青玻璃の殻

冷たい朝がおり
湖のほとり
静けさをたたえ
帳と霧の浸食

重苦しい夜を越え
まもなく朝陽が罅入るだろう
僕に沈んだ澱もろとも
露と消えよ昇華させ

月からも隠れ
僕に揺蕩う水面の底
沈み沈んでいる影も
光はきっと消してくれると
祈り この胸差し出そう平らかに

此処はおんなじ
青いろ硝子

透きとおる
薄玻璃
砕けろ
壊れないで

涙の重さの世界に三本目の手がしがみつく

だけどもうさよならしよう
痛みも傷もいずれは癒える
僕が流す 僕に滴る赤
僕に走る青に流れると知るだろう

通うぬくもり 脱ぎ去る殻
もうかなしみのいろではなく

光の熱の傷は痛くて
涙がしみる 君に慣れない
それでも伸ばすよ天にまします君に
僕はもっと変わりたいんだ



©2015  緋月 燈

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