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特定行為研修修了者(いわゆる特定看護師)と診療看護師(NP)は施設によって働き方は異なりますか?

働き方は異なりますが、代行入力関して言えば業務の視点と能力の視点で個人的見解を記載しようと思います。
・業務の視点
以下の引用から、処方に限らず代行入力は看護師であれば誰でも実施可能な業務でしょう。
なので、特定行為研修修了者(いわゆる特定看護師)や診療看護師(NP)は施設によって働き方は確かに異なりますが、代行入力は特定看護師がやっても、診療看護師(NP)がやっても問題ない業務ですし、認定看護師がやっても専門看護師がやっても1年目看護師がやっても問題ない業務でしょう。

令和3年9月30日に厚生労働省通知で出された「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について」の「13) その他職種にかかわらずタスク・シフト/シェアを進めることが可能な業務」では、「①診療録等の代行入力(電子カルテへの医療記録の代行入力、臨床写真など画像の 取り込み、カンファレンス記録や回診記録の記載、手術記録の記載、各種サマリー の修正、各種検査オーダーの代行入力)」と示されています。https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/joho/soshiki/isei/ian/oshirase/03tuti.files/030930taskshift-share.pdf
令和2年12月23日に発表された「タスク・シフト/シェア推進に関する検討会 議論の整理の公表について」の参考資料 別添1の中の、「診療のプロセスにおける役割分担について」では、「投薬指示(処方) ・点滴/注射指示 ・処置指示 ・リハビリ指示」を「医師以外の者(看護師や医師事務作業補助者等)が電子カルテへ指示を代行入力(代行オーダー)」と具体例が示されています。https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000709444.pdf
また、平成19年12月28日に厚生労働省通知で出された「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」では、「診断書、診療録及び処方せんの作成、主治医意見書の作成」は「医師が最終的に確認し署名することを条件に、事務職員が医師の補助者として記載を代行することも可能である」と示されています。https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0828-1c.pdf
上記は事務職員が実施可能ですので、看護師も実施可能と解釈できるでしょう。

よって、処方や検査オーダーや検査項目の追加を、特定看護師が代行入力をしていることは問題はないと考えられるでしょう。

・能力の視点
上記した様に、代行入力は看護師であれば誰でも実施可能でしょうが、「実施する際に必要な能力の有無」はまた別の話です。
「代行入力をする」と言っても、例えば
・医師が判断して、医師の言われた事を言われた通りに代行入力するのか?
・自分で患者の状態を判断して、自分で必要な情報を集めて、自分で患者に何が必要なのかを判断して、その必要なものを医師に提案したところ、医師がその提案を採用してくれて、医師の指示として自分の提案した内容と同等の内容が出されたから、それを代行入力しているのか?

ただ、言わずもがな医師や他職種との関係性が成り立っている前提の話ですので、「必要な能力」には医学的な知識だけでなく看護師としての能力、対人関係や自分が行うことへの理解を構築していけるものも含まれると思います。

また、代行入力に限った話ではないですが、自分が実施した業務には自分の責任が少なからず伴うでしょう。
例えば、カリウム製剤の内服処方を代行入力しました。以前、カリウム低値だったので補正のために内服が開始され、定期的に内服しているため、今回も定期処方として医師の指示で代行入力しました。ただ、その日の採血でカリウム高値だったが、それを確認せずに代行入力して患者に高カリウム血症に伴う症状が出現した場合、代行入力をした看護師の能力は問われると思います。

特定看護師と診療看護師(NP)の働き方改革は施設によって様々でしょう。
定まってはいない分、何が患者にとって最適なのかを現場で試行錯誤をしながら、現時点では質問者さんの施設はそのようになっているのでしょう。

患者の利益に繋がるより良い協働が実践できる環境になることを願っております。

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