心を地獄に置いてきてしまったのです

　見渡す景色が地獄に見える人と、そうじゃない人の違いってなんだろう。
　同じ景色を見ているはずなのに、私にとってここは地獄。突然鬼が出てきて釜茹でにされる恐怖で汗がじわりとにじむ一方で、隣にいる人は涼しい顔でぼんやりリラックスしている。まるでユーレイが見えちゃう人と、ぜんぜん見えない人みたい。

　思えば私の心はいつも、地下深くの地獄にある。あの〜、私、出身地が一応地獄なんですけれども、なんだろう、前世（そんなものあるのか？）で、すっごい悪いことしたのかもしれない。その後なんとか地上に逃げてきたものの、その際非常に慌ててたもので、心だけ忘れて地獄に置いてきちゃったんですね。そう。それで、地上で普通に暮らすようになると、あれ？いつもみたいに釜茹でにされなくて済むの？とか色んな発見があるんだけど、心はずっと地獄に置きっぱなしだから、自分の行動とか日常とは無関係に、心だけずっと釜茹でにされ続けてるんだよね。ひどいよね。安全な場所にいても、地獄の感覚がずっと続いてる。

　じゃあ一体どうすればいいの？
　①地獄に心を取りに戻る（上級編）
　②地獄に念力を送り、心を自分の元まで少しずつ浮遊させる（中級編）
　③心が戻ってきたらいいなと希望を持つ（初級編）
　④私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけないと自覚する（前提）

　まず地獄が続く理由として、それを受け入れてしまっているから。諦めてしまっているから。それは自分のことが好きじゃなかったり、自分のせいだと思っていたり、それが当然で仕方のないことだと決めつけてしまっていたり、他の誰かが困ったり変な空気になるくらいなら、自分さえ我慢すればいいと思っていたり。だって、これまでだってずっとそうだったんだから、これからもきっとそうでしょ、でも別に平気、何も変わらないだけ。

　ううん、そんなことないよ。絶対に違うよ。もっかい言おうか？え？絶対に絶対に絶対に絶対に違うよ。絶対に違う！絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に違う！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！もうやめてくれ！！！！！！心を地獄に置いたままにしないでくれ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！持ち主不明の心が、まるで駅のビニール傘みたいに、地獄忘れ物センターに届いて、貸し倉庫までパンパンなんだから！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ビニ傘は替えがきくけど、心はきかないの！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！自分の心、ちゃんと持って帰ってください！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！

　ただ、まず④の前提に気づく、受け入れることがまず非常に困難なんだよね。
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
ちなみにこの「誰か」には、「自分自身」も含まれているから、私って最悪…私なんか…って思うことも含まれます。自分も自分のこと、いじめたり責めたりしちゃいけないんだよ。これに気付いた時、結構目からウロコが落ちた。目から落ちるウロコを世界中から集めた博物館があったら行ってみたいよね。何に対してびっくりしたかで、色が変わったりするのかな。

　とにかく、自分はダメだ…とか、自分には価値がない…とか、そういう気持ちは長年思い続けて定着している刷り込みみたいな部分がかなりあると思うので、同じように大事なことは時間をかけて刷り込んでいけば、いつか悪い刷り込みより膨らんで、逆転する時が来る気がする。では刷り込みます。

「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」
「私の心は私だけのもの、どんな理由があろうと誰かが故意に傷つけてはいけない」

　嘘だと思って一口食べてみて！美味しいから！と言われて、食べてみたらほんとに意外と美味しいみたいなことたま〜にあるでしょ、あと最初あんまり美味しくないと思ってたけど、食べてるうちに美味しさ分かってくるみたいな食材もあるでしょ。あれと一緒だから！ちょっと刷り込んでみてよ！ねえ！（明るいおばさんの口調）