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【随想】ファミコン少年

小学2年のときにファミコンを買ってもらった。それまでの間は、学校帰りにファミコンがある家に寄り道してやっていた。

団地住まいの同級生の家に入り浸り、「ワイルドガンマン」という早撃ちのゲームをしていた。
このゲームはファミコン本体に拳銃型の付属品を接続し、テレビ画面に向けて撃つのだが、3人の中から「悪い人」を「見た目」で判断し撃つ。という内容だったと記憶している。
今思うと、そこの家にはいつも誰もいなくて同級生もこのゲームに飽きているので、一緒にはやらず、少年ジャンプなんかを読んだり、ついには外に行ってしまい、自分だけがその家でゲームをやり続けている状態になったりしていたと思う。

しばらくして、その「友だち」とあまり遊ばなくなり、学年が上がり別のクラスになった頃には苗字が変わっていた。
当時そんな家庭の事情に少年は何ひとつ思いを馳せず、むしろ、誰もいないので居心地が良いくらいに思っていたのだから残酷なものだ。

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