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リサーチ|フィンランドデザイン

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lumikkaによるリサーチをまとめています。私たちのショップで取り扱っているARABIAやIittalaのヴィンテージアイテムを中心に、情報と写真のアーカイブを行なっています。
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記事一覧

ボヘミアガラスの歴史

2024年の夏、ガラスの歴史をさらに深く知るためにチェコのヤブロネツとヴェネチアのムラーノ島を訪れました。どちらも、長い歴史と伝統を持つガラス工芸の町で、ヤブロネツではボヘミアガラスが、ムラーノ島ではヴェネチアガラスがつくられています。 私たちはこれまで、フィンランドガラスのリサーチを継続的に行ってきました。フィンランドは戦後のガラスデザインにおいて世界的な成功を収めましたが、その一方で「ガラス」そのものの歴史調査は他の地域に比べると浅く、考古学的な視点からフィンランドガラ

フィンランドガラスの歴史

フィンランドのヴィンテージガラスをショップで販売するにあたり、私たちは現地の美術館やヴィンテージショップ、展示会や文献資料をもとに継続的なリサーチを行なっています。 今回は、フィンランドガラスの歴史をご紹介していこうと思います。少々長い文章となりますが、理解がしやすくなるよう写真を多めに、かつ複雑な部分を省略しながらまとめています。また、トピックごとに章で区切っているのでお好きな部分からどうぞご覧ください。 写真と情報について – 本記事に掲載している写真はすべて現地の街

Botanicaシリーズ 番外編

エステリ・トムラによりデザインされ、1978年から1987年にかけてArabia社で製造されたボタニカシリーズ。 フィンランドの野花・ベリー・バラからなるボタニカシリーズは全部で「55種類」と、以前noteでご紹介しました。 参考文献:『ESTERI TOMULA ARABIA 1947-1984』Designmuseo, 2004 しかし、 実は、55種類のほかにも限定生産された絵柄がいくつか存在していて、そのうちの一枚を入手することができました。リサーチの参考とし

Botanicaシリーズ

エステリ・トムラ(Esteri Tomula)によりデザインされ、1978年から1989年にかけてArabia社で製造されたボタニカ(Botanica)シリーズ。小ぶりなプレートに描かれるのは、フィンランドの大地に佇む野生の植物たちです。 まるで植物図鑑のように描かれたこちらのシリーズは、フィンランドでも日本でも根強い人気があり、コレクションアイテムとして人から人へと巡り、愛され続けています。 私たちlumikkaはこの美しいシリーズに魅了され、オンラインショップをはじめ