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あかりブロウラー for note『レビュー:エルドレインの森』【ブロール】

皆さんこんにちは。
この記事シリーズでは動画『あかりブロウラー』シリーズのnote版として、新セット「エルドレインの森」に収録されるカードから紹介していきます。

なおMTGアリーナの動画の派生であるため、原則1vs1視点での解説であることをご了承ください。


セットの基本情報

「エルドレインの森」(略号:WOE)はスタンダードのセットのため、スタンダードとヒストリック両方のブロールで使用できます。
これ自体は普段通りですが、スタンダードではローテーションで使えなくなるセットが存在せず、今までの秋のセットと違い純粋にカードプールが広がるのが特徴です。
これ自体はカードが揃うかすら怪しくなりがちだった1色~2色の統率者にとって、相対的にプラス要素と言えます。
統率者に指定できるカードは26種(うちPW1種)で、固有色は1色以下が6種、2色が19種、3色が1種と、5色の統率者がいない点も含めてやや控えめな部類です。

ボーナスシート:おとぎ話(略号:WOT)

「多元宇宙の進軍」に引き続き、ボーナスシートとして全63種のエンチャントが再録され、MTGアリーナでもヒストリックとそのカードが元々使えるフォーマットで使用可能となります。
これらのうち一部はヒストリックでは事前に禁止カードに指定されますが、ヒストリック・ブロールでは全種使用可能です。

メカニズム

機能や挙動の解説は公式記事に任せますが、新規メカニズムとして役割協約祝祭、再録メカニズムとして出来事英雄譚が登場します。

役割は様々なカードからオーラ・トークンを生成できる点からエンチャント軸の統率者に組み込みたくなるところですが、生成する側がエンチャントとは限らず、1体につき1つしか付けられないため既存の統率者と噛み合わない点が多く、純粋な強化と見なせるカードは限られます。
協約は要求されるのがエンチャント、アーティファクト、トークンのため、基本的には確保するコストが低いトークンか、《神憑く相棒》のような出た時の能力がメインのカードを活用する必要があります。継続的にトークンを出せる《ラトスタイン翁》《街角の料理人、ロッコ》は特に相性が良いですね。
祝祭ミラディンのために!やトークンを生成するバトルのように単体で満たせるカードも多数存在するため、達成は比較的簡単と言えます。ただしその分恩恵も小さく、十分なパワーを持つカードは少数です。

出来事は、新たに出来事と当事者の色が異なるカードと、当事者がエンチャントである出来事が登場しました。メカニズム自体の強さは言わずもがなですが、前者は固有色が増えるということでもあるので、採用できるデッキは多少限られます。また、デッキを選ぶカードがエルドレインの王権よりも増えているため、単純な強さはやや落ちている印象です。
英雄譚はターンを跨いで複数の効果を発揮するため、協約のコストにしやすいという特徴があります。《王女、空を飛ぶ》のような、協約で使い捨てることが前提のカードも登場しています。

ピックアップカード

個人的に注目しているカードを紹介していく欄です。

統率者編

《赤歯の執政、イェナ》

ラノワールと違いファンタジー寄りなエルフ

2マナとタップで同名の存在しないエンチャントを伝説を除きコピーし、オーラならアンタップします。
真っ先に比較対象となるのは《運命に導かれし者、ケイリクス》ですが、こちらは攻撃を通すためにコピーの生成を使えること、先述のケイリクスや《白の木に花開く》のような伝説のエンチャントもコピーできる点を意識しておきたいですね。

《フェイの血筋のケラン》

父親はエルドレインで登場したある人物

今セットで初登場の「出来事を持つ統率者」で、統率領域から出来事側を唱えることが可能です。
呪禁と速攻を付与する《速足のブーツ》やオーラのフィニッシャーとなる《きらきらするすべて》のサーチはもちろん、《鉱炉と前線の剣》などのプロテクションを付与する剣シリーズを相手の固有色を見て選べる点も強力です。
本体側も2/2二段攻撃と悪くないスペックですが、出来事側でマナを使っていることや、修整の条件がやや厳しい点を各種サポートで補完する必要があります。

《ベルーナ・グランドスコール》

出来事側の方が重いので、唱えるタイミングに注意

ケランと同じく出来事を持つ統率者で、今セット唯一の3色統率者です。
《ドラゴンの遺産、ローザン》《賢明な導師、ゴライオン》に次いで3枚目の出来事を参照する統率者で、他2枚と違いパーマネント側に恩恵があることが特徴です。
固有色に合う出来事は自身除きスタンダードで28種、ヒストリックで54種とそこまで多くはないため、他の出来事サポートと組み合わせつつ、手数の多さを活かしたいですね。

《勇敢な追跡者、ルビー》

モチーフは赤ずきん

赤緑の2マナ統率者としては初のマナクリーチャーであり、速攻を持っているため追加で1マナの動きを行える点が特徴です。ヒストリックでは1マナのマナ加速が豊富なため、自分の動きを押し付け、中~高マナ域へと素早く繋がる点を活かしたいですね。

《下水王、駆け抜け候》

地味に3/3ある

《ネファリアのグール呼び、ジャダー》と同様に毎ターントークンを生成できる統率者で、こちらは1/1とサイズで劣る代わりに複数並べることができ、駆け抜け候の能力で墓地のカードの追放が可能です。
ジャダーより器用な分トークンが小型で1マナ重いため、《ランクルのいたずら》のように複数体を生け贄にするカードを扱っていきたいですね。

