「違国日記」あんまし好きじゃなかった

アマゾンのプライムリーディングで無料だった二巻目まで読んで、すっごい好みだと思ったのに読み進めるにつれて好きじゃなくなった、という感想を以下にしたためます。

この漫画は、私の分類でいう「気づき系」で、人々が日々無視している、あるいは慣れてしまった違和感や、「こうしなければならない」という世の中から刷り込まれた意識を、主人公が人間関係の中で解いてゆくストーリーだと思いました。
なので、最初の二巻には驚かされたというか、はっとする言葉が多かった。主人公(高校生)と叔母のやりとりがメインで進んでいくのですが、この叔母が小説家という設定もあって、主人公に諭す言葉の使い方が独特で、特にそこが気に入っていました。

これは!!と思って続けて三巻、四巻、と読み進めるのですが、段々おっくうになる点が出てきました。
それは、「キャラクターが立っていない」ところです。個性がないわけではないんだけど、輪郭が曖昧に感じました。
そして、セリフが全員くどい。叔母の言い回しが独特なのは小説家たる所以だろうと納得できるけど、叔母の友達や、はては主人公のクラスメイトまでもが言葉が固いのには違和感がありました。そういったことにつまづくたびに、作者の顔(知らんけど)が頭に浮かぶのです。多分書いた人が通った高校は偏差値高かったんかなぁ、とか、めっちゃ本を読むひとなんやろなぁ、とか。そういうの、私は興醒めしてしまう。

まとめると、この作品は小説よりも自己啓発的な側面が強いため、キャラクターやこまごました設定は作者の伝えたいテーマ(生き方や思考のプロセス、他人との関わり方)を物語っぽくまとめるための舞台装置、という感じがしました。作者も、ネットのインタビューでこの漫画のことを「小うるさい話」と表現しています。だから、客観的にもこの漫画が高評価を得ているのは納得できるのです。この漫画が網羅するテーマに共感する人や、叔母が他人と関わる姿勢に胸打たれた人もいるだろうし、その言葉に感動した人が多くいることは、想像できます。
私は、舞台装置感の強さに「そうはならんやろ」と何度もつっこんでしまったので、最終巻まで読んだけど好きになれませんでした。

あと、叔母が「コミュ障」として書かれてたのに他人とちゃんと会話できるまともな大人だったことも納得できない!!くそー!!!

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