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将棋超初心者がA級棋士と将棋でなく麻雀をした話

最初に簡単な経緯と自己紹介から。
私の雀歴はそれなりに長いです。同業者組合の厚生部活動で麻雀同好会があるのですが、役員で厚生部担当になった頃に、面子が足りないからと呼び出されたのが麻雀に手を染めたきっかけでした。殆ど訳も分からず卓について、当たり前のように負けて、悔しくて仕事終わりに通える麻雀教室を探し、日本プロ麻雀連盟の石渡正志プロが講師の教室を見つけて、そこからはどっぷりとはまることとなりました。今ではフリーや大会にも普通に参加する程度には打てます。でもガチではなくエンジョイ勢。

 将棋については観る将から入りました。これはAbemaで麻雀と将棋が隣のチャンネルだったことも関係あるかも知れません。ただ、はじめの頃は将棋はひたすら「眺める」だけのものでした。よくある将棋飯がどうしただとかあの先生の師弟関係は云々、といった感じですね。しかし、肝心の将棋そのもの、投了図以下の解説すらよく分からないというのでは意味がないじゃないかと思い、まずは一手詰、三手詰あたりの詰将棋から入り、ぴよ将棋、駒サプリと進み、今は指す方もぼちぼちと習いに行っています。

 さて、麻雀好きでゲストありの大会などに出ている方はご存じと思いますが、麻雀は将棋と比べてプロと同卓できる機会がとても多いです。それに、将棋で言う所の駒落ちなどのハンデ戦でなく、平手でも手が入りさえすれば、それなりに打つことが出来ます。勿論勉強しなくてはいけない事は多々ありますが、それでもどうにかなります。
私も色々な大会、オフ会に参加してプロ雀士の方と同卓した経験があります。どれもとても楽しい思い出です。

 しかし、将棋の場合はそうは行きません。プロ棋士の先生と指すとなるとイベントや教室での指導対局になりますが、自分の棋力ではそんな場所に出て行くのは恐ろしくてとても無理。(今通っている教室は大人の女性の初心者向けなので頑張れています)
 私が棋士の先生と交流したことがあるのは、オンラインのイベントやサイン会。関西主催の女性将棋ファンのつどいには2年連続で参加しましたし、オンラインサイン会は深浦九段、都成七段、山崎八段とお話させて頂いたこともあります。オンラインの利用はコロナ禍による副産物ですが、他人の目を気にしないで良いだけでも、かなり気が楽になりますので私には合っていました。また先生方もトークが上手ですし。初めてのサイン会は深浦先生でしたが、こちらを上手に導いてくださいました(笑)流石です。

 そんな訳でなかなかリアルの将棋イベントに行けない私がある日目にしたのは第4回Abemaトーナメントのチーム広瀬のツイッターでリーダー自らが告知されていた10月16日のSRCという麻雀大会へのゲスト出演の話。SRCとは八王子にあるまあじゃん京王で定期的に行われているサルカップという日本プロ麻雀連盟の猿川プロが企画・運営されている大会です。まさかの広瀬先生と盤を挟むならぬ卓を囲める機会が、と思って速攻で申し込みました。勿論、同卓希望は広瀬八段。
 告知を見るとほぼMリーグルールで、半荘3回、東風3回の計6回戦。恐らくは同卓希望を出した広瀬先生とは半荘戦かな? 普段は最強戦ルール等で打っていて赤入りはやってないけど大丈夫かな?広瀬先生の前でみっともない麻雀は打てない(苦笑)と思って事の経緯を麻雀の師匠である石渡プロにお話しすると、9月の教室で赤入りかつ東風戦の特訓をして下さいました。あの時は付き合ってくれた教室仲間にも本当にありがとうとお礼を言いたいです。