非統率者編

《月揺らしの騎兵隊》

速攻は無いため、打点はビヒモスより劣る

自分のクリーチャー全体に修整と飛行を与えるクリーチャーであり、《孔蹄のビヒモス》と同じくフィニッシャーとして強力です。
ただし色の都合上マナ加速と併用しにくいため、横並べからこのカードに繋ぎやすい《ドーンハルトの主導者、カティルダ》や、スピリットにトランプルと速攻を付与する《霊鍛冶のホフリ》などで扱いたいですね。

《忠義の徳目》

ブロールでは重すぎない程度

出来事でトークンを生成し、本体でそれを強化しつつ守りを固められるエンチャント。
出来事側は《一時の猶予》《ガーディアン・オヴ・フェイス》といった防御カードと同時に構える選択肢として扱いやすく、本体側はミシュラランドで攻める際や、お互いに並んだ際に突破する手段として役立ちます。

《知識の徳目》

出来事側は起動型能力も増幅できる

出来事で能力をコピーし、本体は誘発型能力を追加で誘発させるエンチャント。
本体側だけで見ると相手の誘発型能力を封じられない《機械の母、エリシュ・ノーン》ですが、出来事で《進化する未開地》の能力をコピーすることで土地加速に使える、といった独自の特徴もあります。

《エルフの文書管理人》

誘発はターンにつき1回

アーティファクトかエンチャントが出ると恩恵のあるクリーチャーですが、どちらかと言えばドローができるエンチャント軸で採用したい1枚です。《離反ダニ、スクレルヴ》《秘儀の印鑑》などで自然にアーティファクト側を誘発させることもできる点も意識しておきたいですね。

《木苺の使い魔》

《願いのフェイ》に似たコンセプト

本体は2マナ2/2のマナクリーチャー、出来事は7マナの踏み倒し呪文と、ランプ系の統率者に適したカードです。《原初の征服者、エターリ》の場合は序盤のマナ加速を兼ねつつ出来事側で再度当たりを狙いに行けるため、他のマナクリーチャーよりも優先して採用したいカードと言えます。

《退廃的なドラゴン》

マナは土地か宝物で工面する必要あり

固有色の関係で入るデッキはやや限られますが、除去を構えながら使える手札補充として強力です。
特に《秘本に縛られし者、プロスパー》にとっては追放領域に3枚分を確保しつつプロスパーでも宝物を工面できるため、非常に強力なカードです。

《花粉盾の兎》

ショーケース版は獰猛?

出来事で1体を並べた数だけ強化し、本体でトークンを強化と、横に並べるデッキの決め手として強力な1枚です。ただし《旗幟+鮮明》と違い単体強化が付与する能力は警戒のため、《古の放漫トカゲ》《壮麗な日の出》などのトランプルと併用したいですね。

《アイレンクラッグ》

《エンバレスの宝剣》の産地

スタンダードでは《マイアの改宗者》程度とかなり希少な、色や条件を問わず2マナでマナ加速が可能なカードです。
ヒストリックでもさほど種類は多くないですが、ドローに変換できる《精神石》や色マナを出せる《冷鉄の心臓》もあるため、装備品になれる点を活かすことも必要です。

おとぎ話編

《土地税》

物理的に徴収

1マナながら爆発的なアドバンテージに繋がるエンチャントであり、特に後攻で効果を発揮しやすいです。ただしサーチは基本土地限定のため、3色以下の統率者向きです。

《侵入警報》

お互いに影響する

アンタップの条件が「クリーチャーが戦場に出るたび」になるエンチャントで、《結束に仕える者》で無限トークン、《眷者の神童、キナン》でマナクリーチャーを起こしながら非人間呼び出し……等々、コンボ特化のエンチャントです。《パラドックス装置》とは「クリーチャー呪文を唱える」ことを軸にしていれば共存可能です。

《ネクロポーテンス》

ハイリスクハイリターン

通常のドローが無くなる代わりに、ライフ1点につき手札1枚となるエンチャントです。ただし手札制限を墓地肥やしに転用することは不可能です。
《闇市の人脈》《オルサンクのパランティール》と同じく《暗黒の儀式》から1ターン目に出せるカードであり、前者2つと比べるとよりアグロ向きです。マナ加速側は下手に増やせないので出す側ばかり増える宿命にあります。
どちらにせよ、ライフを確保する手段は用意しておきたいですね。

《騙し討ち》

もちろん通常のヒストリックでは禁止

計5マナでクリーチャーをそのターン限定で踏み倒せるエンチャントで、ランプデッキでマナ加速が妨害された際のサブプランとして強力です。
とはいえ《引き裂かれし永劫、エムラクール》のように壊滅的な被害を与えられるカードは少ないため、出すカードの選択とタイミングの見極めが重要になります。

《楽園の拡散》

基本土地以外にも付けられるが、土地破壊に注意

1マナでマナ加速が可能なエンチャントですが、森にしか付けられないため3色以上のデッキにはやや不向きです。
《ラノワールのエルフ》などと違い召喚酔いの影響を受けないため、キープの際は加速したマナを即使える点を意識しておきたいですね。

《野生の活力&倍増の季節》

自分のトークン倍化のみの《似通った生命》も収録

共にトークンとカウンターを倍にするエンチャントですが、
《野生の活力》はお互いに適応され、カウンターは+1/+1のみ対応
《倍増の季節》は自分にのみ適応され、カウンターの種類は問わないが、効果によるもののみ
と違う部分も多いため、運用には注意が必要です。
緑白では実装済みの《似通った生命》《選定された行進》《栄光のドミヌス、モンドラク》も合わせてトークン倍化を5枚体制にすることも可能です。

最後に

普段はYoutubeで動画を投稿しているため、チャンネル登録をしていただけると励みになります。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。



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