呪術廻戦感想

0巻+10巻(現行の最新刊)までよんだ!ので簡単な感想です。

夏油、カワイ〜〜〜〜〜〜!!!!!!

いや夏油、めちゃカワイイですね。強者故に弱者を守る義務と誇りがあるというノブレスオブリージュだったはずのものが、守るべきものたちの愚かさを突きつけられたことで丁寧に選民思想へ堕ちていくの、すごく真面目なやつが行き着く悪徳という感じで良い……。

猿どもみんな殺さなきゃ、となった夏油が(あの村の人々を除いて)一番最初に殺すのが自分の両親なのも、自分の定めた道に対してすごく真面目ですよね。元々情がある人(情があるからこそ猿に虐げられた幼い同胞を見て最後の一線を越えてしまった)なので親殺しに何も思わなかったとは思えないし、おそらく彼にとって一番守りたい弱者だったであろう両親を殺したことで引き返す意味もなくなった。退路を自分で潰し最初に自らが規範を示すところ、真面目だ。
夏油がもし非呪術師の親から疎まれていたのならもっと悩まず一線を越えていた+その辺の描写があったと思うので、親との仲は普通に良好だったらいいな!守るべき弱い人々を実感としてちゃんと知りながら、それでも彼ら全てをまとめて「猿」の括りにいれて「嫌い」という本音を得ていた方が、悪性として”良い”ので……。

真面目だ真面目だ言ってますけど、夏油は五条と親友できるノリと性格の悪さを兼ね備えた男じゃないですか。そういう人間が悪として振舞うと0巻での教祖様ムーブになるの、解像度が高くてテンション上がりました。真面目に4000体の呪いを集め真面目に金づるの相手をする夏油、カワイイ。カワイくない?

夏油は邪悪をやりたくてやってるタイプではなく、自分の本音に忠実になった結果善人としてやっていける未来もあった人が邪悪をやることになったタイプ(邪悪であることには変わりはない)なのがこう、”もしも”を愛する心をくすぐりますよね。五条があのタイミングで「最強」にならず、夏油が一人になることもなく、九十九さんが来た時五条がそこにいたのならもしかしたら、みたいなさあ……。こう並べると五条悟と夏油傑はことごとく間が悪かったんだな〜というのがはっきりして興奮する。二人で一つ、一緒にいれば無敵だぜ!みたいな親友同士が実際は片方が絶対孤高、天上天下唯我独尊だったので当然のように溝が生まれ断絶するの良いな。しかもその断絶が親友との力の格差を思い知らされ〜とかじゃなく(そのパターンも好きだけど!)、最強が最強ゆえに一人で全てどうにかできるようになった結果それ以前の繋がりが細くなり、結果として大切だった筈の友人の変化に何も気づけなかったから生まれたもの、なの良いんだよね〜〜〜!!天才の孤高と孤独大好きなので、それが本人の独白ではなく外部要素から親友の悪堕ち絡めて解像度高く描写されるの、そりゃ気持ちいいです。
……しかし夏油の話すると絶対五条の話にもなるの、必然なんだけど負けた感あって悔しいな……五条……夏油の親友の枠も最後の引導と見取りの役も全部お前のもの……クソッ……こんなの勝てねえよ……。

そういえば自分は10巻まで読んでから0巻読んだので10巻までの現代夏油描写のこと軽く流してたんですが、夏油、お前なぜ生きている……?死体に呪霊が入って動いてるとかあるのかなー、それにしては夏油の五条ご理解感は本物っぽいんだよな。でも夏油の呪術師こそ至高!非術師全部殺す!思想と呪霊の俺たちが真の人間だぜ!術師も非術師も人間は全部殺す!は最終的に相容れなくないですか?一時的な協力関係とかなのかな。この辺なんかあると思うので次巻が楽しみです。
夏油、どうかちゃんと死んでいてくれ。息のしづらい世界では人を害し搾取することでしか自分らしく生きることができなくなった生き物が、それでも親友に終わらせてもらえたこと、きっと幸いだったと思うので……地獄で見る最後の光じゃん……頼むよ夏油、死んでてくれ……。


呪術の感想っていうか夏油への感情じゃねえか。好みの顔と戦闘スタイルは伏黒パパです。よろしくお願いします。

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