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2024/6/19 朝だけきしむ自転車

俺の自転車はきしむ。めちゃめちゃきしむ。実写版姑獲鳥の夏のいしだあゆみみたいな音出す。すいません誇張しました。あのシーン大好きなの。
でも帰り道ではうんともすんとも言わない。なんでだろう。

いつもこの現象について「よし、会社に着いたら検索してみよう」と意気込むのだが、いざ着くと忘れている。検索するまでもなく、単に油を差せばいいだけなのだろうが、朝限定というところが気になる。気温が低いからかなとも思ったが、真冬でも同じだった。朝だけ鳴って、夜は鳴らない。

こないだ倒れて入院してた母が退院したので快気祝いに刺身を買って実家に行った。病み上がりで糖尿持ちの母に食わせていいものは少ない。生ものは大丈夫なのか?とも思ったが、最悪茶漬けにでもすればいい。

実家に着いた。ゴミ屋敷に片足突っ込んでた。足の踏み場が明確に狭い。前回来たのは半年前くらいだったか?昔からモノをため込みがちな母、高校時代から汚部屋オーナーだった姉、口だけで家事は何もしない綺麗好き親父。ずっと片鱗はあったが、ここまで酷くはなかった。多分応急処置をする気力すらなくなったのだろう。俺も実家住まいの時の部屋はめちゃめちゃ汚かったが、家を出てからは諸般の事情で毎日掃除機とクイックルワイパーをかけられる真人間になった。外から見ないとこの異常性には気づけないのかもしれない。

さすがに汚物や生ごみの類はなかったし、明確な「ゴミ」であふれているわけではない。とにかくありとあらゆるモノが散らばっている。服、雑誌、日曜品、わけのわからん雑貨、おみやげの人形、写真のネガ、なんとか会の月謝払い用の茶封筒、裏庭の花の写真、「法事」とだけ書かれたラベルが貼ってある8ミリテープ(怖い!)、何も入ってない写真立て、竹の定規、ワニの人形がついたインクの出ないボールペン、ラジコンのリモコン、何が入ってるのかわからない黒い瓶(くさい)。モノが多すぎる!

おれんち、フェイクドキュメンタリーQで今すぐセットに使えそうだなあ。

母は和室で寝ているらしい。覗いてみると、着ているところを見たこともない、ほこり臭い服、服、服!!!商店街の服屋の倉庫もかくや、その奥に服の山に半分飲まれた簡易ベッドがあった。

夫婦の寝室で寝ていると思っていた。西川のマットレスが乗った、立派なツインのベッドがあったろ。二階へ上がり、寝室に入ってみた。母のベッドには父のまだ包装されたYシャツが散らばっている。そのわきにはライターに灰皿。

自分のベッドに腰かけて、母のベッドに置いた灰皿に灰を落とす父を想像して落ち込む。出窓のふちには俺が中学生の頃に使ってたCDプレーヤーが置いてあった。夏川りみのCDが入っている。涙そうそうなのはこっちだよ。

まだ三十代の姉が同居しているのにこの状態は何なんだろうか?

だがこういう時、家を出た人間が言えることは少ない。というか無い。
言っても逆上されるだけだし、逆の立場だったら逆上する自信がある。
言えることは少ないが、出来ることは山ほどある。
でもみんなそれが一番面倒くさい。

父は定年をとっくに過ぎているが、まだ会社勤め。趣味は畑仕事に養蜂だ。精神的なことを置いておけば家を片付ける体力なんて十分に残っているはずだ。いつも台所の汚さを缶ビール片手に嘆いていたものだが、台所にはアンタが飲みかけのまま放置した缶に蠅がたかっているんだ。風呂も時々入らないし。昭和世代は時々風呂をサボる。これは今言わなくていいか。

姉は普通にバリバリ働いているし、業界誌に寄稿したりもしている。俺とは違い、責任感と情熱をもって仕事に取り組んでいるえらい人間だ。あと二時間したら退勤!まずはウンコして十分削って…!とか毎日考えてる俺とは人間としての格が違う。給料も俺の倍は稼いでいるはずだ。釣りが趣味の彼氏もいる。母が倒れたときも姉がたまたま休みだったので助かった。あの時誰もいなかったら死んでいたらしい。それはもう本当に感謝しかない…んだけど…

そう、うちには認知症で寝たきりの老人もいなければ、精神を病んだひきこもりの中年もいないのである。しいて言えば母がそうなのかもしれない。住宅ローン残高を聞いてみたら、おれの貯金残高より少なかった。…生活に困窮もしていない。

・・・掃除しろやお前ら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!バカ野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

こんな家でずっとおるから病むねん、もうすぐ転職するし有休消化期間に手伝うから、大掃除、断捨離しょや!と提案した。してしまった。

使っていない家具や衣類、鍋、トラック1台ではきかない量の不要物の山。そもそも汚部屋オーナーの資質がある姉、口だけの父に挟まれ、自らも買い物依存のケがある母は疲れてしまったのだろう。

それでも家族みんなが、まだ自分の足で動ける。
今のうちに何とかしないとやばいのは間違いない。
年貢の納め時が来たのだ。そんな話をした。

母ちゃんは犬を飼いたいらしい。いいね!(バカ息子)


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