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秘密の花園

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西洋のアンティークなものを中心に、フェティッシュで素敵なものをひたすら陳列していきます。
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#芸術史

異国趣味とフェティッシュ

私は“異国趣味“というものにフェティッシュを感じます。 “異国趣味“というとあまり普段使いの言葉ではないので、ぴんとこないという方がいらっしゃるかもしれません。 “エキゾチックなもの“と言い変えればもう少し一般的でしょうか。 私たち日本人が“エキゾチック“と聞けば、通常まずはインドとかインドネシアとかトルコとかいったようなもの、漠然と何やらアラビアっぽいものを思い浮かべるように思います。 でも、“異国趣味“とは本来、“遠く離れた異国のものに憧れる心“のことを指すので、それを

重力を肯定するか、否定するか。ロマネスク様式の大聖堂とゴシック様式の大聖堂

前回私は、「ゴシック式大聖堂の徹底的に重力を否定する心意気にフェティッシュを感じる」と書きました。 ではその「重力を否定する」とはどういうことか。 それをよりはっきりさせるために、今回は「肯定派」の心意気で造られた建築様式と比較してみたいと思います。 私にとって「重力肯定派」の建築物といえば、ロマネスク様式の大聖堂です。 このロマネスクの大聖堂の特徴をざっくり言うと、 壁が厚い、アーチが半円形、窓が小さい、建物の高さが低い ということがあげられます。 ロマネスク様式