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有名企業に勤めているのに家なき子になった話〜第4話〜

次の日、会社に出社した私は
早速昨日あった出来事を
先輩に相談しました。

実は私が受けた仕事は、
上から直属のトップダウン案件だったらしく

「それは営業の仕事ではない」

と言っていた、
元夫の意見も一理あったようで
今後どうしていくべきなのか
上長も交えて話合っていくこととなりました。

仕事か恋人か。

極端にいうと、どっちを選ぶのか
という話にもなってきます。

でも、私には
どちらも選べませんでした。

「なぜ、彼女が頑張ろうしていることを、素直に応援できないのだろう?」

「なぜ、仕事を真面目にしようとしているだけで、こんなに怒られないといけないのだろう」

私の中で、納得できない怒りと
悲しさがあったのは事実です。

最終的には、サングラスをかけて
プロモーションに登場するキャラクターに
寄せて顔出ししない。

任期は本当に
プロモーション期間である数ヶ月だけ…

など、色んな条件を立てた上で
その仕事をやらせて頂くこととなりました。

でも、その条件を決めるまでも
長い道のりがありました。

何をするにしても、
その仕事が関わると文句をいう元夫。

怒られたくない一心で
その都度なんとかしようと
動いてみる私。

そして、しまいには
元夫は私の担当上司に
直接文句を言いにいく始末。

(当時、私と元夫は同じ会社で働いていました)

業種的なところもあるでしょうが、
今から考えると、
私情に耳を傾けてくれていた上司の皆様の
なんと寛大だったことだろうと
感謝しかありません。

「何もなくやっていれば、私はもっと頑張れた」

当時のことを思い出すと、
今でも少し残念な
気持ちになることがあります。

でも、そんなことがあっても、
私は彼と別れることは
ありませんでした。

【 すでにお互いの力関係は出来上がっていた 】

そのように説明したことがありましたが、
当時の私は「それが普通」だと
感じるくらいには
少し感覚が麻痺してきていました。

私は甘やかされて育ったからか、
両親が穏やかだったのか

「叱られた」ことはあっても
「怒られた」ことはありませんでした。

怒りをぶつけられたとき
その人がどういう反応をするのかは
人によるとは思いますが、
私の場合は「萎縮」してしまいました。

なぜこの人はこんなに
怒っているのだろう?

元夫が怒っている理由は
いつもわかりませんでした。

でも、喧嘩はしたくない。
そして、怒られたくない。

だから怒られている理由は
分からなくても、謝ってしまう。

怒らして、責められて、謝って...

これが何度となく
繰り返されていきます。

私は徐々に、
マインドコントロールのような状態となり

「私がどうしたいのか」

ではなく、

「彼を怒らせないようにはどうするか」

という風に行動を
起こしていくようになりました。

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