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秘密の花園

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西洋のアンティークなものを中心に、フェティッシュで素敵なものをひたすら陳列していきます。
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#大聖堂

地上を賛美するか、天上を賛美するか。フラメンコとバレエ。

以前の記事で、大聖堂について「重力を肯定するか、重力を否定するか」で2つのタイプがあるというお話をしました。 私は踊りにもそれにあたるものがあると考えていて、それは例えばフラメンコとバレエです。 フラメンコとバレエについては、 フラメンコ → 重力肯定(地上賛美) バレエ → 重力否定(天上賛美) というふうに感じられるのです。 フラメンコを観ていると、腰を落として大地を力強く踏みしめ、時にはわざわざ大地の存在を強調するかのように足を強く打ちつけてリズムを鳴らします。

重力を肯定するか、否定するか。ロマネスク様式の大聖堂とゴシック様式の大聖堂

前回私は、「ゴシック式大聖堂の徹底的に重力を否定する心意気にフェティッシュを感じる」と書きました。 ではその「重力を否定する」とはどういうことか。 それをよりはっきりさせるために、今回は「肯定派」の心意気で造られた建築様式と比較してみたいと思います。 私にとって「重力肯定派」の建築物といえば、ロマネスク様式の大聖堂です。 このロマネスクの大聖堂の特徴をざっくり言うと、 壁が厚い、アーチが半円形、窓が小さい、建物の高さが低い ということがあげられます。 ロマネスク様式

ゴシックの大聖堂とフェティッシュ

例えば私は、ゴシックの様式で造られた大聖堂にフェティッシュを感じます。 遠くから見た時に、まるで糸みたいに細く繊細で緻密に見えるデザインの格好良さというのはもちろんありますが、もっと精神的なこと、存在感のようなものに痺れてしまうのです。 それは、私のフェティッシュの基準で言うなら、 ②人工的であること よくできた細工物のような、繊細で細かく作り込まれたもの、硬質なもの。 ③強固な世界観があること 「個」の輝きが強いもの。 それそのものの中で完結できる、独自の宇宙の法則を形