ぼくのオランダ語入門 1 文字と発音

今回もほしい物リストからの本のプレゼントがきっかけとなった企画です。

小野信也さん『講談社オランダ語辞典』を頂きました。辞書は眺めるだけでも楽しいものですが、オランダ語を勉強しているわけでもないのにオランダ語の辞書を頂いてしまうのは恐縮なので、少しだけオランダ語を勉強してみることにしました。

この記事では、ぼくがオランダ語の文字と発音をある程度マスターすることを目指します。この記事を書くことを通じて、オランダ語の音韻において区別されているものを理解し、一部の例外を除いて、綴りを見て読めるようになるのが目標です。

子音と母音に分けて取り上げて、最後には「きよしこの夜」をオランダ語で歌えるようになる、というところまで、欲張って1つの記事にまとめました。

なお、オランダ語は方言差がけっこうあるので、それぞれの厳密な音声にこだわっていてはかえって本質を見失ってしまいます。そのため、何が区別されているかを示す音韻表記(// を使います)をまず挙げた上で、ぼくがどう発音することにするかを音声表記([] を使います)で挙げることにします。

音韻表記の方は、オランダ語を学習するすべての方にそのまま参照していただけるものとして考えていますが、音声表記の方は、必然的に恣意的なものになります。主に北部(≒オランダ)の発音を採用していますが、母語話者が使う発音の中でぼくにとってどれが楽か、という基準も入っています。

子音① 簡単なもの

まずは、ほぼ問題なく読めるものをおさえてしまいます。

m /m/, n /n/, ng /ŋ/, p /p/, t /t/, k /k/, b /b/, d /d/, f /f/, s /s/, z /z/, h /ɦ/, l /l/, x /ks/ は、英語などから想像されるのと大体同じような発音です。

ただし b と d は、語末では(ドイツ語と同様に)無声化して /p/ と /t/ になります。

また語末の -en において、(中英語と同様に)/n/ が脱落して、/ən/ ではなく /ə/ と発音されることがあります。しかし脱落してはいけない場合もあって複雑なので、ぼくは常に [ən] と発音することにします。

h /ɦ/ は、無声子音 /h/ に対応する有声子音です。ただし [h] と発音する話者もいるということなので、あまり気にする必要はないようです。

あと1つだけ、ちょっと面倒なものをここで挙げておきます。

r /r/ は、日本語のラ行に近い [ɾ] か、ドイツ語やフランス語の r でも使われる [ʀ] や [ʁ] と発音されます。母音の後では英語の r に似た [ɹ] になったり、ドイツ語の長母音の後のように母音化して [ɐ] になることもあります。[ɾ] が最も標準的な発音とされているようなので、([ʀ, ʁ] にすると後述する /x, ɣ/ との区別が難しくなることもあり、)ぼくは一旦全部 [ɾ] と発音しておくことにします。

母音① 13の単母音

オランダ語には13の単母音があります。これらは7つの緊張母音 /i, u, y, e, o, ø, a/、5つの弛緩母音 /ɪ, ʏ, ɛ, ɔ, ɑ/、1つの曖昧母音 /ə/ に分けられます。

便宜上、オランダ語では(原則として)使われない2つの弛緩母音 /ʊ, œ/ を含めると、緊張母音と弛緩母音の7つのペアを作ることができます。

○狭母音(緊張母音)と広めの狭母音(弛緩母音) 3ペア

・緊張母音 /i/ cf. 英語 heat /hiːt/ ※狭いイ
・弛緩母音 /ɪ/ cf. 英語 hit /hɪt/ ※広いイ

・緊張母音 /u/  cf. 英語 fool /fuːl/ ※唇を丸めた狭いウ
・(弛緩母音 /ʊ/) cf. 英語 full /fʊl/ ※唇を丸めた広いウ

・緊張母音 /y/ cf. ドイツ語 fühlen /ˈfyːlən/ ※ /u/ の口で /i/
・弛緩母音 /ʏ/ cf. ドイツ語 füllen /ˈfʏlən/ ※ /ʊ/ の口で /ɪ/

