塩のかけら

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マガジン

  • ごんべん に 寺で、詩

  • 脳が逝っている時の文章

    自分でも、何を言っているのか半分くらい分かりません。だから好きです。

最近の記事

さあ、散文

今から書くことはそう、とりとめもないことだけど 愛憎入り混じる世界だけど 魂を叫ぶ言葉は枯れちゃいない  言葉に生かされ 言葉で傷つけ 言葉をまさぐる日々 最近思うのは  どうせ皆何かしらで武装して真実を包み隠してるし 見ざる聞かざる言わざるのノンポリには反吐が出るから それならいっそ、無色透明のラッピングの方が愉快ってこと 軽くて重い、そんな人間性に軍配あがるってこと おまえの冷笑スタンスなんて誰も見ちゃいない ダサい以前の問題 斜に構えるな ナイーブな奴ほど信じてないフ

    • 非潜水思考

      君が隣にいたから この間観た映画はぼくの硬化した心臓の皮に跳ね返された トランス状態のセックスをしよう ぼくは潜り込み、涙を流す 君の言葉なんかこれっぽっちも好きじゃないけど 胎児のように眠り続ける背骨は愛おしい その黒々とした睫毛 純粋は悪だと誰かが言ってたっけ 心優しき極悪人 魂の戦争があるらしい 僕はいつも怯えている 延命のような生命を描き続ける今 どいつもこいつも口だけは上手い 僕の思考を震わそうとするそんな不誠実さが嫌いだから 心臓の琴線をぶった切って歯向かおう

      • 成熟だけが正義かのように振る舞うあらゆる嘘から、あなたを守ってあげる

        • だれかのいちばんになることがしあわせなんだ、みたいな、そういう幻想と妄言に惑わされて自分にとってのほんとのしあわせが霞んで、 なくてもよかったはずの欲が、自分の首を絞める。じわじわと。 浮遊したいだけだった。種を蒔きたいだけだった。思い出されたいだけだった。

        • 成熟だけが正義かのように振る舞うあらゆる嘘から、あなたを守ってあげる

        • だれかのいちばんになることがしあわせなんだ、みたいな、そういう幻想と妄言に惑わされて自分にとってのほんとのしあわせが霞んで、 なくてもよかったはずの欲が、自分の首を絞める。じわじわと。 浮遊したいだけだった。種を蒔きたいだけだった。思い出されたいだけだった。

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        • ごんべん に 寺で、詩
          12本
        • 脳が逝っている時の文章
          8本

        記事

          アイスグレー 

          おはよう世界 うっすらと膜を張ったみたいな絶望が 少しずつ何かをすり減らしていくのだとしたら 未熟でも優しかったいつの日かにもどりたい 物分かりのいいフリをして背伸びばかりしていたら  せかいの色とか寂しい人とか脆いものとか そういうものが本当は大切で こう在りたいとかこうあるべきとかそんなものよりよほど尊かったということを もうあまり思い出せなくなってしまったんだ 知れば知るほど 馴染めば馴染むほど 昔好きだった言葉を忘れてゆく もういい加減、自分を解き放してゆるしてあ

          アイスグレー 

          今日も世界は終わらなかった

          今日も世界は終わらなかった

          メロディ喪失歌

          歯を磨いたから飲めなかった一杯のコーヒーとか 席替えのたびに消さなくちゃいけなかった落書きとか 守りたいものなんて何もないのに 失うものばかり小さく積もっていく気がして 中途半端に知ったせいかな 振り切る才能すらないからかな 一枚の紙で切ってしまった指みたいな ちっちゃな痛みが 知らないうちに重なっていく気がして 自分の抱えているものなど ちっぽけだと言い聞かせるほど 心がかすかに軋む音がする 渡せなかったものとか 言えなかったこととか 叶わなかった口約束も 素直になれな

          メロディ喪失歌

          「この世には二種類の人間がいるの。『これをやってみたいな』という願望だけでとどめられる人と、その願望を本当に実行にうつしてしまう人。両者の出発点は同じだから、一見すると彼らはとても似ているように見えるんだけど、実はその間にはものすごく大きな溝が横たわっているのよ」

          「この世には二種類の人間がいるの。『これをやってみたいな』という願望だけでとどめられる人と、その願望を本当に実行にうつしてしまう人。両者の出発点は同じだから、一見すると彼らはとても似ているように見えるんだけど、実はその間にはものすごく大きな溝が横たわっているのよ」

