最後の夕日に会いに
いつから始めて、何がきっかけかも忘れてしまったが、大晦日には夕日を見に行くことを常としてきた。
初日の出や、元旦の初詣には興味がない。
最後の夕日を見送ってから、家に帰り、少しだけ酒を飲んで、テレビを観る。
NHK の「ゆく年くる年」を見て
(最近はテレ東の「東急ジルベスターコンサート」に変わったが)
床につく、という流れになっている。
子供の頃から「大晦日」という響きが好きだった。
晦日、というのは「三十日」であり、大晦日はその年の最後の晦日の事だ。
元旦は楽しかった。
どこか空気が澄んでいるような冷たさの中、近所の母方の実家に年始に出掛けた。
お年玉をもらって、お節料理を食べた。
楽しい一日ではあったが、それはすぐに終わってしまう時間でもあった。
どんな時でも、始まる前が一番楽しい。
期待に胸膨らませ心待ちでいる、その前日の高揚感は、高齢者になろうとしている今であっても、変わること無く楽しいものだ。
例えもう、あの元旦の日が訪れることが無くなってしまったとしても。
それでも日は沈み、そしてまた昇る。
#年末の過ごし方
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?