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仏像をめぐるぐるりのこと

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2ヶ月に一度、大阪キタ・扇町の「扇町ミュージアムキューブ」内談話室カフェ「マチソワ」にて、仏像トーク「仏像をめぐるぐるりのこと」を開催しています。 マチソワ(大阪市北区南扇町6…
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#大仏

不死鳥のように蘇る上野大仏

顔だけの仏像 顔だけの、この仏像をご覧になられた方は多いかと思う。 顔のサイズから推測するに、なかなかの大きさの仏像だったことが分かる。 果たして、首から下の身体はあったのだろうか? こちらは、東京・上野の寛永寺にいらっしゃる、通称・上野大仏と呼ばれる釈迦如来さんだ。 江戸時代初期の寛永8年(1631)に建立された。 建立後、たびたび罹災した。 正保4年(1647)相模の大地震で倒壊。 慶安2年(1649) 再建するも、またもや慶安川越地震で頭部が落下。 明暦4年(

仏像のつくりかた

仏像のつくりかたを見てみましょう。 木造や金銅像、石像など、仏像にもいろいろな素材でつくられています。 乾漆像 最初につくられたのは、どうやら塑像だったようです。 塑像とは、粘土でつくった仏像のこと。 木と縄で芯をつくって、芯にペタペタと粘土を貼り付けていって、つくります。 粘土なのでかなり細かな造形ができます。しかも制作コストが安い。着色もしやすい。 ただし粘土なのでもろい。時間が経つと、ボロボロと崩れてきます。 なので、奈良時代につくられて以降、あまり制作されなくな