          私といて寂しくないの?と聞いたら、彼は本当にわからないといった表情で「なんで?」と聞き返してきた。 そうか、この人とは孤独の感じ方から寂しさの埋め方までなにもかも違うのだ、と、その時強く思った。

          私といて寂しくないの?と聞いたら、彼は本当にわからないといった表情で「なんで?」と聞き返してきた。 そうか、この人とは孤独の感じ方から寂しさの埋め方までなにもかも違うのだ、と、その時強く思った。

          断片

          私の胸には、常に埋まることのない空白が存在している。 それは虚しさや痛みとも微妙に異なる、とても静かで広大な空間だ。 彼と初めて会った時、私は彼の胸の内にも同じ気配を感じ取った。 それは私のものとよく似ていた。 とても穏やかで、永続的な孤独だった。 私たちは本当に自然だった。そこに選択肢などなかった。 全てが摂理という摂理、流れという流れに美しく寄り添っていた。 全ては用意されており、私たちは互いに漂いながら、目の前に現れた軌跡をなぞっているに過ぎないとすら思った。 唯一

          海と白骨

          私が死んだら、この白骨は海に撒いてほしいの よく晴れた秋の日に 真っ青な空と海を切り裂く白波にもみくちゃにされたら、きっと今まででいちばん美しいでしょう 最小単位に還った私は、広大な海と一体になる 肉体がそこになければ、どこまでも自由に巨大に漂って 区別も分断もない世界でどこまでも巡っていけるの 海になったら全てを溶かしてあげるわ 水平線を見つめる全ての人々の眼差しを、物語を、記憶を、哀しみを 満ちたり引いたりを繰り返しながら、永遠に続く曲線を描いて 私は私を離れているか

          「話す」ことを、信じたい

          昔から「話す」という行為が苦手で、話し言葉よりも書き言葉を偏愛する癖が根付いてしまった。 明確な理由やきっかけは分からない。 ただ、言葉の限界性を実感する経験が幼い頃から少しずつ蓄積されていった結果、徐々にこのような性格が形作られていったのだと思う。 その原点には、ある意味 "恐れ"にも近い感覚が存在している気がする。 言葉という移ろいやすいもので本心を包み込んだとき、本当に伝えたいことが思った通りまっすぐ届けられない恐怖。自分の思いが、意図せず薄まったり浅くなったり尖った

          「話す」ことを、信じたい

          9月に祈る

          秋の空は、澄んだブルーがくっきりと反射していて、白いビルとの境界線が息を呑む美しさだった 次に待ち構えている季節をわずかに含んだ空気が好き。それは予感であり再生だから 浮き足立った春の陽射しや、騒々しい夏の日々を乗り越えて、私たちはまた出会い直すことができるだろうか。 変わらない名前と変わらない身体を付き合わせて、寂しさが静かに美しく呼応するこの季節で、また二人だけの新しい物語を紡げるだろうか。 抑えることのできない何かが心に侵入してくるのを知りながら、あなたは目を瞑っ

          マスク越しの存在を確かめるように、私はその鼻をなぞった。やわらかな唇に触れた。ひとつづつ大切に、あなたの骨を記憶の輪郭に当てはめていくみたいに。

          マスク越しの存在を確かめるように、私はその鼻をなぞった。やわらかな唇に触れた。ひとつづつ大切に、あなたの骨を記憶の輪郭に当てはめていくみたいに。

          一瞬、きみと交わった その僅かな隙間からこぼれ落ちた想いは、あなたが変わったあとも、私が変わったあとも、確かにこの胸の中で息づいている 私の内側で芽吹いて、いつか見知らぬ誰かを生かす言葉になる 終わりは、始まりを無に帰さない

          一瞬、きみと交わった その僅かな隙間からこぼれ落ちた想いは、あなたが変わったあとも、私が変わったあとも、確かにこの胸の中で息づいている 私の内側で芽吹いて、いつか見知らぬ誰かを生かす言葉になる 終わりは、始まりを無に帰さない

          「生きるためよ」と、すっかり現実的になった女は呟いた。 すだれのように長い睫毛だけが、昔と同じように瞳に影を落としていた。

          「生きるためよ」と、すっかり現実的になった女は呟いた。 すだれのように長い睫毛だけが、昔と同じように瞳に影を落としていた。