩き、
彼が心配で振り返ると、彼は優しく微笑んで頷く。
今まで助けもしてくれなかった皆は彼の方へ慌てて駆け寄って行っていました。


「ここで何をやられているのですか!そこから離れてください!」


との声が幾つも聞こえる
突き当たりにある扉を開けて廊下へと出ると、安心したからなのか、脚がガクガクと震えて立てなくなってしまいました。

怖かったと思い、泣いていると、後ろから、聞いたこともない怒鳴り声が聞こえたんです。
いつもは穏やかな彼の聞いた事のない怒鳴り声でした。


「お前らは何をやっている!?アイツを…アイツを!生け贄にしようとしていたのか!?」


そんな怒鳴り声でした。


聞いたこともない怒鳴り声が止んだと思ったら、急いでいるような足音が近づいてきました。
扉が開くと、彼の私の名前を呼ぶ声が聞こえ、
ぎゅっと包み込んでくれました。


「ここに居たのか…部屋へと入ってるのかと…大丈夫だったか、怖かっただろう」


その日から、彼は片時も私のそばを離れなくなりました。
逆に、何処へ行くにも私を連れるようになりました。


そんなある日、彼は仕立て屋に呼ばれているとの事で私を連れてそこへ行きました。
盗み聞きする気は無かったのですがお店の奥で話している彼と、店主の声が聞こえてきていました。


「あの村人をお屋敷へと招いたのですね」

その声に彼は頷き、それに続き店主は

「あの娘は美しい、神も喜ぶほどでしょう」

と言っているのが聞こえました。
その時に思い浮かんだのが、彼の顔と御屋敷のあの黒いモヤでした。
その瞬間に「あの黒いモヤも神様の類、だけど彼も神様なんだ」と言うのが分かったんです。

なんだかとても悪い感覚がして、私はすぐにお屋敷に戻りました。
お屋敷に戻ってその感覚に従い奥の部屋へと行くと、やはりまた黒いモヤが暴れていました。


あのモヤは私を狙うと思ったため、お屋敷に戻った事を後悔してすぐにお屋敷を出て、彼の元へと走っていたのですがその瞬間に目の前が真っ暗になりました。

ーー

ただ、目の前が真っ暗になったのですが夢から覚めた訳ではなくただ目の前が真っ暗になったんです。
夢の中で私は「あぁ、私はここで死んだんだな」と思ったのを覚えています。

死んだ、なんて感じる部分は一つも無かったのですが私は無意識にそれを感じ取っていました。


あまりにもリアルな夢で、不思議な感覚や感情を抱いた夢だったのですぐにメモ帳にメモしました。
その頃は、ただ不思議な夢だと言うことしか考えて居なかった私は数年後にその夢の意味を知ることになります。

夢で感じた自分なりの解釈などは次に書こうと思います。


では、また後ほど



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