○半狭母音(緊張母音)と半広母音(弛緩母音) 3ペア

・緊張母音 /e/ cf. ドイツ語 wen /veːn/ ※狭いエ
・弛緩母音 /ɛ/ cf.ドイツ語 wenn /vɛn/ ※広いエ

・緊張母音 /o/ cf. ドイツ語 Ofen /ˈoːfən/ ※狭いオ
・弛緩母音 /ɔ/ cf. ドイツ語 offen /ˈɔfən/ ※広いオ

・緊張母音 /ø/ cf. ドイツ語 Höhle /ˈhøːlə/ ※ /o/ の口で /e/
・(弛緩母音 /œ/) cf. ドイツ語 Hölle /ˈhœlə/ ※ /ɔ/ の口で /ɛ/

○広母音 1ペア

・緊張母音 /a/ cf. 日本語 朝 /aꜜsa/ ※前寄りのア
・弛緩母音 /ɑ/ cf. アメリカ英語 hot /hɑ(ː)t/ ※後ろ寄りのア

○中央母音 1つ

・曖昧母音 /ə/ cf. 英語 movement /ˈmuːvmənt/

母音② 長母音と短母音

英語とドイツ語の例を見ると、緊張母音は長く、弛緩母音は短くなる傾向があることが分かります。オランダ語にもその傾向があり、そのため緊張母音が長母音、弛緩母音が短母音と呼ばれることもありますが、実際の音の長さはそれほど単純ではありません。

以下の3つのルールにまとめることができます。

1. 弛緩母音5つ /ɪ, ʏ, ɛ, ɔ, ɑ/(と曖昧母音 /ə/)は、常に短く発音されます。 

2. 緊張母音のうち、狭母音3つ /i, u, y/ は、/r/ の前では長く発音されます。それ以外では短く発音されます。

3. その他の緊張母音4つ /e, o, ø, a/ は、アクセントがある場合は長く発音されます。アクセントがない場合は短く発音されます。

ただし、大麻 /taꜜima/ と タイマー /taꜜimaː/ が別の意味になる日本語とは違い、オランダ語においては長さのみによって区別されることはありません。つまり、長さよりも大事なのは音色の違いということになります。

なお、長い /e, o/ は二重母音化して [ei, ou] のように聞こえることがありますが、後述する二重母音 /ɛi, ɑu/ と区別するために、ぼくは [eː, oː] と発音することにしておきます。

母音③ 単母音の綴りの読み方 その1

ようやく母音の綴りの読み方に入ります。

まず、2文字で1つの緊張母音を表す以下の2つを覚えましょう。

oe /u/

boek /buk/ [buk] 本(単数)
boe‧ken /ˈbu.kə(n)/ [ˈbu.kən] 本(複数)
toer /tur/ [tuːɾ] 回転、ツアー(単数)
toe‧ren /ˈtu.rə(n)/ [ˈtuː.ɾən] 回転、ツアー(複数)

eu /ø/

neus /nøs/ [nøːs] 鼻(単数)
neu‧zen /ˈnø.zə(n)/ [ˈnøː.zən] 鼻(複数)
Eu‧ro‧pa /ø.ˈro.pa/, [ø.ˈɾoː.pa] ヨーロッパ

母音④ 開音節と閉音節について

他の単母音の綴り字の読み方に入りたいのですが、その前に音節、そして開音節と閉音節について触れておく必要があります。

音節とは何か、などとちゃんと説明しようとすると難しい話になってしまいそうなので、例を挙げてなんとなく捉えていただくことにしましょう。

まず英語の taping /ˈteɪpɪŋ/ という単語を考えます。

発音上の音節は、/teɪ/ と /pɪŋ/ の2つになります。/teɪ/ のように母音で終わる音節を発音上の開音節、/pɪŋ/ のように子音で終わる音節を発音上の閉音節と呼びます。

