日本人の幼児性
日本は島国だから
歴史的に
違う人種、違う文化の人間たちと
日常的に、あまり関わってこなかった。
アメリカは日本のことを
「12歳の子供」と評価したことがあったと聞く。
世間、世界、人間一般
に対する理解度のことを言ったのだと思う。
ナイーブで
純粋で
いろいろ解っていない、と。
(naïve:世間知らず・箱入り・甘ちゃん。
褒める時に使う言葉じゃないですよ)
子供って世界中
どこの国の子でも、
生来が性悪で意地悪な子って
めったにいないと思うんだけど、どうなんでしょう。
わざわざ教えなくても
小動物や、自分より小さい子のことは
いたわって可愛がるし
無知でやってしまう失敗以外は、
誰にでも優しい気持ちで接しているのが
基本姿勢にみえる。
日本以外の国の子供たちと接したこともあるけど、
みんな優しくて可愛い、いい子たちばかりだった。
「こども」というのはたぶん、
人種も、もしかしたら種族も関係なく
優しい心を持っている生き物。
(人間の子供も、子犬も、子猫も、
ちいさい子たちは、みんな優しい)
話は飛ぶけど
日本のアニメやマンガが
これほど世界中に受け入れられたことに、
正直、私は驚いた。
構成や内容が非常によく練られていて、素晴らしい作品が多いことは、
私も日本人だから
子供の頃からよく知っているけれど
きっと日本以外の文化の人たちの目には
子供相手のもの にしか見えないだろうし、
これらは日本人の間だけで好まれる文化なのだろう
と思っていたから。
まさか地球規模で、
多様な文化それぞれの国の人々の
心の琴線に触れるような「普遍的なもの」を内包していたとは。
心の奥底で共通する「何か」がないと、
ここまで深くは 受け入れられないと思うもの。
すごいよね。
それともやっぱり
「人間なんて、文化が違っても、感じることは皆同じ」
ということなのかな。
でもたしかに
文学や、映画なんかは、
世界中の作品がお互いに翻訳されて
相互に愛されていたりもするし、
そういうのと同じ ってことなんだろうね。
思うんだけど
そういった作品たちは、私は
<日本人の幼児性>から
産み出されたものだと思う。
好きなもの、好きなことに夢中になって、
そればっかりやってしまって、
それに長けて行ってしまう。
自分の好きなことでもあるんだけど
純粋に誰かを喜ばせたくて、
何かを一生懸命 やってあげてしまったり。
アニメやマンガだけのことじゃない。
企業の商品開発だったり
科学技術の研究開発の場でも
似たような心持ちで、
日々せっせと
「昨日よりも良いもの」を産み出そう、
見つけ出そう、
と努力を惜しまない精神文化…
これが出来たら 喜んでくれる人がいる
これが出来たら 誰かの役に立つ
これが出来たら きっと もっと楽しい
だから 大変だけどがんばろう って。
決してお金儲けや、名声のためじゃなく。
任務に対しての責任感や義務感も含め、
そういう時の日本人に共通しているのは、
純粋な「一徹さ」みたいなものじゃないだろうか。
正に汚れを知らない「こども」のような。
日本人のそんな「幼児性」は、
とても特異なものだと思う。
社会風潮的にはネガティブに働くこともあって、
たとえば
「少年の心を失わない」
なんて言葉で
子供時代に決別して人間的に成長することよりも、
幼いままでいることを許すような、肯定するような考えなどは
コドモオトナを増やしてしまい
国家という単位で見たときに
社会全体にとってマイナスではあるけれど、
無私で 心が純粋
という精神性は、
たいていは、他人から奪うことしか考えない人たちが多い
この地球上の世界では、
得がたい宝石のように、
貴重な特異性なんだと思う。
世間知らずで騙されやすい部分、
自分で考えて判断せず
他人や、社会の風潮など、
誰かエライ人や、オトナの人の意見に
「考えなしに」迎合する傾向、
問題の本質よりも
議論する相手の言葉尻などを問題視する幼児性や、
成人の年齢になっても、
自ら大人である事を自覚して
内面を成熟させていくための努力を
しようとしない幼児性…
正当化や言い訳に終始して、
自分がしたことの責任から逃げようとする人間が多いのも
これに起因してると思う。
ボク悪くないもん、だって…と
子供が母親に甘えるように、赦してもらおうとする。
これを怠慢と仮定すれば、
ある程度
人間一般に普遍の傾向ではあるけど、
ここまで「大人になりたがらない」のは、
日本人だけだと思う。
こういったあたりの 悪い特性の幼児性を
自力で何とか改善・克服出来れば
またもう一段階、
発展していけそうなんだけどね、
うちら大和民族…
どう頑張ろうか?
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書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