#8月31日の夜に #短編 #黒のなかの黄色
今日で8月も終わり。カレンダーをめくろうと思い手をかけて31日という日付を見たら思い出した。
もう5年も前になるだろうか。
あの日私のサロンに来たのは母娘だった。お嬢さんは中学2年生とのこと。メガネをかけたお母さんはお嬢さんの事が本当に好き、そしてとても心配しているという雰囲気が滲み出ていた。
「ご相談は?」と尋ねると、お嬢さんが一度お母さんの顔を見てから恥ずかしそうに私の方を見た。それから口を開いて喋り出したのはお母さんの方だった。「娘はもう1年以上、学校に行く事が出来