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お参りは人生。奈良旅・後編

近鉄電車に乗り、桜井駅へ。

駅からは、「徒歩20分」との事でしたが、とても遠く感じました。なかなか到着しない。もしや、京都と奈良では時間軸が違うのだろうか…?とアホな事を考えてしまう程に。既にまぁまぁ歩いていたので疲れていたのだと思います(帰り道で、バスが通っていたと知る。次回はバスに乗ると固く誓う。)


しかし、到着してその門を目にした時、疲れは吹き飛んでいきました。安部文殊院に。

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写真では写しきれない、素晴らしい佇まいがそこにありました。下馬の文字も良い。門をくぐった後のアプローチも。来てよかったと心底思い、元気回復。

有名な文殊菩薩様は勿論ですが、かの可愛い善財童子像にお会いしたかった(ググって頂ければ幸いです)

そして、安倍晴明公が修行された所。ここに何もない筈がない。桜井駅を素通りは出来ませんでした。


コロナ禍にあたってしみじみ思います。人が生きていくのに、確かにお金は必要です。ですが、それ以上に知恵こそ必要なのではないか?と。

お金がない時でも、知恵でもって乗り切れる事もあります。逆にお金があっても、お利口が欠落していたばかりに、残念な目に遭ってしまい貧しくなる人も。お利口になりたいと、ふと思いました。2020年を『お利口元年』にしたい。ここから色々学んでいきたい、と。

そこで文殊菩薩様にお会いしてみたいと考えました。

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写真が残念ですが、本堂です。受付を済ませて中に。

リーフレットより

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なんと申しますか、文殊菩薩様の圧が凄かったです。凛々しいお姿。側の善財童子は、やはり可愛かった。有難い。


本堂を出て、見所満載の境内を巡りました。以下は、一部です。

稲荷社が、眺めの良いところにありました。晴明公はこの地で生まれ、母は白狐であったとの伝説もあり、大切に祀られていました。

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稲荷社からの眺め


境内に白山堂もありました。白山と言えば、菊理姫神。陰陽道との繋がりも深いとは言え、ここでお参り出来るとは有難し。

白山堂を過ぎ、晴明堂へ。
晴明公の千回忌にあたって、2004年に200年ぶりに再建されたもの。

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少し小高いところに在り。晴明公は、いつもここで星を観測されていたとの事。

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奈良の山々も見える穏やかな眺め。星も良く見えたと推測される。晴明公の名は死後一千年以上経っても廃れないが、誠に素晴らしいお方だと思う。


そして、稲荷社と晴明堂から見えていた金閣浮御堂にお参り(拝観料は別途。お守り付)

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仁王経にもある「七難即滅、七福即生」により、人生における七つの災難を払ってくれる、『七まいり』というのが出来ます。五芒星の書かれた7枚のお札を授かり、それを持ってこの御堂の周りを巡る。「〜〇〇しないように。」と願いながら。

御堂の裏はかなり狭く、お身体の横幅によっては通るのが厳しい人もいるかもですが、札を持って七度巡るのは面白かったです。

七まいりを終えると、御堂の中に入ってお参り。中には弁財天様がおられます☺️ 

晴明公の肖像画として有名なものや、漫画・陰陽師を描かれた岡野玲子さんが奉納した絵もあり。暫し私1人だけで、静かに弁財天様にお参り出来まして贅沢致しました。


ところで、参拝の記念に落雁を頂きました(本来は、お抹茶と一緒に頂けるらしいのですが、コロナ禍の為に休止中)

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食べる五芒星

吉野葛も入って優しい口当たり。美味しゅう御座いました。



これでもう心残りはなし!とは言え、流石に歩き過ぎた(安倍文殊院、駅から遠かった…)。反省しつつ、ホテルに。

果たして明日は、三輪山にお参り出来るだろうか。

室生寺に向かう電車からも見えていた、大和国一ノ宮。日本最古の神社の一つ。三輪明神とも大神神社とも。山自体が御神体で、拝殿はあるが本殿は無い。ご祭神は大物主。

呼ばれないと登拝出来ないとも言われるらしい。もしそうなら、お参りに能わずなら弾かれるだけ。その時はその時だと思い、お風呂に入って明日に備えて就寝。



翌朝起きると、足の疲れは多少あるが問題なし。予定通り、三輪山へ。

折角、路線案内で時間も調べていたのに、何故かちょっぴりぼんやりして、乗ろうと思ってきた電車の一つ後に。

近鉄桜井駅でJRに乗り換えて、一駅先の「三輪」に行こう思っていたのに、次の発車は30分後。なんと、JR万葉まほろば線とはかような…。

ここで、桜井駅から歩くと決めました。待っても良いのかもしれないけど、これはもう歩いて行こうと。

大鳥居から入る。

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良い天気


そして、二ノ鳥居に到着。

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参道を行くと、祓戸がありました。

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祓戸がある神社では、ここでお参りして先に厄を落とします。

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出雲大社にも、祓戸があったなぁと思い出す。



拝殿でお参りをして、

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登拝の受付がある狭井神社へ。

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狭井神社への参道



受付を済ませ、注意事項と三輪山案内図を頂き、いざ登拝。以降、撮影禁止。スケッチもダメ。

杖をお借り出来るのですが、借りてとっても良かったです。(困った時の三輪の杖)という言葉が、ずっと頭に浮かびながらのお参り。登拝の良き友。

途中で断念する人も体調不良となる人がいるのも分かります。とても大変でしんどい、でも本当に有難いとしみじみ感じながらお参りが出来る。綺麗な水の流れも木々の騒めきも、自然の美しさの全てが励みに。

ゆっくりマイペースで登り、無事に頂にある奥津磐座おきついわくらに。優しくて穏やな場でした。しばし休息をして、お礼を言って下山。

約2時間ほど掛かりました。私も奈良に住んでいたならば、度々お参りしたいと思いました。そりゃ、古代より大事にされて、多くの人が焦がれるわ!実に素晴らしいお山でした。


無事に降りてくると、受付は12時迄との事で既に閉じていました。

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この狭井神社の脇で、御神水を頂けました。大変美味しかった。


来た参道を戻りつつ、狭井神社の手前で気になっていたところがありました。でも、お山が先だと思って後にしたのですが…

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やっぱり弁財天様でした!ここでもお参り出来て、幸せ☺️


拝殿まで戻り、お礼を言って三輪山を後に。

以上、奈良旅でした。流石に疲れましたが、非常に楽しかったです。


私は、好きで京都に住んでいます。それを幸せに思っているのですが、奈良の深い場は、信仰の為に大切なものをしっかり守っていました。

今の京都は、完全に観光地。観光とは、その土地の光を観ること。それ自体は悪い事ではない。

けれども、信仰の為に守らなくてはならないものはある。やったらダメな事もある。

それが無くて、もう何でも有りのような場もある。それも含めて京都なのかもしれないけど…。

今回お参りさせて頂いた奈良の社寺の信仰を固く守る姿に、深く敬意を払う次第です。本当に素晴らしかった。有難う御座いました。


この旅では、橿原の地に泊まりました。初日に橿原神宮にご挨拶。

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一年半ぶりくらいにお参り。こちらも好きです。


歩数は、3日間で約76,000歩。
普段なら(やらかした…)と反省するところなのですが、完全に頭は修行モードだったので、(先人に比べたら、塵にもならんな)と思いつつ帰途に。

翌日から2日間、家の中が精一杯の変な歩き方しか出来ませんでした。オンラインでお仕事が出来る、今の働き方に感謝します。


次は来春に、またお参り出来たらとても嬉しい。


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