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加工食品業界


こんにちは!

業界地図オフ会を主催している、おしばと申します。

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【業界地図オフ会とは?】

業界地図は一人で読むのも楽しいですが、業界に属する企業まで掘り下げるのはなかなか難しい…。

そこで、何人かで調べてきたことをシェアし合えば、いろんな視点で業界を知ることができるのでは?と始めた勉強です。

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知識のgive and takeで成り立っている勉強会なので、いつも学びがあってとても楽しいです^^

【7月のテーマ】

さて、今月のテーマは…

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結構幅広いので、主に下記カテゴリーです。

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今回の業界地図オフ会では、101番をベースに気になった企業について、お互いに調べたことをシェアしました。

【岩塚製菓】

加工食品業界の中でも、私は、、、

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岩塚製菓についてシェアしました!


私は料理や甘いものが苦手なので、よく食べる米菓に注目しました!

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やはり首位は柿ピーでおなじみの「亀田製菓」さんですね。

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各社の看板商品でイメージすると分かりやすいでしょうか。

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三幸製菓さんは上場していないので、財務情報が分かるのは2社のみでした。

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この2社と業界全体を調べていて驚いたのは岩塚製菓の純利益率の高さです。

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各カテゴリーの首位企業と比較しても非常に高い純利益率ですね。


でも損益計算書を読んでいる中で気になったのが、営業利益率との乖離です。

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「本業以外でどんだけ稼いどんねん!」と興味を持ったことが、今回調べたきっかけでした。


その秘密を読み解くカギは…

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そういえば、業界地図にも謎のグループが書かれていました。

(台湾の野球選手でよく見る漢字なので、旺(わん)と読めた野球好きな私っっ

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HPを見てみると、総合食品メーカーだそうで、お菓子のみならず、飲料や酒類も製造販売をしている企業のようです。

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そして、岩塚製菓との関係も書かれていました。

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「岩塚製菓との出会いなくして、今の旺旺グループの発展はないと言っても過言ではありません」

だなんて、いったい何があったのでしょうか…?


ということで、両社の歴史をひも解いてみましょう。

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(向上心高そうな旺旺グループのキャラクター好きです


まずは岩塚製菓から!

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まさかの飴からスタートしていました。
そして「岩塚」製菓という社名は、てっきり創業者のお名前かと思いきや地名でしたね。


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事業の成績不振から、米菓事業へと乗り出したようです。

何年もかけて米から学び、ようやく商品が世に知れ渡るように。

「お子様せんべい」と並んでロングセラー商品となっている「味ごのみ」は米菓メーカー「岩塚製菓」として定着する大きなきっかけとなった商品です。


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今は輸入原料を使った米菓もよく見かける中で、「米菓」と名乗るならば、おいしい「国産米100%」を貫くぞという信念とこだわりを感じます。

岩塚製菓の商品は、無限に食べてしまうほどすごくおいしいんですよね。


この「こだわり」こそが岩塚製菓と旺旺グループとの縁に繋がります。

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家業を継いだ現在も代表を務める蔡社長。
日本には仕事でよく来ていたそうです。


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当時は缶詰事業がなかなか上手くいかず、なにか新しい事業はないかと模索していました。

そこで海外食品を取り寄せては試しに食べていた蔡社長、運命の商品である岩塚製菓の「サンフレンド」に巡り会います。


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「この商品をぜひ台湾で展開したい!」と思った蔡社長は、当時の岩塚製菓槇社長に猛アタックを繰り広げます。その月日3年…!


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打診される2,3年前にタイ進出に失敗している岩塚製菓は、そのうち諦めるだろうと思うほど消極的に考えていたようです。


それでも蔡社長は諦めません!

とうとう来日し、「今日本にいる」と連絡をし、半ば強引に面会したことをきっかけに技術提携の話が進むことになります。

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上記には書ききれませんでしたが、岩塚製菓から技術指導員を駐在させるなどたくさんの条件を守れるのであれば技術提携すると伝えたところ、2つ返事で「やります!」と蔡社長は答えたそうです。


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両社ともに
・品質へのこだわり
・実直に事業に取り組む姿勢
・ピンチを乗り越えるアイテム”米菓”
という共通点があったからでしょうか、無事に技術提携がスタートしました。

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今でも恩と縁を大切にしているようで、毎年先代の槇社長の命日付近に来日しては仏壇に手を合わせるとは…

台湾では有名なお金持ちとして知られる蔡社長ですが、恩を大切にし続ける人間性にとても惹かれました。

そして岩塚製菓との技術提携をきっかけに、旺旺グループは米菓の世界生産ランキングNo.1企業となります。

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最初は岩塚製菓の高い技術力と、事業不振企業の株の交換から始まった両社。

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企業の成長とともに、紙切れになる可能性のあった株も価値を上げていきました。

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今では、旺旺グループの大株主となっている岩塚製菓

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損益計算書(通称P/L)を見ると本業(米菓の製造販売など)と本業以外(保有している株式の配当金など)の金額が分かります。

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岩塚製菓のP/Lを見てみると、配当金をたくさん受け取っていることが分かりますね。

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もはや利益のほとんどを占めているのは、旺旺グループをはじめとする配当金です。

歴史を知るとこの配当金への印象が変わりました。。。(恩返しとしての配当金に感動っ


ということで、

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国内では米菓メーカー3位ですが、100%国産米にこだわりおいしい商品を提供し続け、海外では強固な関係を持つ巨大グループとともに事業を拡大中する岩塚製菓。

社長の人間性、決断力、財務のすべてが詰まったこの2社のエピソード、とても感動したのでシェアさせて頂きました!


また、利益の見方に関しても勉強になりました。

本業で稼ぐ力を表す「営業利益」は大切な指標ですが、岩塚製菓のように「本業以外(配当金)で稼いでいる企業」や、京成電鉄のように「同グループのオリエンタルランド(夢の国の会社)の利益が経常利益に反映される企業」もあります。

営業利益率だけで企業の稼ぐ力を判断せず、企業の特徴をひも解くことって大切だなと思いました。


以上、加工食品業界まとめでしたー!

次回はいよいよ会社四季報 業界地図2021年版の発売月!

ということで、発売記念オフ会にします!

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詳細はTwitterで告知させていただきますので、お気軽にフォローしていただけると嬉しいです^^


#業界地図 #勉強会 #読書会  





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