同調率99%の少女(27) :神通の後悔と決意
五十鈴たちの様子を遠巻きに見ていた神通は、何も行動できずにただボーっと海上に佇んでいた。数歩分後ろで五月雨も同じようにしている。
「あ、あぁ……五十鈴さん、妙高さん……名取さん!」
「あ~~、あ! 危ないです! ねぇ神通さん!助けに行かないと!」
五月雨の悲痛そうな感情が多大に込められた懇願が耳に飛び込んでくる。神通はそれに答えたかったが自身の慢心から来る判断ミスでこの状況を招いてしまった悔いが、我が身をギュッと縛り付けているようで救援の一歩を踏み出すことができない。