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お参りは人生。奈良旅・前編

先月、思い掛けず金峯山寺にお参り出来てから、(奈良の深い所、素晴らしい…。この間行ったばかりだけど、もう一度吉野に行こうかな)と時間があれば、iPadでぐるぐると地図を見る日々を過ごしていました。


金峯山寺きんぷせんじは、役行者えんのぎょうじゃが開いたところ。写真は上手に撮れませんでしたが、あまり撮る気にもなれなかったのも正直なところ。観光地では無く、霊場。今でも修験者の修行の場。


京都には無いエネルギーに当てられて、(素晴らしかった、また吉野に行きたい。いや、他の修行の地もいいかも…)と、地図を見ながらふと降りてきたのは、『室生寺むろうじ

室生寺は女人高野と呼ばれ、真言宗の山寺として有名ですが、元々はこちらも修験道の祖・役行者が開いたところ。

室生寺に行くとなれば、その近くの室生龍穴神社も行かねばなりません。※個人的見解です。

室生寺に行くなら、奥の院まで。
室生龍穴神社に行くなら、奥宮まで。
そして行くなら、朝からお参りしたい。※全て個人的な決め事です。

(京都出発では、朝のお参りは厳しい。奈良のアクセスの良き場所に前日泊して、朝イチで出発。きっと疲れるだろうから、奈良に泊まって翌日帰ろう)

そう決めたのは、秋土用の最中。

『土用は土を侵さず』と申します。気にしない方もいると思いますが、私は土の神様を怒らせるのは避けたい。初めて行く霊場であり道場なので万全を期したい。早る気持ちを抑えつつ、お仕事は計画的に片付けつつ、土用の間ずっと奈良の地図を見ておりました。


そして立冬を迎えた11/8に出発。〜11/10まで奈良に滞在。

近鉄・室生口大野駅から出ている朝一のバスに乗り、室生寺へ。

受付を通り、直ぐにあるのは寳物殿。
拝観券より↓

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正直申しまして、大変に素晴らしかった。私はそんな熱烈な仏像マニアではないけれども、深く感動した。この十一面観音菩薩像の美しさ。胸元の装飾の繊細さ。その前に立つ、5体の十二神将像も実に勇猛で素晴らしかった。

他、真言密教と神道の深い繋がりを感じる展示もあり、非常に胸熱でした。

何より、この寳物殿が素晴らしかった。今年9月に開かれたばかりの新しく出来た建物。1000年以上続いてきた信仰の地において、次の1000年の信仰を見据えた無駄の無い最新の設備。この建物は、色んな人の思いで出来上がっている…。その心に触れられて深く感激した次第です。


到着早々、来てよかった…としみじみ感じながら仁王門に。

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境内のあちこちで紅葉が進んでいました。

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石の階段を登り、弥勒堂へ。そして金堂に向かいました。境内では所々、撮影禁止・スケッチ禁止の案内が。

それは信仰の地において、とても重要な事だと思いました。


続く石の階段を上り、本堂に。

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本堂の向かって左奥の直ぐに、五重の塔。

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奥の院までは、この五重の塔を過ぎて、更なる石の階段を上っていきます。

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途中までは、(山寺なのでこれくらいの階段は、そうですよね)と思って上っていたのですが。

8割過ぎたぐらいから、ぐんと角度がキツくなり…。(急に怖いわ!!)と思いつつも、もう上がるしかない。

はぁはぁ言いながらの到着。奥の院までの階段数は、700段。

本堂で「健脚な方なら五重の塔から10分くらいですね、健脚の方は。」と、案内していたお坊さんの言葉を思い出す。(大事な事だから2回言ったね…。健脚な方は、確かにね)

私は、上りは15分ほど掛かったと思う。これは、上れない人もいると思う。体力があるだけではなく、足腰がしっかりしてないと厳しいのでは無いか。

毎月お参りでよく歩いてきた方だと思っていたけど、過信にも程がある。京都の舗装された平地を歩いてきただけだ。

どこかで鍛えねば。駅の階段ぐらいでは全然足りない。

自粛期間中、体力が落ちたのか?いや、シンプルに歳なのか…?

そんなことをグルグル考えながら、息を調えること暫く。


奥の院から眺める景色。

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奥の院の境内にて。

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(びっくりする程写真が残念なのは、階段がしんどかった衝撃の為と思いたい。リベンジしたい…)

真言宗の修行の場の一つ。開祖を慕う想いでも溢れている。手を合わせれば、自然と『南無大師遍照金剛』が口から突いて出てくる。真言宗でも無いので日々唱える事はないのだけれども、ここでは流石に出る。

山のエネルギーは強い。足腰も鍛えられる。修行の基本中の基本。それを改めて体感、痛感。

いつかは、このような場にお参りが出来なくなる。それが人間の肉体の現実。でも、まだまだ諦めたくない。体力のあるうちに、足が上がるうちに、あちこち行きたい。京都に帰っても、出来る範囲で足腰を鍛えよう。そんな学びも頂いた。

お参りさせて頂いたお礼を言って、下山。


やはり、下りも同じところまでが怖い。そこを抜けると嘘のように平気になる。角度が急、階段が狭い、それだけじゃない気がする。

層が変わる感じ。地上界から、その上の層に。

まさにこのイラストのよう。奥の院は層が違う、と思う。室生寺拝観券より↓

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実は、室生寺に行こう!と決めた時、ワクワクもしたけど、(なんか怖い感じがする)と妙なザワつきもあった。奥の院手前のあの階段の事だったのか??などと思いつつ。

次に向かう為に仁王門に向かうと、急に後ろ髪を引かれるような感覚が。去り難いような、もう少しここに居たいような…

来て良かったなとしみじみ思いながら、ふと拝観券兼リーフレットを開くと、

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こんなお歌を詠まれていた事を知る。感慨深い。



こちらでは、弁財天様にもお参り出来ました(仁王門をくぐって直ぐの鎧坂の脇にあり。お参りしてから上ることが出来てとても嬉しく、帰りもお礼を伝えた☺️)

実に、素晴らしいところでした。是非またお参りしたい!奥の院まで。足腰鍛えます!

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続く

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