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【想像以上に悲惨】都庁職員の人気低下について

 先月、東京都職員の採用試験の結果が発表されました。

 いくら過去の職場とはいえ、人気の低下の仕方が想像以上に悲惨であったため、この記事を書こうと思いました。

 突然ですが皆さん、倍率1.6倍の試験と言えば、どんな試験を思い浮かべるでしょうか。

 せいぜい、高校入試かな?と思いますよね。

 しかし、この倍率、地方公務員で最も人気と言われていた、東京都職員の採用試験なのです。 

 今回は、なぜ、都庁職員の人気が、短期間でこれほど低下したのか、分析したいと思います。

結論
採用の仕方が空回りし、若手から見切られている

大学入試から高校入試に格を落とした

 令和6年度の東京都職員の採用試験の結果が、以下の画像です。

 今年度の試験の倍率(行政)は、1.6倍という、異例ともいえる低い倍率でした。

 かつては難関と言われた東京都職員の採用試験(Ⅰ類)の倍率が急低下を始めたのは、令和4年度からです。

 それ以前は、Ⅰ類(行政)の倍率は、Ⅰ類Bで5倍程度、Ⅰ類Aで8倍程度、年度によっては10倍を超える時期がありました。

 しかし、令和4年度のⅠ類(行政)の倍率は、Ⅰ類Bで3倍、Ⅰ類Aで4倍になり、急低下を始めます。

 10年前の公務員試験と言えば、人気な自治体であれば、採用者をふるいにかけるような「大学入試」のような状態でした。

 しかし今は、受験した人をほとんど合格させるための、「高校入試」のような状態になっています。

 私が採用試験を受験したのが、もう10年前ですが、当時入庁した同期は、早慶や旧帝大の出身者がほとんどでした。

 しかし、ここ2年くらいで、新規採用職員に、早慶や旧帝大の出身者が、ほとんどいなくなってしまったのです。

 それも、採用倍率の低下を見れば、何ら不思議はありません。

まとめ1
公務員試験が、高校入試並みのレベルになってしまった

待遇面での魅力の無さが、人気低下の原因

 優秀な学生が公務員を避けるようになった大きな原因が、民間企業と比較した際の待遇面での魅力の無さでしょう。

 実際、現役の都の若手公務員を対象にしたアンケートでも、全体の4割近い職員が、待遇に不満を抱えています。

関連記事:【転職を後悔しないために】若手公務員の不満3選 | FIRE×ミニマリスト×公務員 (firekoumuin.jp)

 実際、大手民間企業が、新卒者への初任給を、前年比5%上乗せすると発表する中、公務員は、わずか1%上乗せという結果になっています。

 公務員の給与は、勧告に基づき、自治体の一存では決定できないため、給与面で民間企業を上回る魅力を出すことは不可能です。

 また、年功序列をあてにしていない若者からすれば、「公務員は年を取ると、十分な給料がもらえる」と言われても、魅力を感じません。

まとめ2
給料の魅力が、民間より遥かに下

門戸を広げすぎた結果、ブランド価値が無くなった

 都がやっている人材募集の方法において、門戸を広げすぎたことで、優秀な人材が来なくなったと思います。

 ここ数年で、以下のような募集制度が新設されました。

・大学3年生でもⅠ類Bを受験できる制度

・Ⅰ類試験の二次募集

・低倍率の社会人採用

・任期付き正規職員

・一度合格すれば3年間有効

 人材不足を解消しようと、色々な方法で募集することで、質の悪い人材を受け入れています。

 実際、私がこれらの募集により入庁した方を見かけたことがありますが、まるでニートのような人がいました。

 私が見かけたほかにも、これらの募集により入庁したが、仕事が全くできない人が大勢いるそうです。

 これは公務員の悪しき習慣だと思うのですが、とにかくマンパワーだけ確保して何とかしようとする組織風土があります。

 しかし、それが裏目に出ています。

 あらゆる先入観を取り払って、考えてみてください。

 たとえ能力が低くても、職種を選ばなければ、簡単に入れる会社。

 そんな組織に、一生に一度の新卒カードを使って入ろうとする、優秀な学生はいるでしょうか?

まとめ3
門戸の広げすぎが、都庁の魅力を下げた


根本的な解決策

 給料は上げられないけど、人も足りない。

 この状態を改善するためにできる方法は、1つだと思います。

 それは、重箱の隅をつつくような仕事をやめ、採用数を限定し、少数精鋭にすることです。

 私が都庁で働いていた頃に感じたのは、都庁の仕事には、昔の慣習や上層部の実績づくりをするための、つまらない仕事が非常に多いことです。

 具体例だと、無駄なレクや、誰のためになるのか分からないプロジェクトです。

 今は高度経済成長期ではないため、必死になって働く時代ではありません。

 だからこそ、重箱の隅をつつくような、無駄でつまらない仕事が多いのです。

 思い切ってそれをやめるだけで、仕事が減り、今ほどに人材を確保する必要は無くなります。

 そして採用人数を絞ることで、競争がある試験になるため、都庁職員のブランド力が向上し、優秀な学生を確保することにつながると思います。

まとめ4
仕事を思いっきり減らして、採用人数も絞るべき

 他にも、公務員の転職等に関する記事をまとめています。

 ぜひ参考になさってください!

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