 かくして私なりに準備をして臨んだ第36回SRC。コロナのせいで雀荘自体が久しぶりでしたが、麻雀と将棋という一石二鳥な趣味を兼ねて現地に向かいました。初めての雀荘というのは緊張するものなのですが、視界の隅に広瀬先生を捉えた時には「おおお、本物だ」とか一人内心で盛り上がっていました。 大会は1,3,5回戦が東風、2,4,6回戦が半荘。卓組は最初からされているので確認すると2回戦で広瀬先生と、5回戦で最高位戦の今井プロと同卓らしい。対局開始前には景品の紹介等ありまして、広瀬先生の棋書も。40人参加で20位代くらいに設定されていたかな? 出来れば欲しいなぁとか思いつついざ対局開始。

 一回戦は東風でしたが起家の親にいきなり4,000オールを喰らい、なんとか頑張って素点を回復して27,300の2着。順位点加味して+2.3。いきなりマイナスにならなくて良かったと思いながら広瀬先生との卓へ。本日のメインイベントです。同卓者は私含め全員が将棋好きな方でした。やはりこういう機会は滅多にない為に申し込まれたみたいです。私の上家にいたご高齢の男性は今日の目的はもうこれだけだから満足と仰っているくらいでした。広瀬先生は私の下家。なんとなく有り難すぎて右を向けないと思いながらも(河はしっかり確認しますよ)少しだけお話させて頂いたりしながら闘牌開始。私の親番でいきなり広瀬先生にドラの發をポンされて内心焦りながらもなんとか聴牌連荘。この時は思ったよりも手が入り、54,200の大きなトップを取れました。ここで+74.2。棋力は皆無でも雀力では少しは良い所を見せられたかと思いつつ、3回戦へ。ここではダマで高打点の手役を作れて49,200の2連勝で+54.2追加。私の下家にいた女性も広瀬先生お目当てだったそうで、しばし将棋の話でも盛り上がりました。また何処かでお会いしたいですね。
 続く四回戦は時間切れの最後の一局で綺麗に捲り三連勝で+55.1。東三局で勘違いされた下家さんに親番を飛ばされそうになったハプニングも。(突然のことで対応できずにいたら上家にいた方が指摘して下さいました。ありがとうございます) 
 五回戦は今井プロと同卓。どうやら私以外の方はその日大きくマイナスしている方が多かったようですが、この時は一番手が入りませんでした。18,900で3着。△16.1。一回戦終わるごとに上位にいる人をお知らせして下さるのですが、4回戦終了時で4連勝の方がいらして私は2位。5回戦でマイナスしたけれど、最後でトップとれば行けるかも、と猿川プロに言ってもらい、いざ最終戦へ。この頃になると将棋よりも麻雀で優勝したいという気持ちが頭の中を占めていました(笑)取りあえず放銃はしない(それこそ穴熊状態)、でも手が入った時はメリハリをつけてリーチ。夢ばかりは追わないと順目の深い四暗刻一向聴を取らずに白三暗刻を闇聴であがる。結果34,200でトップ。+54.2。合計+223.9。人事を尽くして天命を待つ状態で表彰式へ。 順位は下位の方から順に景品を貰える方が呼ばれる形式なのですが、なんと優勝できました。 呼ばれてゲストさん達が待っている前の方に行って商品を貰うのですが、私の座っていた位置関係で丁度広瀬先生の前を通ることになったのですが、わざわざ「おめでとうございます」と声をかけて頂いて、本当に嬉しかったです。かなり舞い上がりまして、挙動不審なおばちゃんになりつつ、ありがとうございますと挨拶しました。優勝賞品はありがたく頂きましたが、広瀬先生の本も良かったなぁ、と思ったのはここだけの話(笑)です。
 最後には帰りがけに広瀬先生に応援していますと伝えることも出来、京王線で帰宅。浮かれすぎて持っていた京王の株主優待券を使うのを忘れて、suicaで改札をくぐっていました。

 運も味方してくれたとはいえ、この日は結論から言うともの凄く楽しかったです。棋士の先生と自分の好きな麻雀で対戦できるとは。二度はないかなという体験でした。

 今度はリアルの将棋イベントにも行きたいですね。藤井三冠絡みのものを申し込むのでまず倍率が高くて当たらないのが辛い所です。

 追伸・最後に将棋会館のクラウドファンディング、やはり雀力と棋力があがるように広瀬先生と鈴木大介先生の色紙を申し込もうかとかなり本気で考え中です。

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