綴り字上の音節は、ta- と -ping の2つになります。ta- のように母音で終わる音節を綴り字上の開音節、-ping のように子音で終わる音節を綴り字上の閉音節と呼びます。

ta‧ping /ˈteɪ.pɪŋ/ においては、発音上の開音節・閉音節と綴り字上の開音節・閉音節が一致することが分かります。

次に英語の tapping /tæpɪŋ/ という単語を考えましょう。綴り字上は tap- と -ping に、発音上は /tæ/ と /pɪŋ/ に分けられます。

発音上の1つ目の音節 /tæ/ は、母音で終わるので、発音上は開音節です。一方で、綴り字上の1つ目の音節 tap- は、子音で終わるので、綴り字上は閉音節になります。

発音上の開音節・閉音節と綴り字上の開音節・閉音節が一致しないことがあるということが理解いただけたでしょうか。

ta‧pe /teɪp/ と ta‧ping /ˈteɪ.pɪŋ/、tap /tæp/ と tap‧ping /ˈtæ.pɪŋ/ と並べてみると、綴り字上の開音節では a は /eɪ/ と、綴り字上の閉音節では a は /æ/ と発音されていることが分かります。

オランダ語においても、母音を正しく読むには、この綴り字上の開音節・閉音節の区別が重要になります。

(なお、この記事では綴り字上の音節ごとに ‧ で分けて示しています。つながる英単語ノートで使っている分け方とは異なるのでご注意ください。)

母音⑤ 単母音の綴りの読み方 その2

以下、綴り字上の開音節と閉音節の区別が、綴りと発音の規則上大事になるものです。

a, aa

1. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、a緊張母音 /a/ として発音されます。
ma‧nen /ˈma.nə(n)/ [ˈmaː.nən] 月(複数)

2. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、a弛緩母音 /ɑ/ として発音されます。
man /mɑn/ [mɑn] 人、男(単数)
man‧nen /ˈmɑ.nə(n)/ [ˈmɑ.nən] 人、男(複数)

3. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、aa緊張母音 /a/ として発音されます。
maan /man/ [maːn] 月(単数)

ちょっと複雑に見えますが、一度理解してしまうと、以下の o, oo, u, uu は全く同じ仕組みです。

o, oo

1. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、o は緊張母音 /o/ として発音されます。
per‧so‧nen /pər.ˈso.nə(n)/ [pəɾ.ˈsoː.nən] 人(複数)

2. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、o は弛緩母音 /ɔ/ として発音されます。
rol /rɔl/ [ɾɔl] 役割(単数)
rol‧len /ˈrɔ.lə(n)/ [ˈɾɔ.lən] 役割(複数)

3. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、oo は緊張母音 /o/ として発音されます。
per‧soon /pər.ˈson/ [pəɾ.ˈsoːn] 人(単数)

u, uu

1. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、u緊張母音 /y/ として発音されます。
mi‧nu‧ten /mi.ˈny.tə(n)/ [mi.ˈny.tən] 〜分(複数)
u‧ren /ˈy.rə(n)/ [ˈyː.ɾən] 〜時間(複数)

2. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、u弛緩母音 /ʏ/ として発音されます。
zus /zʏs/ [zʏs] 姉、妹(単数)
zus‧sen /ˈzʏ.sə(n)/ [ˈzʏ.sən] 姉、妹(単数)

3. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、uu緊張母音 /y/ として発音されます。
mi‧nuut /mi.ˈnyt/ [mi.ˈnyt] 1分(単数)
uur /yr/ [yːɾ] 1時間(単数)

/u/ は既に見たように oe と綴るので注意しましょう。

i, y, ie

y は i と同じ扱いです。aa, oo, uu のように母音字を重ねる代わりに ie と書きますが、これは綴り字上の開音節でも使われることがあります。

1. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、i, y緊張母音 /i/ として発音されます。
i‧dee /i.ˈde/ [i.ˈdeː] アイデア(単数)
ty‧pe /ˈti.pə/ [ˈti.pə] 型(単数)

2. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、i, y は弛緩母音 /ɪ/ として発音されます。
blik /blɪk/ [blɪk] 見ること(単数)
blik‧ken /ˈblɪ.kə(n)/ [ˈblɪ.kən] 見ること(複数)
sym‧bool /sɪm.ˈbol/ [sɪm.ˈboːl] 象徴(単数)

3. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)および開音節(母音字で終わる)で、ie は緊張母音 /i/ として発音されます。
bier /bir/ [biːɾ] ビール(単数)
bie‧ren /ˈbi.rə(n)/ [ˈbiː.ɾən] ビール(複数)

e, ee

これも大体同じですが、4. として挙げた曖昧母音のケースに注意しましょう。

1. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、アクセントのある e は緊張母音 /e/ として発音されます。
pro‧ble‧men /pro.ˈble.mə(n)/ [pɾo.ˈbleː.mən] 問題(複数)

2. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)で、e は弛緩母音 /ɛ/ として発音されます。
bed /bɛt/ [bɛt] ベッド(単数)
bed‧den /bɛ.də(n)/ [bɛ.dən] ベッド(複数)

3. 綴り字上の閉音節(子音字で終わる)および語末の開音節(母音字で終わる)で、ee は緊張母音 /e/ として発音されます。
pro‧bleem /pro.ˈblem/ [pɾo.ˈbleːm] 問題(単数)
zee /ze/ [zeː] 海(単数)

4. 綴り字上の開音節(母音字で終わる)で、アクセントのない e は曖昧母音 /ə/ として発音されます。
al‧les /ˈɑ.ləs/ [ˈɑ.ləs] すべて

これで単母音の綴りの読み方はすべてカバーできました。

子音② その他の子音

ちょっと注意が必要な子音をまとめて挙げておきます。

j /j/ は、ドイツ語の j、英語の y と同じような子音です。
jaar /jar/ [jaːɾ] 年
Ja‧pan /ja.ˈpɑn/ [jaˈ.pɑn] 日本

c は、a, o, u と子音の前では /k/、e, i, y の前では /s/ と発音します。フランス語や英語と同じ規則です。
ca‧me‧ra /ˈka.mə.ra/ [ˈkaː.mə.ɾa] カメラ
e‧co‧no‧mie /e.ko.no.ˈmi/ [e.ko.no.ˈmi] 経済
ex‧cuus /ɛks.ˈkys/ [ɛks.ˈkys] 言い訳
pro‧duct /pro.ˈdʏkt/ [pɾo.ˈdʏkt] 製品
pro‧cent /pro.ˈsɛnt/ [pɾo.ˈsɛnt] パーセント
so‧ci‧aal /so.si.ˈal/ [so.si.ˈaːl] 社会の
cy‧clus /ˈsi.clʏs/ [ˈsi.clʏs] 周期

ch /x/ はとても耳につく特徴的な音です。ドイツ語の Bach /bax/ の /x/ に似ています。
school /sxol/ [sxoːl] 学校
recht /rɛxt/ [ɾɛxt] まっすぐな

g /ɣ/ は、無声子音 /x/ に対応する有声子音とされますが、北部では /x/ と同じく無声で発音されることが多いようなので、ぼくも区別しないことにしておきます。また b, d と同様、語末の g は無声化して音韻上も /x/ となります。
goed /ɣut/ [xut] 良い
pro‧gram‧ma /pro.ˈɣrɑ.ma/ [pɾo.ˈxɾɑ.ma] プログラム、番組
dag /dɑx/ [dɑx] 日

v /v/ は、語中では英語などの [v] と同じような音ですが、語頭では、北部では大抵無声化して [f] になり、南部でも [v] から [f] に移るような難しい音ということなので、ぼくは語頭では [f] と発音することにしておきます。
va‧der /ˈva.dər/ [ˈfaː.dəɾ] 父
vier /vir/ [fiːɾ] 4
le‧ven /ˈle.və(n)/ [ˈleː.vən] 生きる
ri‧vier /ri.ˈvir/ [ɾi.ˈviːɾ] 川

w /ʋ/ は [v] に少し似ていますが、摩擦音ではなく接近音なので、より柔らかい音になります。
twee /tʋe/ [tʋeː] 2
woord /ʋort/ [ʋoːɾt] 単語

