エッセンシャル脊椎・脊髄の画像診断

この度、MedSi社さんから
「エッセンシャル脊椎・脊髄の画像診断」をご献本いただいたので感想について僭越ながら書かせていただきたいと思います。

ページ数は450弱であり、厚みとしてはKeybookシリーズと同程度かやや厚いくらいでしょうか?

今まで脊椎の教科書としては「エキスパートのための脊椎脊髄画像疾患のMRI(いわゆる"柳下本")」が一強状態でしたが、柳下本は中枢神経系の先生方がメインで書かれいているのに対し、この本は骨軟部系の先生がメインで書かれているところが大きな違いです。どちらいいとかはなく、一つの事柄を違った側面で見ることができる点でオンリーワンの教科書であると感じました。

また、柳下本に比べると厚みはその半分程度であり、持ち歩きや初学者の通読に向いていると感じました。実際、私もあまり時間をかけずに通読することができました。

以下良いと思ったところを列挙していきます。

・柳下本に比べて軽く、通読・初学者に向いている。
・単純写真やミエログラフィー・移行椎・術後変化など、教科書にまとまっていないが、実臨床でよく使う知識がまとめられている。
・コラム的な”ノート”のシェーマが非常に綺麗で分かりやすい。
・従来の教科書より”分類”が多く書いてあり、リファレンスとしても使用ができそう。

こんな使用場面に向いていると感じました

・脊椎、脊髄の初学者の通読、1冊目に読む本
・日常臨床で使用する脊椎、脊髄の知識を復習したいとき
・分類参照のリファレンス

そもそも骨軟部目線で脊椎脊髄疾患をまとめたという、和書では初の本であり、素晴らしい本であり”買い”です(私も献本もらうまでAmazonで予約してました)。

より詳細な情報が知りたい場合や、神経系の先生のinsightが欲しい場合は"柳下本"がおすすめされ、2冊を読むことにより文字通り脊椎のエッセンシャルに近づき、エキスパートになれると思いました。

この2冊は競合ではなく、併存しうる書籍と感じました。

今後もいい和書の教科書をたくさん作ってください。
著者の先生、MedSi社さんありがとうございました。

現在、放射線科研修読本を8月末に刊行予定で執筆編集しています。
こちらも随時宣伝していきますので、一緒によろしくお願いいたします。


https://note.com/luna_radiology/n/n9ebb36472b73

画像診断を中心とした医学系の記事を投稿したいと思っています。よろしくお願いします