聴覚過敏の彼女を見て思った・考えた事 対策・配慮編(後編)
■はじめに
前編の続きとなるので、
先にこちらをご覧ください。
後編では、主に症状への対策や配慮について
書いていきます。
■道具を使った対策
自分でできる対策はありますが、その中でも
道具は特に効果が高いです。
主に、ノイズキャンセリング付きイヤホン
(ヘッドホン)、耳栓、イヤーマフ、
イヤープラグ(ピース)辺りを使用することが
大半だと思います。
それぞれの利点と欠点は以下となります
ノイズキャンセリング付きイヤホン
利点:常時音(電車内や工事の音)に有効
欠点:突発音(ドアを閉める音など)や
人の声にはあまり効果がない。
音楽を聞いていると
勘違いされやすい。
耳栓
利点:用途別の種類が多い、睡眠に
使用しやすい
欠点:聞こえづらくなるので会話もしづらい
使い捨てでコストパフォーマンスが
悪い
イヤーマフ
利点:遮音性が非常に高い、耳栓と併用で
さらに効果UP
欠点:業種によるが仕事中は使用困難
通気性が悪い、圧迫感が強く
長時間の使用には向かない
イヤープラグ
利点:イヤホンのような線がない
(本体は髪で隠せる程度の大きさ)
欠点:聞こえづらくなるので会話がしづらい
■彼女が使用している道具
以前はノイズキャンセリング付きの
イヤホンでしたが、欠点が多く、
思い悩んでいました。
話を聞く限り、特に仕事場で
使用できないことが致命的に
感じました。
主に彼女が特に求めていたのは、
「症状を抑えられる程度の遮音性」、
「突発音に効果がある」、
「仕事中に使用できる」、
「会話に支障がない」、
「長時間使用ができる」辺りとなります。
今回説明した道具にそんな都合の
良いものがあったっけ?
となりそうですが、色々探した結果、
何とこれらに全て当てはまる物が
見つかりました。
結論から言うと、彼女はこちらの
イヤープラグを使用しています。
これはスライド操作で音の強弱が調整できる
特殊なイヤープラグです。
音を防ぎつつ会話をしたい場合や、極力音を
防ぎたい場合と使い分けができるのが
最大の利点となります。
※通す周波数が調整されているため、
音を抑えた上で人の声などが必要な音が
聞きやすかったりするようです。
こちらに変えてからは職場でも
使用できるようになり、普段も
音楽を聴いていると
勘違いされることもなく、
以前より楽に過ごせるようになった
みたいです。
■自分たちで出来る対策
道具の効果は大きいですが、音のダメージを
無効にできるわけでもないので、自分たちで
出来る対策が必要です。
色々あるとは思いますが、主には
以下となるかと思います。
不快な音の発生源には近づかない
当然ながら原因を避けた方が良いので、
不快な音の発生源には近づかないように
するのが無難です。
(街頭演説、工事中、声が大きい
グループからは回り道をするなど)
特に症状が出始めて本人の注意力が
落ちているときは、普段以上に
気にしています。
周りに理解してもらう
音を相手にする以上、1人では対策が
難しいので、できれば周りにも
聴覚過敏の症状や起こりえる状況を
あらかじめ伝えることが大事です。
知らないと別要因で具合が悪いと
思われるので、声やTVなどの
音量を下げてもらうなどの対処を
してもらえない可能性も高いです。
(場所によっては都合上言えないことも
考えられますが、知り合いだけにでも
言っておくことが大事です)
★補足
感覚過敏は別の症状も併発しやすい
聴覚過敏は発達障害の一種と
言われているので、他にも
何かしら症状が出てくる可能性も高いです。
今回の話とは逸れるので割愛しますが、
そちらの対策も考える必要はあります。
------------------------------------
■症状を抑えるには
気をつけてもやはり症状が出ることは
多くありますが以下を気をつけるように
しています。
重症にはなるべくさせない
前編で話した症状別の例のように
重症になると移動や会話も困難になり
大事となるので、いかに軽度から
中度に抑えられるかということは
意識しています。
水分や栄養補給ができているか気にする
不足していると体調不良になり、
症状も出やすくなりやすく感じます。
当たり前ではありますが、徹底しておくと
咄嗟の時に軽めの症状で済むことが
多く感じます。
■症状が出た場合の対処方法
まずは
一旦座って休憩出来そうな場所や
屋外に出ます。大よそ人気が
多い場所だと思うので、
人気が少なく静かな場所に
移動することが理想です。
適切な薬を飲む
精神的にも落ち着かない状況と
思われるので、安定する薬があれば
飲むと落ち着いて症状も緩和できる
場合があります。
この辺りは専門医に聞くのが適切です。
重度になった場合
移動や会話困難なので、助けを呼び
医務室や救護室を借ります。
一旦休めばゆっくり回復すると思います。
■大事にしていること
私自身に症状などはないため、
当然当事者とは異なり、分からないことや
気づかないことは多くあります。
なので普段から以下を意識してます。
痛いなどの申告はそのまま受け取る
意外と簡単そうで難しいです。
実感はないため理解はしきれないことを
念頭に置きながら、申告は素直に
受け止めます。
(自分の出来事と置き換えるのは
避けています)
なお、この考えは性別特有の問題や
発症したことがない病気などとも近い
考えだと思っています。
ちなみに医者でガンの第一人者ですら
実際にガンになった時は、
「思ってた以上にあまりにも
苦しいことだった」と言っているのを
TVで見たことがあります。
なったことがないものを考えるのって
難しいですよね。
症状は慣れでは解決しない
たまに慣れで何とかなるという人がいますが
数分程度ならともかく、普段からある症状で
苦しむという時点で、慣れではどうにも
ならないでしょう。
むしろ症状を放置すると悪化する
可能性すらあるので、この考えは
大事だと思います。
完治は基本的に望めない
今後緩和する可能性はありますが、
完治は困難だと思っています。
(勿論完治が理想ではあります)
今後ずっと付き合っていく問題と
認識していますし、初めからそのつもりで
彼女とは付き合うと決心しました。
★ヘルプマーク(余談)
聴覚過敏は外見上分からないため、
彼女はヘルプマークをつけています。
着用者の症状は千差万別で、
比較的共通するのは見た目では
判断が困難ということくらいです。
よく見ると付けている人は
ちらほらといますので、
スマホを触る前に一回前を見て
気にしてもらえると幸いです。
その上で、余裕があれば
席を譲ってもらえると
非常に助かります。
勿論、自分も疲れてたり、体調不良の場合は
無理して譲る必要もないと思います。
(よかったらマタニティマークなど
別のマークも気にしてみてもらえると
嬉しいです)
ちなみに聴覚過敏を示すマークも
ちゃんとあります。
イヤーマフなどには、ヘッドホンと
勘違いされないようこちらのマークを
使うのが効果的です。
■おわりに
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
もしかすると聴覚過敏って思ってたより
辛い問題なんだなぁと、音をたてることに
萎縮する人もいるかもですが、私も普通に
音をたてちゃう時はあるので、気楽に
考えた方が良いです。
当事者や関係者からすると
考えてくれるだけでも
十分嬉しいのです。
当事者も聴覚過敏を過度に気にせず
仲良くしてもらいたい気持ちは
あるはずなので、今まで通り+αくらいで
大丈夫なのです。
よかったら感想や気になったことを
Twitter(@Lu_Na_Clock)のリプライや
DMでもらえると嬉しいです。
最後になりましたが、このnoteが
聴覚過敏についての参考となれば幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?