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節約したければ、愛を見つけよう

普段どれくらい節約を意識していますか?
1円単位で管理はしていなくても、ジワジワと上がる物価と上がらないお給料でお金の使い方を見直そうと思い始めた人も多いのでは。

支出を減らそうとする時、してはいけないことが2つある。物欲を悪だと思うことと、むやみやたらと1円でも支出を減らそうとすることである。

①物欲を悪だと思うこと
金銭的余裕を持つには、支出を減らして収入を増やすしかない。これは事実だ。しかし、支出に直結するであろう物欲を悪いものとして排除するのは賢明ではない。

そもそも節約をして経済的に余裕を持つ目的は、欲しいものを買い、食べたいものを食べ、行きたいところに行くためである。欲を満たすために欲を抑えるのは矛盾しているし、その欲を悪として排除するならばそもそも節約する必要すらなくなってしまう。

また、これはダイエットでも共通することだが、我慢というのはいつか爆発してセーブした以上の反動が生じる。長期的な我慢は割に合わないどころか逆効果にさえなるのだ。

②1円でも支出を減らそうとすること
食品の値段が高騰すると、ワイドショーがスーパーで買い物をしている主婦にインタビューした様子を放映する。「野菜はここのスーパーが安いけど、お肉は駅の向こうの方が安いのでハシゴしてるんです。」と主婦は言う。物価高騰に負けじと家族のために家計を守る立派な主婦、いう偶像をお茶の間に流したいTV局からしたら最高の画である。

1つのスーパーで完結できる買い物を、グラム当たり10円安いお肉を買い求めて2km先のスーパーにも寄る。本当にそれは節約になるのだろうか?

時給換算したら割に合わない、という意見はよく聞くが、家事の対価として金銭をもらっていない主婦が買い物の時間を30分短縮したとても1円も儲からない。しかし、マルチタスクをこなし予測不能かつ突発的なな家族の要望に応えているにも拘らず大して感謝もされない主婦が、日々スーパーをハシゴするのは大変だし、疲れる。すると安く買えたお肉の横に3割引シールが貼られたプリンなんかが置いてあった日には「これだけ頑張ってるんだからこれくらいいいわよね」と節約のためだった行動が予定外の出費の動機づけになることだろう。

では節約するためには何をすればいいのか?それはタイトルのとおり、愛をみつけること、すなわち何に大してお金を使いたいかを明確にすることである。減らすべきものから考えると、何もかも減らすべきと思ってしまいがちだが、お金をかけたいところが決まればそれ以外を削るモチベーションに繋がる。

私の場合、食べることと教育には惜しみなくお金を使うことにしている。敢えて「食べること」と書いているのは単に食費ではないからだ。私が食に重きを置いているのは、単純に美味しいものを食べることが好きであることに加えて、自分の身体は自分が食べたものでできている、という意識が強い。だからジャンクフードはもちろん、裏の原材料表示を見て身体にマイナスな影響を及ぼしそうなものは買わないし、出先でとりあえず何かが食べたいと思って適当なレストランに入ることはしない。外食は空腹かどうかに関係なく純粋に行ってみたいと思えるレストランに行くし、食材も自分の身体の一部になることに抵抗のないものだけを買う。当然食費全体として安くはならないが、明確な基準があるため漠然と高いわけではく、自分自身が納得し、満足感の高い消費となる。

教育費については子供を持つと決める前から糸目をつけまいと強く思っていた。子供が私立の医学部に行きたいと言っても、NYに一人暮らししてアメリカの大学に通いたいと言い出しても、金銭的理由で却下することは絶対に避けたいと思っている。それもあって(分娩の苦痛を再度味わいたくない気持ちも多分にあるが)子供は一人と決めている。

もっと具体的な例を挙げると、私は紅茶が好きである。定期的に紅茶専門店で茶葉を取り寄せるくらい大好きだ。コーヒーも好きではあるものの、紅茶に愛を持ってお金を投じると決めているので、何の気なしにコーヒーを買うことはしない。また紅茶は紅茶専門店で好きな茶葉を買ってお気に入りのポットとカップで愉しむのが最高の贅沢だと思っているので、その楽しさは知っていてもカフェ巡りはしない。

このように、自分は何が好きなのか、何に愛を持っているのか、もっと突き詰めれば何を愉しむために生きているのかを考える。するとお金のかけるべきところがハッキリと見えてきて、自ずと削れるところが浮き彫りになる。節約自体が目的になってしまっては人生の目的を見失いかねない。自分の愛はどこにあるのか、何に捧げたいかを考えて生きよう。

最後に記事に直接関係はないが、最近読んだお金に関する面白かった本をご紹介。

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