母音⑥ 二重母音の発音と綴りの読み方

最後に、二重母音を挙げておきます。

音韻上の二重母音は3つだけです。

ij, ei /ɛi/

hij /ɦɛi/ [/ɦɛi/] 彼が
mijn /mɛin/ [mɛin] 私の
mei /mɛi/ [mɛi] 5月
ein‧de /ˈɛin.də/ [ˈɛin.də] 終わり

ui /œy/

huis /ɦœys/ [ɦœys] 家
zui‧den /ˈzœy.də(n)/ [ˈzœy.dən] 南

ou, ouw, au, auw /ɑu/

oud /ɑut/ [ɑut] 古い
vrouw /vrɑu/ [fɾɑu] 女性
au‧to /ˈɑu.to/ [ˈɑu.to] 自動車
blauw /blɑu/ [blɑu] 青い

オランダ語版「きよしこの夜」

最後に実践編(?)ということで、「きよしこの夜」をオランダ語で歌ってみましょう。

オランダ語の歌詞が何種類かあるようですが、ここでは2つを紹介します。

プロテスタント版

Stille nacht, heilige nacht.
Davids Zoon, lang verwacht,
Die miljoenen eens zaligen zal
werd geboren in Bethlehems stal.
Hij, der schepselen Heer
Hij, der schepselen Heer.

/'stɪlə 'nɑxt ˈɦɛiləɣə 'nɑxt
ˈdavɪts ˈzon ˈlɑŋ vər'ʋɑxt
ˈdi mɪlˈjunən ens ˈzaləɣən ˈzɑl
ˈʋɛrt ɣəˈborən ɪn ˈbɛtleˌɦɛms ˈstɑl
ˈɦɛi dər ˈsxɛpsələn ˈɦer
ˈɦɛi dər ˈsxɛpsələn ˈɦer/

カトリック版

Stille nacht, heilige nacht,
Alles slaapt, sluimert zacht.
Eenzaam waakt het hoogheilige paar,
Lieflijk Kindje met goud in het haar,
Sluimert in hemelse rust
Sluimert in hemelse rust.

/'stɪlə 'nɑxt ˈɦɛiləɣə 'nɑxt
ˈɑləs ˈslapt 'slœymərt 'zɑxt
ˈenzam ˈʋaːkt (ɦ)ət ɦoxˈɦɛiləɣə ˈpar
ˈliflək ˈkɪntjə mət ˈɣɑut ɪn (ɦ)ət ˈɦar
'slœymərt ɪn 'ɦeməlsə 'rʏst
'slœymərt ɪn 'ɦeməlsə 'rʏst/

カトリック版の方がドイツ語の原詞に忠実な訳のようです。

最初の1行はどちらもドイツ語の Stille Nacht, heilige Nacht /ˈʃtɪlə ˈnaxt ˈhaɪlɪgə ˈnaxt/ と綴りは(名詞を小文字で始めること以外は)全く同じですが、発音はだいぶ違うことが分かります。

heilige が /ˈɦɛiləɣə/ になるのはこの記事では説明できていませんが、形容詞語尾の -ig の i は /ə/ と読むという例外です。

このような例外はまだいくつかありますが、これで最低限の規則は身につけることができました。ここからどういう形で進めていくかまだ決めていませんが、また note の記事を書く形で文法や語彙の学習を進めていけたらと思っています。

参考資料

川村三喜男・佐藤弘幸『ニューエクスプレスプラス オランダ語』
清水誠『オランダ語の基本――入門から上級の入口まで』
Geert Booij, The Phonology of Dutch
Bruce Donaldson, Dutch: A Comprehensive Grammar
Carlos Gussenhoven, "Dutch"
Wikipedia: Dutch phonology

他の記事も読んでみていただけるとうれしいです! 訳詩目録 https://note.com/lulu_hiyokono/n/n448d96b9ac9c つながる英単語ノート 目次 https://note.com/lulu_hiyokono/n/nf79e157224a5