つながる英単語ノートでぼくがやりたいこと(下書き 1)

イギリスで出版されたとある子供向けの辞書を開くと、本編の最初のページにいきなり aardvark という見たこともない英単語が載っています。日本語では「ツチブタ」という、ブタに似た哺乳類の動物で、日本でも上野動物園などで見ることができるようです。

外国語の習得には、こうした単語を一つ一つ覚えていく作業がつきものです。そして英語の aardvark がなぜツチブタなのかは、ふつう誰も教えてくれません。ほとんどの人は、無意味な音と文字の羅列として、苦労して暗記するのでしょう。

でもここで、aardvark がオランダ語の aardvarken からの借用語であり、オランダ語の aard-(大地、土)は earth と同源で、varken(豚)は pork と同源だと知れば、日本語で「土豚」と訳された理由も分かり、一気に覚えやすくなるのではないでしょうか。

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ぼくが夢見るのは、こんなふうに、どんな目新しい単語に出会っても、既に知っている単語と関連づけて覚えられる状態です。初めて見る単語でも、馴染みのある知識と結びつけることで、全くの未知のものではなくしてしまいたいのです。

いま語源について投稿しているのはその準備にすぎません。それ自体としてどれくらい価値があるかは分かりませんが、世にはびこる子供だましのような「語源」解説より正確な記述を目指しています。それはたとえ短絡的な実利につながらないとしても、好奇心を持つ大人に対する正しい態度だと信じています。

(ちなみにまずは基本8000語の英単語を対象としているので、残念ながらツチブタさんは当面登場する予定はありません。)

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どうしてこんなことを始めてしまったのだろう、と思うこともありますが、なにかを網羅することへの欲求、というだけで十分なのかもしれません。自分自身がなにかできるようになることにあまり興味が持てなくなった今、少しでも誰かの夢の手助けになればいいなという思いもあります。

語りやすい単語ばかりが取り上げられているのではあまり意味がないので、やるからには完成を目指したいです。地味な活動ですが、応援いただけるととてもうれしいです。

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(ほんとうは aardvark についてゲルマン祖語、インド・ヨーロッパ祖語にまで遡って説明を書いていたのですが、下書きが消えてしまったのでここで投稿してしまいます。)

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