そして核に触れる

こんにちは。Base Ball Bear岡山公演に参加したので、だーっと、だだっと書きます。

今回のツアータイトルはLIVE IN LIVE〜17才から17年やってますツアー〜ということでした。「LIVE IN LIVE」は、アルバムツアー以外に関するテーマになったようですね。彼らの曲にはBase Ball Bear自身を歌うものがいくつかあって、その中でもTabibito In The Darkはライブしている日常を描かれたものなので、そのイメージのピースにあるのかなあと思ったりしますが、詳細はわかりません(笑)
そしてサブタイトル、彼らが過去にリリースした「十七歳」と代表曲の一つ「17才」、また結成から17年を迎えたというBase Ball Bearに合った記念年ということで行われているようです。新作ポラリスEpを持ちながら、今のフレッシュさと十七歳制作当時、さらには結成当時の勢いを感じたタイトルでした。

暗転して、一曲目17才。途中のハンドクラップもビタッと決まり、超安定の始まりでした。小出さんのギターがまた面白くて、原曲の元気さをより感じられるエネルギーに満ちたギターアレンジで、その拡がりをまとめるようにベースとドラムで枠付けしていました。

しかし、鳴り物入りの新曲の試されるから小出さんに歌いづらそうな瞬間が増えていきます。MCを挟み、ヘヴンズドアーガールズ、抱きしめたいと十七歳収録の甘酸っぱい曲が次々と披露されていく中で、声が裏返ってしまったり、悔しさを滲ませるような瞬間が現れていて。Transfar girlでは後ろを向いてしまう場面も…。

そこで「なにか、彼が歌いやすいように出来ないか」と考えていました。でもそれは曲調に合わない声援や手拍子などのリアクションではなくて、例えば曲終わりの拍手や参戦したこれまでに見た彼らの景色から得た反応で、彼にエネルギーをあげたいと思いました。「キツいながらも演奏されるなら、それは観たいです」と、後方から三列目とかの一観客の、そんな気持ちだけでも届いて欲しいと。本当の不調となれば、必ずスタッフの方々が彼を止められるから、彼もまたその判断を出来る人はなんだから、それならギターを持ってマイクの前にいる以上は、その心意気に応えたいと。

こんなことをBase Ball Bearのライブ中に考えたのは初めてで、その点であまりにも普段とは異なったライブになっていました。それでも、ベースの関根さんやドラムの堀之内さんが音に想いを込めようとしている姿や、声は出づらくなってしまった小出さんも、その喉でメロディに合わせ確実に声を届け、煽りも抜かりなく行われている姿は、もしかすると普段以上に素敵なライブだったのかもしれません。

自虐的にネタとして自分を扱いながら(笑)、The Cut、ドラマチックと歌って終了でした。こんな日もあるロックバンドの、と歌って始まったドラマチックは、かつてCMで一瞬その曲を聴いた時に感じたかっこよさと、寸分違わぬもので。少しだけ音楽の知識が増えた今の僕と、音楽なんか全く知らなかったけどCMで「なんかいいな」思った僕がシンクロした感じは、特別な感覚でした。

ある意味で、言葉や景色をまとめない、ライブの流れを追うことより、今回はこのように得た感覚を書かせて頂きました。それは、Base Ball Bearの、Base Ball Bearを知った僕の、そしてロックバンドの核に少しだけ触れた感覚でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?