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お参りは人生。奈良旅・中編


室生寺を出て、次は室生龍穴神社へ。室生寺から、県道沿いを1キロ程歩いたところにあります。

室生龍穴神社に行くにあたっては、ネットの情報がとても役に立ちました。

奈良の深いところの社寺は、情報が非常に少ない(と思う)。奥ゆかしいまでのサイトを見る度に、お参り意欲は湧くばかりです。

ですが、同時に頭の中には徒然草・第52段も浮かびます。

※有名な段なので、ご存知の方も多いと思うので簡単に↓

仁和寺の法師が、長年思いながらもずっと行けてなかった石清水八幡宮に、ある日思い立って1人で歩いていった。山の裾野にある社寺などにお参りし、(こんな感じか。なるほど…。)と思いつつ帰った。
ある日仲間に向かって、「長年の念願を叶えてきた。お参りは尊かった。でも、何故か皆が山の上にまで登って行った。何事??とは思ったけど、石清水八幡にお参りするのが筋と思って、山の上までは行かなかったけどね。」※石清水八幡宮は、山の上にある。

『どんな事でも、導く人(案内人)は欲しいものだ。』


それは全くその通りで。初めていく古社。1人で行くのは良いけど、度々行ける場所では無い。仁和寺の法師と同じ目には絶対に遭いたくない。

故に、毎日念入りに検索しました。既にお参りされた方々の情報は、良い事も悪い事もとても有り難かった。その方の主観があったとしても、それは他の情報と擦り合わせて精査すれば良いのであって、「本気のお参りは、1人で行く派」としましては、有難い事この上なし。

室生龍穴神社は、創建年代が分からないほど古い神社。平安時代、雨が降らずに窮すれば、降雨を願って勅使が送られていた、雨乞いに霊験あらたかな社。

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これぞ古社…!とてもとても静かでした。

祭神は、高龗たかおかみとされていますが、拝殿には善如龍王とあり。

立派な木々の数々。境内をゆっくり散策されてもホッとすると思います(とても素晴らしかったのですが、あまり写真を撮る気になれず…)

ここは善如龍王様に会う為のゲート。感激しつつも、ご挨拶して奥宮へと向かいます。

神職の方は常にはおられないようですが、無人の社務所に貼られた道案内の張り紙がとても役に立ちました。

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2枚有り。有難し。

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奥宮までは、更に1.2キロ歩きます。目印の看板まで県道沿いを歩くのですが、多くはなくても車がビュンビュン走っていきます。

まぁまぁ歩くので、途中不安になります。

時々、(あなたもお参りは1人派ですね、分かります)な方とすれ違うので、その度に(大丈夫、合ってる)と安堵しながら歩く。

案内の看板を見つけ、県道から林道へ。

途中にある、天の岩戸。天の岩戸と呼ばれるところは、全国あちこちにありますが、なかなか良きかも。

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あ、もう直ぐで龍穴なのだ…という意味でも元気が出ます。



更に林道を上ってしばらくすると、看板と鳥居が。

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無事に到着です。鳥居の下に階段になっており、降りていくとそこに拝殿がありました。



拝殿から見える、招雨濠しょううばく

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聴こえるのは水の音のみ。自然の美しさ。私の汚れた心も洗われるようです。

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龍穴。お参り出来て、感無量。有難し。

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誰も居なくて、誰も来なくて、暫くの間一人でここに。贅沢致しました。


室生龍穴神社や奥宮を検索した時、
「叶わない」「怖い」という言葉も見ました。「龍神は厳しい」「行くなら礼儀正しく」そんな記事も見ました。そう書かれた方は、本当に偉いと思う。

善如龍王様は怖くない。行儀の悪い、礼儀知らずの、浅ましい人間が大嫌いなだけ。敬意も無いのに、願いなど叶うものかは。

龍神に願うならば、お行儀と覚悟・誓った後の日々の行動は必須です。

パワスポに行きたい・写真を撮りたい・それをSNSにアップしたい、と言った考えならば、近寄らない方が良い。


龍穴の写真を上げることも、正直考えました。上げているサイトは幾つもあります。それはそれ、人様は人様。自分はどうしようか。善如龍王様の事も考えました。

善如龍王様は、慈愛の雨を降らす…。

私は幸い、健康な肉体を頂いたようです。有難い事に歩いてお参り出来ましたが、ここまで来られない方もいると思います。全ての人が来られる訳ではない。ならば、ご興味のある方に、細やかですがお裾分けを。

自分のお守りとして動画も撮りました。未熟者なので、京都に帰れば、またイライラ・ムカムカする事があると思います。

ここにお参り出来た感謝とこの日の気持ちを忘れないように、帰ってからも戒めになるように。

noteに動画のUPも出来ますが、それは流石に憚られる。基本的にひけらかすのものでは無い。その役目を頂いて、許可を得た方なら別ですが。



因みに。善如龍王様は、京都では神泉苑に祀られています。空海が祈雨を行った場としても知られる歴史ある霊場なのに、とてものんびりしていて良いところ。

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子供たちが、鴨や鯉にパンをあげていたり、アヒルが参道の真ん中で寝てた事も。季節の花々も咲き、穏やかでとても良い場です。

善如龍王様は怖くない。むしろ優しい。
干ばつが続けば、民が苦しむ。浅ましい人間も増え、それに苦しむ民も増える。国が貧しくなる…。

善如龍王様は慈愛の存在。降らせる雨は、慈愛の雨。乾き(渇き)を癒すだけではないその雨に、民は救われ、国も護られたのではなかろうか。



話を奈良旅に。旅の目的であった室生寺と室生龍穴神社にお参りして、大満足。

まぁまぁ歩いたので、スイーツなど食べて、のんびりしても良かったのですが。

どうしても、この日もう一箇所行きたいところがありまして。

まだ続く。



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